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2023-03

相談 自分から作ることが苦手(2歳10ヶ月) ー自己表現ー - 2014.07.31 Thu

7月9日 パインさんの相談コメントへの返信










2歳10か月の娘がひとりおります。娘の遊びについての相談です。
娘はお絵かき、粘土、積み木などの無から何かを作る遊びが苦手なようです。
「お母さんがして」と私に何かを作らせ、それをまねすることはします。
家でもそのような様子とは気づいていましたが、
保育園からもそのような時間は友達が何をするかを見ていて、
自分の作業に集中できないようだと指摘されました。

娘は体を動かして遊ぶことが好きで、公園の遊具遊び、ボール遊び、
リズム運動などを好みます。
机上遊びではパズルやかるた、ひもとおしなど答えが決まっているものは
好んで遊びます。
おままごとも好きです。その時はつみきをケーキに見立てるなど、
あるものを他のものに見立てることはしています。

娘は人の気持ちに敏感な子で、おそらく作ったものが
どう評価されるかが気になるのではないかと思います。
他に遊べることがたくさんあるので、無理にできるようにしたいとは思いませんが、
そのような活動を楽しめるきっかけをあげられたらそれに越したことはないとも思います。
娘には「自分の好きなものを作っていいんだよ」と言いますが、
必ず「お母さんがして」と返されてしまいます。
他にいい声掛けや関わりがありましたら教えていただきたいです。


子供にはいろいろな個性があります。
なので僕が述べることが必ずしもその子供にあうかどうかというのはわかりませんので、参考程度にきいてください。

まず、2歳10ヶ月という年齢です。
例えば、10歳の子が「僕にはかけないよー、ママ描いてー」と言うのならばちょっと心配です。
でも、2歳の子がそれを言う分には、まだまだ普通のことだと思います。
なので、「ああ、そうなんだー」で気持ちよく受けてあげてもいいのではないかと思います。

絵や粘土、積み木を自分で作るのに抵抗感を感じる子というのはたくさんいます。
もともとの性格であったり、それまでの生育歴で「うまくできること」を大人から期待されることの多かった子ということもありますし、単にそういった遊びを好まないからと言う子もいます。

多くの人は子供に苦手なものがあると、「それを克服させなければならない」と考えてしまいがちです。
でも、子供の成長には、「苦手なものがあるのだね」とそれを肯定的に認めてもらうことが前に進むための鍵となっていることもあります。

大人が、「それを克服させなければならない」と考えるとき、その前に「その子のそういう姿はイカン!」という否定的な見方が存在していることを同時に意味しています。
別に当の大人はそれを明確に意識してしているわけではないのだけれども、敏感な子供であると、大人のそういう見方というのを感じ取って抵抗感を覚えてしまうこともあります。

僕はこういう子供と絵や粘土をするとき、となりで自分がそれを楽しむようにしています。
子供のために作ってあげるというわけではなくて、自分が楽しむのです。
好きな絵を描いたり、粘土で動物園を作ってみたり。

>どう評価されるかが気になるのではないかと思います。

そういう子供に、結果ではなくて楽しむ過程を伝えてあげたいからです。
それでとなりにいる子が、その姿を見ていて「それちょうだい」と粘土で作ったものを欲しがるなら、別になにも気にすることなくあげてしまいます。

そのときは自分で作らなくても、作った世界で楽しく遊べるということがわかればいずれ自分から手を伸ばしていくかもしれません。
幼少期の子供には「させること」「できること」を目の前でださせなくても、種まきをしておけばいいと考えています。




こういった「創ること」というのは、大きく考えたら「自己表現」というものです。

かつては、実質的に量産型の人間をつくることが現実だった時代もありますが、そこでは「自己表現」というものはさして重視されていませんでした。

いまは学校でダンスが必修化なんてニュースもありましたが、「自己表現」というものが重視されるような時代になってきました。

自己表現の手段というのはいろいろとあるわけですが、別に一人の人間がそれらをたくさん持ってなくてもいいわけです。
ある程度の年齢になったときに、なんとなくでもいいから一個でもその手段があればその人が素敵な人生をおくる助けになるでしょう。

絵が得意でなかったり、好きでなく、身体を動かすのがすきならばそれこそ体操だって運動だって、ダンスだっていいわけです。
しかも、それは別にさしてうまくなくたっていいのです。
自己表現というものがすべて上々の評価求めなければならないわけではないですから。
なので、自分でそれが好きならいいのですね。

そういう意識に大人が立ってあげると、プレッシャーを感じやすい子供というのはだいぶ楽になります。

まだ、2歳10ヶ月は苦手なこと、できないことというのがたくさんあっていい年齢です。
なので、「やらせよう」という意識を大人の方がどこかにおいてしまうことで、その子のあるがままの姿、成長というものがでてくるのではないかと思いますよ。

http://hoikushipapa.blog112.fc2.com/blog-entry-396.html
『クレヨン』 以前にこんな記事を書いたのを思い出しました。直接関係ないですが参考までに。
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● COMMENT ●

私も2歳半の娘に対して同じように気になっていたのでとても参考になりました。今はあまり興味が無いんだなぁと受け止めてるつもりでも、児童館などでもっと月齢の低い子が伸び伸びとお絵描きしているのを見るとつい比べて羨ましく思ってしまうこともあります。
過去記事の「クレヨン」も改めて読んで楽しそうでウキウキしてきました。あまりにお絵描きしないのでここしばらく片付けっぱなしでしたが、明日久しぶりに落書き帳とクレヨン出してみようと思いました!

No title

おとーちゃんさん、お忙しいなかご回答ありがとうございました。

どうしてもこどものために!という考えになってしまって、
自分が楽しむということ、できていなかったと思います。

こどもが好きなことを私も一緒に楽しんでいこうと思います。
本当に、ありがとうございました。
暑い日が続きますので、どうぞご自愛ください。

今日、5歳(年長)の息子の参観日でした。クラス活動で、絵を描いたのですが息子は隣の子の絵を見てまねてかいていました。花瓶を粘土で作ったものを飾ってあったのでずがそれも席が近い子のまねとわかりました。
想像力が乏しいのかな?なんだかがっかりとした参観日で、おとーちゃんさんのブログに助けを求めていたらこの記事に出会ってすこしほっとしました。
幸い、今、彼の中で絵を描くことは流行っているので隣に座って楽しく絵を描こうと決心しました!私も絵や粘土など自己表現するのが得意でないので息子には同じ思いをさせたくないなーと思ってしまいます。


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楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

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