積み木論理学 - 2014.09.16 Tue
それらはまるで物理学や数学・論理学のようなものに似ています。
まったく思いつきですが、勝手にそれを積み木論理学と名付けてどんなことがあるか気がついたものをあげてみました。
今回書くことは子育てのお話としては、あんまり意味はありません。
思考のお遊びみたいなものです。
1 小さいものから積み上げていくと崩れやすい。大きいものから積んでいくと崩れにくい
このことは大人からすると当たり前ですが、子供はなかなかすぐにそうとはわかりません。それなりに発達して2~3歳くらいでないとはっきりとは認識していないようです。
2 積み木の上に積み木を積むとき、半分以上ずらすと落ちる
大人は「重心」ということで理解していますが、子供は「重心」ということをしらないまま経験的にそれを理解します。
3 △の上には積めない
当たり前なようですが、2歳くらいまでの子はそれをなんどか試した結果理解します。
4 基尺2:1:1の直方体と、基尺1:1:1の立方体は、その立方体2個をくっつけると、直方体と同じ形になる。
これも大人からすると最初から頭で理解できているので当たり前なのですが、子供は実際にやってみるなかで驚きとともに発見しています。
2~3歳の子と積み木遊びをしていて、その発見に立ち会っていると子供が喜びや驚きとともにそれを教えてくれます。
大人からすると同じことのようですが、これとは別個に高さが同じになるということにも同様の発見と驚きを子供は感じています。↑は平面で遊んでいて発見するし、こちらは高く積んでいて発見します。
5 たくさん積むと崩れやすい
「当たり前ですが」はもう省略することにして、これを何度も経験するからだんだんと年齢が大きくなるにつれて、「丁寧に積む」ということを子供は理解し実践するようになります。
5歳くらいになってそれまでにそれを身につけてきた子は、天井まで届くような積み木の塔が作れます。
これはいくら「こうやって積むと崩れないよ」と大人が言葉で教えたとしても、あまり意味がありません。
実際に子供は何度も経験して失敗して、その結果獲得できることなのです。
最近の能動的な遊びに遊び込めなくなっている子には、この「失敗を積み重ねる」という過程の部分に耐えられない子も多くなっています。
6 誰かがぶつかると崩れる
このへんからもうちっとも論理学ではなくなっていますが・・。
これも実は経験のなかで重要なことです。
ある程度の年齢になると、意地悪する子、遊びを壊す子というのは困るのだということを理解し、その結果それらはよくないという前提に立ち子供社会のルールやマナーができあがってきます。
意地悪をする子・壊す子を排除するという動きになることもあれば、子供同士でこうするんだよと教えてあげたり、そういう子だから仕方がないと大目に見たりという様々な経験が生まれます。
邪魔する方の子はそれはそれで、そのなかでいろんな葛藤が生まれてそれが人間関係上の経験となっていきます。
ただの遊びに過ぎないものが、実は子供のなかではルールなどの人間関係の大きな必然性を生み出しています。
7 ●は転がる、平らは座る
8 支柱だけではぐらぐらする。平面を載せることで安定する
9 支柱1本はすぐ倒れる(〒)、2本は倒れにくい、3本は立てるのが大変 (円)
10 平らなところで遊ばないとすぐ倒れる
11 ぐらぐらしているときに載せると崩れやすい
12 高くなってきたらそっと積む
13 散らかしっぱなしだとお母さんに怒られる
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● COMMENT ●
以前紹介のあったプラステンも愛用していまして、長いひもを見つけ出し1人で黙って全ての輪を紐に通していた娘の後ろ姿が忘れられません‼︎
積み木あそび。
いつも興味深く読ませて頂いています。
最後の項目、笑ってしまいました^ ^
積み木。二歳過ぎてから、高く積まない造形遊び・ごっこ遊びなどには使っていたものの、積み木としてはあまりしていなかったです。早速子どもとまた遊んでみたいなぁと思いました。
前記事にもあったシンプルなおもちゃの自由さについて、とても共感できます。子どもとブロック遊びをするのが好きなのですが、有名な⚪︎ゴブロックの購入の時に驚きました。
すでに動物のパーツが入っていたり、壁四面と屋根二面で家を作れたり、階段もできたものがあったり。組み立てると飛行機になるようなシリーズや映画キャラクターもののシリーズなどもあるようです。
作り方が決まっていたり、出来上がりが想定されていると、かなり自由度は下がってしまいブロックの魅力も激減です。売れるものを目指してこうなったのでしょうか。作り手の想像力や創造力を見くびりすぎだなぁと残念に思い、シンプルなパーツのブロックを選んで購入しました。せっかくなら作る自由、見たてる自由を楽しみたいので。
当たり前がまだない!
