相談 自傷行為にどう対応したらいいのか?(1歳10ヶ月) - 2014.09.02 Tue
コメント欄にて返信したのですが、つぎに記事にしようと考えていたことと関連性があったのでこちらにもあげておきます。
以下に転載してある相談コメントは、僕の返信に対する再コメントになります。
最初のコメントに対しては、直前にあった
『相談 母親に噛みついてくる(1歳半) イニシアチブと気分バロメーターの話』こちらの記事と近い内容だったので、そちらへの誘導をしたため
「子供の様子にもよるのですが、自傷行為は他者を傷つける行為と変わりませんのでそれは明確に止めるべきことであると僕は考えています。 」
ということ以外はあまり述べていません。
ミカイデさんのコメントのあった記事は両方ともこちら
「成長期の対応に手を焼いている」
こちらの記事いまのところ55個コメントがついていますが、その一番下4つが相談と返信になっています。
返信ありがとうございました。お忙しい中でのお返事、大変ありがたく読ませていただきました。
ぺちぺちゴンゴンの自傷行為はやめさせるべきだ と断言頂いて、まずは安心しました。
その行為についてどう対応するのがいいのか調べたり聞いたりしてきたものの、受け流す や あたたく見守る や 放置する のが良い のようなことばかりで、ならば と試してみるものの、一向に改善することもなく、むしろひどくなる(放置は最悪でした)ばかりで、解決するどころかその道筋さえも分からなく、おでこをぶつけ続ける息子を前にしておろおろしたり、抱きしめながら こっちまで泣きたい気分になり実際泣いてしまったり、なんてこともありました。
かまってほしいからやるんだから、ほおっておけばいい、自然と学習してやめるから
というアドバイスも受けたことがあって でもそれをすると もっとひどくなるし、ますます止まらないし、なので泣き叫ぶ息子のおでこに手を添えてせめて床にぶつけないよう防いだり、抱きしめたり しているんですが(そうすると、多少どころかすごく時間がかかる時もありますが、落ち着いてくるから と思っても、どこかでそのアドバイスが引っかかって、ああこれで ますますかまってほしい気持ちを助長させてるんだな
と自責する感じでした。
そんな態度が、弱い大人だったり、曖昧な対応につながって、むしろそれで息子もネガティブな態度でしか示せなくなっていたのでしょう。ぺちぺちの手を止めて、しっかりと伝えてあげたいと思います。
イニシアチブ気分バロメーターの記事も読みました。
ぺちぺちゴンゴンがあまりにも続き、(時間的にも日数的にも回数的にも)実際うんざりしていたし、彼を受け止めきれないまま、やめようって伝えても伝わりませんものね
まだまだ母親一年生で、こちらのブログで勉強しながらの毎日で、わかっているようでも、実際は弱くなっていたり、言いなりの状態を作っていたりしたんだな、と振り返って、今日からは新たな気持ちで息子と向き合っていこうと思います
普段はとってもチャーミングな彼で、親子三人で笑いあったり、彼の宇宙語も大活躍なおしゃべりをしたり、お手伝いも頼まなくてもやってくれたりと、楽しいことのほうが断然多いです。
それも、おとーちゃんのおかげです。これからも、愛読して彼と一緒に成長していけるといいなと思っています。
追伸 コメントを頂く間に、くすぐり や 夜消灯後に寝付くまでに30っ分ほど満足いくまで二人でベッドで遊びじゃれをしたり、 じーーーーっを日中心がけてやってみたりしているうちに、ぺちぺちゴンゴンも少なくなってきたように感じてます!
