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2023-06

いじめについて考える Vol.8 - 2014.06.07 Sat

先日、いじめを苦にして自殺した子供の家族が、市と学校の責任を問うて起こした裁判で勝訴し約7000万円の損害賠償判決がでた。しかし、市と学校側はそれを不服とし控訴するつもりであるというニュースがありました。


この報道をみてなんとも悲しい気持ちになりました。

残された家族はお金のために裁判を起こしたのでしょうか。
全くそのようなことはないと思います。








数々のいじめ事件の報道をみていて当局や学校の姿勢に感じるのは、とにかく責任を回避しようと数々の手管を弄するその不誠実な態度です。

お子さんのご家族は、自分の子供がいじめの被害にあっているという状況を、学校側は知らなかった、もしくは知っていても問題視しなかった、さらには問題視していたのに適切な対応・最低限必要な対応すらとらなかった、このような本来の責任を全うせずに子供を守ってくれなかった学校に対しての怒りや、責任をとってももらいたいという痛切な思いなどがあることでしょう。




<いじめっ子と学校の利害が一致する悲しい現実>

最初から当局や学校が誠実に対応していたのならば、裁判など起こさなかったというケースも多々あるのではないかと思われます。
しかし、そこに誠実さがない、責任を果たそうとも、取ろうとしないという印象しか受けないから裁判ということにならざるを得ないのでしょう。


自分の子供の命と引き換えに7000万円もらったとしても、それで納得できるものではありません。その10倍でも100倍でも同様です。

しかし、市と学校はそれにすら不満だという。
つまり、「子供の命を失った責任は自分には少しもないのだ」と言わんとしているわけです。

このようになると、学校側は「いじめの事実はなかったのだ」「あれはいじめではなく子供同士の許容範囲の関わりだったのだ」そのような主張になっています。


つまり、学校といじめっ子の利害は一致して、その気はなくとも結果としては学校といじめっ子はタッグを組むことになります。

過去のいじめ関係の事件を見ると、このようにいじめっ子と学校の利害は完全一致、被害者は泣き寝入り、というケースのなんと多いことか・・。

挙げ句の果ては、政治家やえらいおじさんたちがそれに便乗して「いじめられる側にも問題があるのだ」などと援護射撃をするようなこともありました。



このような体質でいいのでしょうか。
僕はいいわけないと思います。

こういうことで得をするのは誰なのでしょう。
おそらく本来責任を取らなければならないポストに立っている関係者たちだと思われます。

少なくとも、子供や一般市民ではありません。



現政権はいじめ問題の多発(実際は表面化にすぎないが)などを受けて、教育改革を掲げると言っていますが、その実態は教育を政治に取り込む方向に持っていこうとしていることが明らかです。

例えば、このいじめ問題のネックになってくるのが「教育委員会制度」ですが、これの掌握をさらに強めようとしています。

現在の教育委員会が形骸化し、このようにことにあたって責任を果たすつもりも、取るつもりもないただの官僚組織になってしまったのは、実は教育委員会に対する国・文科省(文部省時代含む)の支配を強めてきた結果です。


むしろ、僕は教育委員会を市民の手に返す、つまり「教育を市民の手に返す」ことが、このようなおかしくなってしまった体質を改善するために必要な唯一の策ではないかと思います。



「7000万円であなたのお子さんの命を売ってください。いや、やっぱりもうちょっと値切らせてもらいますわ」

そのようなことを恥も外聞もなくできる市や学校・教育委員会、そこにいる人たちというのが僕には恐ろしくてたまりません。
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● COMMENT ●

長文失礼いたします。いじめは環境がはぐくむものかもしれません。

時々寄らさせていただいて、いつも考えさせられています。

いじめについて。
これは私自身が体験していることであり、息子が体験していることです。

私達の時代、いじめというのは無視だったり噂話ぐらいでした。
せいぜい靴を隠されたりというぐらいで。
己自身が胸を張っていられれば、それほど害はありませんでした。


ところが、最近では怪我をさせるのが当然になってきています。
そして先生は見て見ぬふり。
精々たしなめる、学級会を開く程度。
抑止力なんてありません。
先生は準備だなんだと職員室に籠ってしまい、把握していない。
見ていないからまともに叱れないし、避けて通る気が見え隠れ。

