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2023-03

クレームという名のカウンセリング Vol.2 - 2014.06.09 Mon

年配の人や地方だと、「保育園は貧乏な家庭がいくところ」「低所得者は入りやすい」というようなことを言う人がいたり、そのように認識されていたりもするようです。





いまは「子育てしながらバリバリ働けるお母さんって素敵!」というイメージ戦略を国やマスコミがしていますが、かつては「専業主婦で文化的な家電製品(←当時の最先端)を有効に使って家事や子育てをこなしながら、人生を謳歌する女性って素敵!」というようなイメージが流行していた時代もあります。

そのような時代においては、女性が働いて子供を預けているというような家庭が一頭低く見られたりしたこともあったのでしょう。
「保育園は貧乏な家庭がいくところ」のように今でも思っている人には、そのような時代に価値観を身につけた人なのかもしれません。



「保育園が貧乏な家庭がくるところ」などというイメージは、いまではぶっ飛ぶようなところもあります。

都心のお金持ちの住むような所ですと、送り迎えは外車かタクシー、とりあえずお受験は当たり前、両親ともに医者や弁護士、一流企業に勤めているというようないわゆるハイソサエティ、アッパークラスというような人がほとんどというような園もあります。
ちなみにとりたててお金持ち相手のすごいことをしている園(または保育料の高い園)というのではなくて、ごく普通の保育園です。


前回書いたような、「クレームという名のカウンセリング」がこういったところでは無縁かというと、それがそうでもありません。

むしろ多いということもあるようです。

最初のクレームが少々きちんとしていたり、理屈っぽかったりということもありますが、それこそ「髪型うんぬん」と同じようなものもあります。


「金持ち喧嘩せず」という言葉があります。
全部が全部ではないにしてもそれは一面の事実でもあるでしょう。

金銭的な余裕・生活の余裕というのは、精神の余裕をもたらすことが可能だからです。

しかし、そのような豊かさを持っている人も、今では余裕がなかったり、自己を内的に完結できないなにかというものを持ってしまっています。

本当に社会全体の余裕がなくなっていると思わざるを得ません。



さて、ここでちょっぴりおもしろい情景というのが出てきます。

保育士が勤務を終えて明日の準備も終わった頃(この時点でたいていはクタクタでサービス残業ですが)、ちょうど多くの家庭がお迎えにきます。
遅番を担当している保育士というのはあまり子供から目を離せませんので、そろそろ帰り支度でもという保育士が、暇そうに見えるのでしょう、そういった「クレームという名のカウンセリング」を求めている保護者につかまります。

そこで1時間2時間ときには3時間と話を聴くこともあります。

するとそこには、薄給で有名な保育士が、高給で有名なお医者さんや弁護士さんのカウンセリングをサービス残業でするという光景が見られます。



経済だけでなく、人間の心の豊かさというものについても真剣に考えていかないと今後どうにもならなくなってしまうのではないかと、僕なんかはかなり深刻に感じます。
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● COMMENT ●

No title

最後の一文…薄給で有名な…の部分めちゃくちゃ笑えました!

うちの幼稚園でも時々そういうのありますよー。
愚痴を言いたいがためのクレーム…

基本はお母さん同士の付き合いの中で解消される事が多いんですが、お母さん同士の付き合いがあまりない方なんかはそういうことで電話がかかってきたりします(^^;;

保育園だとなかなかお母さんどうしの付き合いも難しいし、先生に行っちゃうのかな?日々いろんなことありますね…
子供がハッピーで過ごせる世の中でありますように。

No title

こんばんは。

先生と言われる職業の方達はあまりストレスはないのかと思っていましたが、意外にもストレスが溜まるものなのですね。
親が元気になるのであれば、多少のカウンセリング?は(保育士さんは大変ですが)子供のためになるのだとは思うのですが、何時間もという場合は、待たされる子供がちょっと可哀想です。

先日の喜怒哀楽の記事が、かなり自分にヒットしました。
とりあえず、自分の中で母親として作っていた部分で最後まで残っていたことを完全にやめてみました。
作って笑う回数も減って、怖くなってる部分もあるのに、息子が数日でとても落ち着いて、また成長し、驚きました。
一番驚いたのが、11ヶ月でおっぱいを拒否してからほとんどおっぱいに興味を示さなかった息子が、今は2歳3ヶ月ですが、おっぱいを触るようになったり、自分からよくスキンシップしてくるようなったことです。
10ヶ月で歩き出してかなり活発な子だったので、その頃から注意したり、内心は嫌だなあ、と思っていたことが全部分かっていたのだなあ、と思いました。

お父ちゃんさんのブログに書かれていることを実践してみて、自分の個性ではうまくいかないこともありますが、諦めなければいつか分かることあるので、これからもマイペースにやって行こうと思います。

でも、今回の件で、自分を作っていた部分をやめても大丈夫とわかり、自分の心がとても軽くなり嬉しいです。

いつもありがとうございます。
お返事は不要です。

No title

面白いオチです!笑いました。

弁護士も医者も、お客に親身になって頑張っても、善意から費やした労力がお金はともかく気持ち的に空振りすることが多そう…という面では、ストレスの質が似てそうですね…。


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楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

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