>かまってほしいからやるんだから、ほおっておけばいい、自然と学習してやめるから
それで問題なく解決する程度のことであればいいのですが、場合によってはそういった対応が問題をこじらせてしまうこともあります。
世の中には、子供の姿を「大人から見て」問題のない状態にするというたぐいの子育てテクニックとでも言うものがあふれています。それなりの知名度のある育児関連の本などにもそういうものは多く見られます。
上記のものであれば、これは「疎外感」を利用して子供を大人の望む姿に改変しようという関わりのテクニックです。
それは子供の「成長を援助する」といった子育ての本質とは違う次元にあるものです。
全面的にそれらがよくないということもありませんが、現代の子育てでは「子育て=大人の望む姿にする」になってしまっていますので、あまり混同してしまうのは危険なこともあります。
ただこの言葉の前半は確かにその通りでもあります。
>かまってほしいからやるんだから
子供は適切に「かまってほしい」というサインをだしているわけですね。
なぜそのサインを出しているかと言えば、「大人が適切にかまっていないから」というのが現実なわけです。
それにたいして「ほうっておけばいい」というのはあまりに情のない回答です。
その言い方を借りれば、
「そこまでのことをしてかまって欲しいと言っているのだから、適切にかまわなければ」
ということが正解になるわけですね。
自傷行為は、僕は怒ってでも否定すべきだと考えているというのは以前にも述べました。
大人が自信を持ってそれができないでいると、そのネガティブな出し方のなかで子供は受容の代償行為を見いだしていってしまいます。
>なので泣き叫ぶ息子のおでこに手を添えてせめて床にぶつけないよう防いだり、抱きしめたり
コメントであるところの、こういうことを子供は自傷行為をすることによって大人から引き出しているわけです。
でも、誰しもがわかるようにこれは健全な関わり方ではありません。
ですから、不健全な関わり方を否定して、健全な関わりにかえる必要があるわけです。
前の返信コメントでも、先ほども「怒ってでも」と述べましたが、これは「あなたが大切だからそれはして欲しくないのだ」ということをしっかりと込めてきっちり伝えるべきことです。
別に怒らなくてもいいのですが、人が本気で全身全霊を込めて伝えようとしたら、ときに怒ったり泣いたりしてでも伝えようとするでしょう。そういった意味合いでの「怒ってでも」ということです。
「自分が大事に思えない」というのは、これは生きていく上での大大問題です。
しかし、いまはこの「自分が大事に思えない」を抱えたまま大人になっていく人というのがとても増えています。
「自分を大事に思える」ということを子供に伝えられるのは、まずもって親なわけです。
僕はこれまでに「自己肯定感」という言葉をたくさん使っていますが、この「自分を大事に思える」というのはその「自己肯定感」のさらに奥にある「自尊感情」というより基礎的な部分です。
いまお子さんはそれをこの時期にしっかりと持ちたいと願っているわけです。
そしてそれを与えられるのは親です。
なので、放置するとか無視するという選択肢はありえないことなのですね。
今の段階ならばいくらでもその穴埋めをすることは可能です。
無理をする必要はありませんが、お子さんが身をもって教えてくれたせっかくの機会ですからありのままを認めていくことで子育てを安定化していければいいと思います。
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● COMMENT ●
再コメント記事化ありがとうございます
ミカイデさん
これは場合によってはわからないではありません。
ただ時と場合によるのです。自傷行為がでているようなときにしたら、確実にそれは子供に疎外感を持たせてしまいますが、例えば、
イヤイヤ期のかんしゃくを起こしているような時期だと、子供自身感情のコントロールがうまくないので、それをするのに時間がかかったりします。