子供はこれから経験して覚えていくのですよね。
教えるのではなく、見守って 発見を一緒に喜んでいきたいと改めて思いました。
すぐ怒るのも気をつけていかないと・・・ですね(笑
No title
最後の、「散らかしっぱなしだと怒られる。」に、プッと吹き出してしまいました(笑)
ここしばらくは、息子が積み木にあまり興味が無かったのでやってなかったのですが、先日オモチャを押入れの一箇所に集めて収納したので、たまに使ってないものも出してあげてみたりしてました。
たまたま私が積み木を高く積んでみたら、とっても顔がキラキラ輝いてしばらく遊んでました。
積み木って何か子供を惹きつけるパワーがあるんですね。
自分の方が落ち着いて、本当に色々なことが見えるようになりました。今まで気がつかないうちに、どんなに、息子に対し信頼関係を損ねる関わりをしてきたことか、、、。
怒ること、大きな声を出すこと、コラ、ダメ、は、本っ当〜に、信頼関係や、良い関わりの効果を簡単に台無しにして、子供に殻を纏わせますね。
お父ちゃんさんの「叱る必要はない」という考えは、このことか〜と思いました。
日本ではついつい怒ってしまいますが、外国の人は二歳のイヤイヤのときなんかはどんな風に対応してるんだろな〜、と思います。
これから、どんどん息子と仲良しになるのが楽しみです。
お返事は不要です!
柔軟に
この記事は頭の体操になりました!
私が体調不良(怪我ですが)の為、娘の何でも一緒にやろうとする姿勢が正直重たくなっており、ネガティブな面ばかり見ていたようです。
娘は家事も遊びも一緒にやりたいだけなんですよね。
積み木から離れますが、娘はお絵描きはとにかくよくやる子でこちらもこれに関しては付き合うのが苦でない為、一緒にやることも多い遊びです。当然いい関わりが多いのでしょうね。
いつの頃からか、クレヨン、ボールペン、色鉛筆は床に落ちていたら拾い、片付けも自分でやるようになりました。
愛着もっているのかなあ、と思います。
片付けを強制してしまっていた頃もあったのですが、待っていれば良かったんだなあ、と思った事を思い出しました。
おおらかに、は本当に大切ですね。
片づけも面白い
積み木遊びは積んだり壊したり色々楽しいですが、我が家では片づけも人気です。
考えてしまわないと積み木の箱に収まらない&蓋が閉められないので、毎回真剣勝負で片付けしてます。「あ、これじゃ入らへん」と言っては半分くらい出してみたり。
左右対称にしてみたり、同じ色や形を集めたり、模様を作ったり。
おままごとの具になったり、お買い物ごっこのお金になったり、楽器になったり(?)、積み木って偉いなぁと思います。
砂場と水遊びが大好きな我が家の3歳児は、昨日お砂場で、プラスチックの入れ物に砂を入れたところに水を注いで「お水なくなるかなあ。」とやっていました。大人からすると、砂場に水たまりを作ってもすぐなくなるのは下に吸い込まれるからで、プラスチック容器の中にたっぷり水を注げば砂で吸収しきれない水は消えないというのは簡単に予想できますが、彼は水は消えると思っていたようです。しばらく観察した結果、「うん、なくなった。」と結論づけてました(←消えてません。意地っ張りです(笑)。)が、こういう“実験”を積み重ねて身のある知識を得ていくのでしょうね。“実験”中の息子の表情が私はとても好きです(笑)
hanaさん
それで独り言を言いながら遊んだりしていると、自分の世界が持てるというのは本当にすばらしいと感じます。
まさる。さん
はやりのキャラや映画のものを再現するように作り込んであったり、電池とモーターを入れて動くようにしたり・・。
それはそれでおもしろいのでしょうけれども、ほんらいのスウェーデン発のレゴブロックとは似て非なるものに進化しつつあるようです。
もともとは、積み木遊びの延長線にある構成遊びだったはずなのですが、それよりも手っ取り早く売れるものを作っているようです。
もともとの理念のなかに「子供の玩具に武器は入れない」というのがあったはずですが、それはいつのまにか有名無実化してしまったようです。
スタンダードなものだけであれば、純粋な構成遊びとして楽しめるものなのですけど。その発展として町並みや働く人・仕事場を再現するという範囲ならば子供の遊びとしてもいいのですが。
背に腹はかえられない、お金の前に理念は勝てないということなのでしょうかね。
僕もほんと残念に思っています。
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大人から見るとたったこれだけのこと、子供はそこからたくさんのことを学んでいるんですね。
ダメ出し、禁止、制止ばかりじゃだめだなぁと改めて感じました。