『遊びの中での声のかけ方』 Vol.4 - 2010.02.28 Sun
『遊び』というのは大人が相手をしてあげることも(特に小さいときは)必要ですが、ゆくゆくは自分ひとりで遊べるようになって欲しいものです。
また、小さい子であったとしてもやはり自分でやりたいという強い気持ちがあります。
それを伸ばしてあげるために僕がしている声がけがあります。
それは・・・
「難しかったり、出来なかったりしたら手伝ってって言ってね」
です。
こどもがある程度、遊びが軌道に乗ってきたら手は出さず見守ってあげます。
1~2歳の子だと大人がそばにいたほうが安心して遊べることもありますが、3~5歳くらいならちょっと離れて見守ったりもします。まあ、そのへんは臨機応変です。
そのとき、自分で遊べるようこういって後は見守ります。
ついついこどもがうまく出来ないと手をだしたくなってしまうこともありますが、大事なのはできることではなく自分で出来たことですよね。
こどもは大人にやって欲しい気持ちがあると同時に、自分でやりたい気持ちも十分もっているので、本人の意思を尊重するために、「手伝って」を普段から教えてあげます。
こどもは遊びを出来なくて投げ出してしまうこともあるので、出来ないときは手伝ってあげることも時には必要です。
例えば、電車の線路を作ったりするとき、小さい子であれば初めから完全なものができないことはわかっています。
でもあえて「手伝って欲しいときは言ってね」と好きなようにやらせてみます。
いろいろやってみたけど出来なかった、になってから手伝っても遅くありませんよね。
その自分でやってみて出来なかったこと、途中まで出来たこと、こうしたいのにうまくいかない、くやしいといった経験がその子のいろいろなものに育っていくし、またいつか出来るようになったときうまくいかない経験があってこそ出来た喜びが大きくなります。
そしてさらに難しいものへと挑戦する力になることと思います。
保育園だと、激しく泣いたりする乳児をひざに抱え込んだり、抱っこすることで満足してしまう保育士がいます。
とくにおばちゃん。動いたり、遊びにアプローチしたりするより楽だからね・・・。
時にはそうして気持ちを受け止めることも必要なこともありますが、いっつもそれではこどもの力をどんどん奪ってしまいます。
あそぶ力を伸ばさず、大人に依存する気持ちだけ強くしてしまうからです。
泣きの激しい子でも、あそびに目が向くようになれば泣かないで過ごせる時間がだんだん長くなっていくものです。
だから、初めはひざの上で安心させたとしても、少しずつ遊びを提示してあそぶ力をつけていってあげなければなりません。ちょっとずつでもいいからね。
ただし、家庭ではまったりのんびりしたかったり、一日の疲れが出てあまり遊びに集中できないこともありますので、その辺は臨機応変にね。
こういう声がけのなかには、遊びのみならず生活のなかでも使えることがたくさんあります。
その一つが「~~していいよ」です。
例えば、ほかの子のおもちゃをとろうとしたときなど、
「それは○○ちゃん使ってるからダメ、こっちにして」と言われるより、
「あ、それ使いたかったんだ、こっちなら使っていいよ」と言われたほうがずっとすんなりいきます。
最初から否定せずに話せばすんなりいくところを、一度否定で心をささくれさせてしまったので受け入れがたくなることがたくさんあります。
だから「否定→肯定」にするキーワードが、「~~していいよ」です。
このことは生活の中でもいろんな場面でとても使えます。
例えば、室内でも上着を脱ぎたくないといいはるこどもに、
「じゃあ、暑くなったら脱いでいいよ~」と布石をうっておいて、
ちょっとしてから、「じゃあそろそろ暑くなったから脱ぎますか?」と声をかけるとすんなりいったりします。
また、指示してしまうことを「~~していいよ」に置き換えるとスムーズにいくこともたくさんあります。
「家に帰ったらすぐ手を洗いなさい」と言うところを
「家ついたから手洗ってきていいよ~」と言ったり。
ほかの事に注意をひかれてしまって、なかなか出かけられない子に
「おとーちゃん準備できたから、もう靴はいてもいいよ」と言ったり。
このように「命令→肯定」にするにも、「~~していいよ」が使えます。
いろいろ応用してみてください。
こういったことは別にこどもに対して下手に出たり、媚びているわけではありませんよ。
ただ、こどもの意志をきちんと尊重しているにすぎません。
大人だって、誰かに命令されたり決め付けられることを好む人はあんまりいないですよね。
こどももそれと同じだからにすぎません。
では今日はこんなところです。
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● COMMENT ●
私も「いいよ」使ってました
ちょっと相談です
子供も 心地いいでしょうね~。
これから 使ってみます!!
以前の記事もちょこちょこ読ませていただいています!
とても参考になります!
ちょっと相談なのですが。
遊びながらご飯 はやっぱり よくないですよね?
おもちゃが どうも 手放せないみたいなんです。
床に座って食べる時は うろうろしてしまいます。
まだまだ 小さい頃は そのうち しなくなるかな?と思っていましたが
まだまだです。
ご飯は座って食べる! の伝え方が足りなかったんだろうな~ と思っています。(>_<)
根気よく 教えて あげるのが 一番ですか?