また、そのコントロールすべきときに大人がいると、大人に対して依存の強い子供の場合は自分でコントロールをせずに大人にあたることやグズりを募らせることで本来ならば自分でするべきコントロールを大人からのなんらかのリアクションを引き出すことで埋め合わせようとしてしまったりします。
ですから、弱い大人タイプの人や過干渉気味の人だと、子供はいつまでたってもコントロールを身につけないままいくことになるということがあります。
このようなときでしたら、少し距離をおいたり時間をおくことで子供に自分でのコントロールや葛藤という経験をさせることがプラスになる場合もあります。
ただ、それもやり方があって「あんたなんかもう知りませんっ!」と言って一人にするのはこれは疎外感を刺激してしますので、子供は不安と恐怖を覚えるばかりであまりプラスに転じられません。
否定の調子を込めずに、「じゃあ落ち着いて考えてみてね、私はその間台所の片付けものしてきます」のようにちょっと離れて見守るといいでしょう。
自己否定で子供を育てていこうする日本の子育て文化は、暗い時代から引き継いできてしまった負の遺産だと僕も思います。社会全体がそろそろそういうことにいい加減気づかなければならない時代になっていると感じます。
その後
再コメントしていただいてから 私もこちらにコメントを再掲させてもらったんですが、なんとなくすっきりしない感じもありまして…
ですが、最近の記事をいくつか読ませていただいて 何かしら ふっと心に響いたものが出てきました
そして、自分はまちがってない、自信を持ってこれまでどおり息子と向きあっていこう!って思えるようになりました
ネガティブな行動もありのまま、そのままごちゃごちゃ考えず受け止めてあげよう、そう思っていると、不思議と頭ゴンゴンもほとんど無くなったように思います
泣いて、わーってなっても きっぱりした行動をこっちが取ってあげるとみるみる収まっていきます
おとーちゃんが再三伝えてくれていることはこんな感じかな?って思いますが どうなんだろう
思い返すと
今までは、ネガティブな行動があったとしても、大泣きがあったとしても、「そんなこともあるさね 」と思いながら抱っこしたりして焦ったりじたばたしたりってことはあまりなかったような気がしますが
ただ、一時保育を利用し始めた春先あたりから、”泣くこと”が ”やっかい”なのもの というふうな認識を じわじわと植えつけられつつあったのではないかなと思えるのです
「日中、ずっと泣いてました」とか「泣く子はお断りです」やら、とにかく泣く子は面倒なので困るんです みたいなことや、
「この子は一人目だから丁寧に育てられすぎじゃないですか?」とか
園で何度となく言われたりすると 逆にこっちがおかしいのかな と思えたり、またお友達やそのご主人などに「え?まだ抱っこ?してるの」
「えー?そこまでやるの」と言われたり
(抱っこしてーってまとわりついてきたから抱っこしただけだったり、お昼寝だっこで 抱っこひものフェイスカバーをかけたりしただけなのに 過保護扱い)
そんな薄暗ーい心模様だったりしたら、母がぐらぐらしているのに息子が安定するわけありませんものね
何度もすみません
勝手にすっきりしておいて、コメント連投で失礼しました
息子の心に 全面肯定を芽吹かせます!
先週末から、ベランダに出てお月見をせがむ息子の心は まだまだ大丈夫、一時の母の迷いが吹き飛んだと同じように、きっと息子も一時的なものだと とにかく信じます
そして、おとーちゃんブログの勉強実践を欠かさずさせてもらいます
また 間違ってるようなところが見られたら ご指導ください
再々ありがとうございます!
お忙しい中 本当にありがとうございます
文中 保育士さんなどを ちょっと否定するような内容があること お許し下さい
今抱えてる 直面してる 問題などに的確なアドバイスが すぐにでもやっぱり欲しいのです
でも それを得るには?
プロの方から 投げられた言葉は 聞いちゃいがちですし
よく読む育児書に書いてあれば 真に受けちゃいます
正しいと思って実践したら 結果的に取り返しつかなかった
なんて 事態になっていた では どうしたらいいかわかりません
子育ての保険 という言葉が出てきていますが
ない 方がほとんどでは?