これ、当然です。

息子は小学2年生から、いじめを受けてきました。
ですが、先生の評価は『いじめを受けている』ではなく『行動が遅い』『皆と同じように出来ない』というものでした。
学校に呼ばれて話し合いもしましたが、担任も含め、正確に把握している先生がいません。
これでは話し合いにもならないと、呆れました。
ただ、別のクラスの先生に嫌味言われただけでした。
校長先生の勧めもあり、何度も学校へ行き、授業の様子を見に行きました。
感想としては。

『担任、チェンジで』

新任の女性教師でした。
別に女性であることは問題ではありませんが、大人でも教師でもなく、『女(女の子)』であることに問題がありました。
女子には適当に相手されて転がされ、気付いていない。
男子には軽視され、半ば無視されている。
2学期の末頃には、学級崩壊ギリギリの状態でした。
男の子の行動が全く理解出来ず、おたおたわたわたしている先生に、教師って大人ってなんだろうと思わずにいられませんでした。
それも、他の教師は誰も気づいていないんですよ。
というより担任なんだからという感じで、一歩引いて見てるだけっていうか。
誰か指摘するとか補助すればいいのに。
何か問題があれば、新任だからとか女だからとかそういう理由で責められるのって、担任だけじゃないのかなぁとちょっと予測してしまいました。

そして息子はその狭間に立たされ(元々女子とも仲良く出来る子です)あちこちから悪意あるちょっかいだされ、それに怒れば先生に目をつけられ。
先生への不信感ばかりがつのっている様子。
あげくのはてに、市の児童相談所に通ったらどうかと言われました。
『昼間、授業に出ずそこに通ったとして、先生は他の子に聞かれたら誤魔化せますか?』
『皆と違う生活は、かえっていじめを増長させないですか?』
・・・結局、担任の先生は答えられませんでした。
そこまで考えていなかったようです。
責任をよそへ移そうっていうだけしか考えてないんですかね。
相談所でどのようなカリキュラムなのか、どうやって教室へ戻すのかなど、細かいことも知らないようでした。
本当に子供を心配するなら、それくらい問い合わせしてても当然だと思うんですが。
それほど推すなら先生が通って勉強してきた方がいいんじゃないですか?と、言いたかったけれど、やめました。
当時の学年主任だけが、『そんなに問題視するような子じゃないはずなんですがねぇ・・・』と不思議そうにおっしゃっていました。
でも、本格的に関わる気は無し。

モンスターペアレンツであろうが、現場を見ている先生がしっかりしていれば反論はいくらでも出来るはずなんですよね。
つまり、見ていないからこそ何を言われるか分からず、逃げの一手。

6年生の時には、松葉杖で叩かれたり階段から突き落とされたり、蹴られるのもしょっちゅう。
息子はアザだらけでした。
空手を習わせていて良かったと思います。
学校以外の友達も出来たし、受け身を取ることが出来るので、致命傷にはならずに済んだんですから。
正直、親が出ていくことはしたくありません。
家庭と学校は別物として考えなければいけませんし、先生をたて子供との間を取り持つことが本来親のあり方だと思うんです。
それに、現場を目撃もしていないのにどうこう言うことは出来ないと思うんです。
けれどしっかり見ていない現場の教師。
たとえ息子が訴えても、学級会で議題に出すぐらいで、自分の目で確かめようとはしません。
その時だけいい子にしてれば、終わるんですよね。学級会って。
私も息子も、先生というものを信じる気をなくしました。
『またか・・・』
それしか言えませんでした。
結局、スケープゴートのようなものでした。
先生にレッテルを張られたようなものです。
そしてそれが薄れるまでの数年間。
息子は本当に良く頑張ってくれたと思います。


唯一信じられたのは、3年の時の担任の先生だけです。
キチンと叱れる方でした。
女子の一部には怖がられていましたが、それが教師として正しいあり方ではないでしょうか。
叱られている男子を見てクスクス笑っている女子すら叱れる教師なんて、そうはいないでしょう。
あの先生がいらしたから、息子も私も頑張っていられるんです。
息子はすでに、毎年担任の先生がどういう人間かということを見ていますよ。
子供だと馬鹿にしちゃあ、いけないんです。