おとーちゃんみたいな方が 地域のカウンセラーなどやってくれればいいのにな と思います
おとーちゃんの存在は私たちにはとても大きいです
出来ることなら いつまでも母達への光であってほしいです
こてからも いろいろ教えてください
愛読させてもらいます
ミカイデさん
保育士がそのように「泣く子は気に入らない」オーラを出していたら、それは子供もそこに安心を見いだせずに不安感から泣いてしまいます。
子供を選んで預かるのだったら、それは別にプロでなくともできてしまうわけです。
そういう保育がいまだにあることが残念です。
僕が書いていることもあくまで一般論の範囲なので、言葉通りにすればそれで万事オーケーというわけでもありませんから、あんまり「子育ての正解」というものを意識するのでなくて子供や自分のおかれた状況に合わせてでいいですからね。
同様に外野の言うことも、ネガティブにしか受け取れないことはあまり気にしなくてもいいのです。
参考になると思うところだけ聞き入れて、それ以外は放っておけばいいのです。
他者の子育てに対して、子育ての「〇〇すべき論」で語っている人は、たいていはその人の主観的な価値観を押しつけているだけで、個々の子育てを考慮して伝えているわけではないことが多いです。
それでうまくいくこともあるでしょうけれども、子育てというのは皆違うものですからね。
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昨夜読ませていただいて 正直 これまでの彼への関わりが間違っていたのかな、とけっこうショッキングでもあったりして
抱っこ抱っこ抱っこ大好き~で 抱っこの毎日ですから、愛着はばっちりね と勝手に思っていましたので 、いろいろと考えたり気づいたりと、頭の中がぐるぐるした状態で今に至ります
追伸にも書きましたが、少しずつでもいい方向に行ければと、満たすかかわりをさらに多くしたり、コメント頂いてからは、ゴンぺちが出たら、手を取ってきっぱりと強い目と低い声で 「やめましょう」と伝えるようにしています 少しは減ったかな と思っていたら、今日は食事の時のスプーンがうまくいかないのがダメだったみたいで(普段は周りからも褒められるほど上手)泣き怒りまくってゴンぺちが出ました すくいづらい内容でもあったので食器やフォークに変えたり、本人に共感してなだめつつ、でも毅然とした態度でゴンぺちの手を止めましたが
放置テク が育児の常とうテクの一つである という実感はあります
市で保健師が電話相談にのってくれるんですが、かんしゃくが目立つようになった時聞いたら「安全を確認して母が部屋から出てみたら?落ち着くんじゃない?」 今回のゴンぺちは「そばで見守ってみて、言葉が出れば落ち着くから」=無視ですよね
また 少しずれるかもしれませんが、一時保育で利用した園で担当保育士から 「あまりに泣きが続くので、今日から私は姿を消すことにします なるべく目に入らないようにして、見えると甘えちゃうから」と
(3か月間 一時保育で通った園 (ようやく楽しく通えるようになった矢先だったのですが)を園側のやむ得ない事情で変わった先の園で まだ5回ぐらいしか行ってない中、保育士が抱っこしてくれて過ごすものの泣きが止まらず、その保育士が取った策が上記でした)
保健師のアドバイスをやってみても さらにひどくなるだけだったのですぐ中断、保育園のほうは、さらに混乱と不安で体調がおかしくなり、その保育士のそれ以外でも考え方や保育の内容に大きく疑問を感じたので即通園をやめました 今は違う保育園で温かい先生に恵まれ、楽しく行けています
でも、こちらとしては、プロに言われたことだからと真面目に聞いてしまいます 本当に見極め、聞き極めって難しいですね
しかも 自然と大人に都合よいやり方、大人の望む姿に作り上げるやり方に染めさせる?
おとーちゃん様に相談ができて本当によかったです
息子に体を張らせてまで訴えさせてしまい 母親的に失格かもしれません 早く気づかせてもらえて良かった
私自身、両親からは徹底的に自己否定をすることで発奮するような育て方をされ(物心ついた時から、その呪縛から逃げるのに必死でした)自己肯定感を得るのに時間もかかったし、大変でした
なので息子には絶対そんな思いさせたくないし、そんな育て方はしないと心に誓っています がそこを意識するあまり、弱い大人やいいなりになっていた感もありますし、彼が今できること以上のことを 私が期待しているのが伝わり彼が応えるに辛くなっていたのかな と思います
ありのままの彼でいいんだ とそれでいいんだよ と 伝え、自己肯定、自尊感情を ちゃんと芽生えさせてあげたいです
じっくり焦らず向き合っていきます
また壁にぶつかったら相談させてもらうと思います
長々と ピントがずれたような文だったかもしれません
お忙しい中、丁寧な返信、ありがたいお言葉、本当にありがとうございました
本の完成、楽しみにしています