親も自分の子がするわけないなどと思う前に、子供が誰かの悪口を言った時、叱っているかどうか考えてみて欲しいです。
笑って済ませたら最後、子供にとって悪口は正当化されます。
親が気にしない怒らないのは、やっていいことなんです。

子供のモラルを育てるのは、大人の仕事だと私は思います。
そのためにも、普段から自分をかえりみて、大人とはどうあるべきか、親も教師も市の職員も、じっくり考えて欲しいですね。

子ども達が大人になった時、『年寄りのくせに』『古いんだよ!』そういわれる土台を作るのも、私達大人です。


No title

いじめをする張本人には、
大した理由はない場合があります。
子供の頃のありあまるエネルギーを、
たまたま目に入ったいじめやすい子にぶつけているだけの子が多いように思います。
昔の子が虫やカエルをつぶしたようなものだと思います。

それに集団浅慮が拍車を掛けます。
いじめっ子にとっては、いじめがクラスの子たちに自分のリーダー手腕を見せる舞台のように
なっていたりします。

そんなつまらないことの後始末として賠償責任を負わなければならない自治体はとんだことだと思うのでしょうが、

いじめられた子はどうやったら報われるのか、
亡くなったお子さんは報われることがありませんが、
せめて、第三者に我が子に起こったことを知ってもらおうと、
訴訟を選ぶ親御さんも多いのではないかと思います。

なんとも言えないつまらないことによって人の命が奪われたり、
その子の将来への希望を失わせてしまうようなことが
普通は分別のつく中学高校以降も
日常茶飯事として相変わらず起きていることを考えると、
日本って、平和のようでいてみんな心に毒を貯めているのか、
そうだとすれば、なぜそんなに辛い社会なのか、考えてしまいます。

人と人が、無理に強くならなくても、お互いを思いやることで
幸せになれる世界ができればいいなと、
子育てをしながら、人間不信の私は初めて思うようになりました。
誰か、賢い人が考えてくれないでしょうか?
人って、もう何千年も進歩してなくないですか?
そのうち大爆発が起こるでしょうか。

私の子供はまだ幼児で、
イヤイヤ期の葛藤はありますが、
それは人間世界を白杖をついて歩いているようなもので、
他人を信じる気持ち、喜怒哀楽を表す表情はまだまだ天使です。

おとーちゃんさんが前に言われていた純粋培養という言葉は
言葉自体に批判も多かったと思いますが、
私も同じ気持ちで、集団への参加は急がなくていいと思っています。
他者へ思いを向ける姿勢が十分できてからでいいと思っています。

保育士のおとーちゃんさんが子供さんは幼稚園に行かせる、
というところで、たくさんの問題提起がありますよね。

個人の問題だけではなく、自治体、その大本の国自体の問題、
その中で、今できる最善の育児を自分で考えて行うことが
親にとって大事なのだと言うメッセージなのかなと、
私は思いました。

それが、いずれは将来の社会につながっていくのですよね。

相変わらず小学生みたいな文章ですみません。







なおさん

息子さんが実際にいじめの被害に遭われていたとのこと、そのお気持ちは第三者からは想像するにあまりあります。
それはとても言葉では言い尽くせません。


「いじめ」の問題は本当に学校とはなんなのか考えさせられることです。

教員のポストが狭き門になってしまって先生になる人たちはたくさん勉強をしてきた人でなければなれません。
いわば優等生です。
勉強はできるのかもしれないけれども、「なんでこの人教師になったのだろう?」そのように思わされる人も少なくありません。


知り合いに退職した小学校の校長先生がいるのですが、教員の指導員として非常勤勤務をして欲しいということを再三持ちかけられているそうです。

それほどに、いまの教員の人間として児童に向き合う能力というのが難しくなっているようです。

いじめの問題、不登校の問題、保健室登校せざるを得ない子供の問題、このような「人間」に向き合うための技術というものがこれまで以上に学校に求められる時代になっているのだと思います。


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