ちえっつママさん
それと選択させるのも、いいですよね、さすがちえっつママさんです。
直接言うより結局近道なんですよね~。
ちっぴ~さん
たしかに遊びながら食べるのはあまり好ましくないですよね。
ちっぴ~さんのところは2歳少し前でしたよね。
そして残念ながら成長と共になくなるという種類のものではありません。
むしろ習慣化してしまうので、あとあと直すのは難しくなってしまうことが多いかもしれません。
食事など毎日する生活のなかでは、「良い癖」をつけてしまうといろいろ楽なんですよ。
ぎゃくに「悪い癖」をつけてしまうと直すのは大変。
まだいまのうちなら割と楽に直していけますので、ちょっとずつ変えていくといいですよ~。
ちっぴ~さんのところのように、食事のときも切り替えできずおもちゃを離せない子のときはこんなことをします↓。よかったら参考にして下さい。
まずは「ご飯食べてる間は、おもちゃおいといたほうがいいよ。そのほうがおいしく食べられるからね。ちゃんとまっててくれるから大丈夫だよ」とストレートに話してみましょう。
それでできるなら、「ちゃんとわかってえらいね~」とたくさんほめてあげて、食事のたびに繰り返していく、出来たならそのつどほめる。
どうしてもできないようなら、一歩ひきます。
どうやるかというと。
例えばそのおもちゃがミニカーなら、「じゃあミニカーさんにちーちゃんがご飯食べるとこ見ててもらおうか」と、とりあえず手から離させ、机の端っこなど届かないところにおいてあげます。
そして、「ちーちゃんがお野菜たべますよ~ミニカーさん見ててくださ~い」などと時にはそのおもちゃを活用しつつ食事に気を向けていきます。
もちろん、使わなくても食べられるならそれでいいですよ。
そして活用しつつでも食べ終えられたのなら、「ちゃんと食べられてえらかったね~。はい、ミニカーさんも待っててくれたよ。」と必ず渡して、食事で遊びが中断したとしてもまた戻れることを経験させていく。
毎回できなくなっていいんですよ、ただそのときも「そっか~でもママはおもちゃおいといた方が、おいしく食べられると思うんだけどな・・」と否定はせずともその状況を肯定はせず見守ります。
それでだんだんと「こうすることはママ好きじゃないんだな」っていうことがわかっていって、変えようという気持ちが自分からでてきてくれますよ。
お誕生日のような節目を生かして、「もうすぐ2歳だから座って食べれるといいな~」とか「2歳になったお兄さんはおもちゃ持たないでたべられると素敵だよ」といった声がけも伝わっていきますよ。
ちょっとずつでいいので、経験をつなげていくと良くなっていくと思います。
「床に座って食べる時」っていうのはどういう状況なのかな?
ちょっと様子がよくわからないのでなんとも言えないけど、食事っていうのは日々の習慣だから、いつもと違う状況になると思ったようにいかなくなることも多くなっちゃうかな。
こんな感じです、無理しないでがんばってね~。
またわからなくなったらいつでもコメントしてね。
いつもながら、参考になります。
ちっぴ~さんの話で思い出しましたが、
うちのちぃはすごかったんですよ。
食事に興味なくて。。
お子様メニューの一皿を食べるのに2時間超。
毎食1時間半以上、かかってました。
興味が他に移る度合いがハンパじゃなくて、
座っているもの苦痛らしく、
そもそも食が細すぎる!!
まさに保育士おとーちゃんのアドバイスの様な声がけと
しかけ作りを駆使しながらもこの状態。。
「ここはできないからいいや」で片付けたら、
とんでもない習慣が将来のちぃを絶対苦労させると思い、
ママと一緒に悪戦苦闘で戦い続けた3年間でした。
でも、あの期間がなかったら、
今も学校の給食を時間通りに食べられなかったと思います。
といいつつも、
今でもTV見ながら食べてると手が止まってしまい、
気づけば1時間経ってしまうくらい。
家族の会話優先という理由もあって、
食事中TVは原則見ないんです。
将来を見据えて、信念もってやれるのって
親だけだから。
なるほど~ふむふむ
ついつい私も遊びに手を出して、口を出し・・・(汗)
日常でも、
私 ○○しなさい!
息子 しないよ!
なんて会話は日常茶飯事・・・。お恥ずかしい・・・。
《手伝って》《~していいよ》
今の私には魔法の言葉のように感じます♪
さっそく使ってみようっと♪
いつもありがとうございます♪
いいですねー
○○していいよーは パパにも使ってみようかな
勉強になります!
まずはコメントありがとうございました!
保育のプロのかたのブログ。すごく参考になります!
まだ、2ヶ月なので遊ぶといっても一方通行ではありますが、笑ってくれると幸せな気持ちになります。
言葉ひとつひとつ子供も大人と同じように感じ取るんですね。
「~していいよ」って「だめ」って言われる何倍も気持ちいいです。
また勉強させてください!
Re: いつもながら、参考になります。
それはたしかに大変でしたね。
でも仰るとおり、本当にその子のために何かをできるのは親だけですものね。
それがあってこそいまのちぃ君があるのですよね。
うちもTVは基本的に食事のときはみないようにしてます。
どうしてもこどもは注意をひかれてしまうから、見ながら食べるのは無理なんですよね。
食事は家族のコミュニケーションの時間でもありますし。
けいさん
> ついつい私も遊びに手を出して、口を出し・・・(汗)
> 日常でも、
> 私 ○○しなさい!
> 息子 しないよ!
> なんて会話は日常茶飯事・・・。お恥ずかしい・・・。
けいさんのところもう「しないよ!」なんて言うんですね~。
それはそれでなんか可愛いですけど(笑)。
> 《手伝って》《~していいよ》
> 今の私には魔法の言葉のように感じます♪
> さっそく使ってみようっと♪
そうですね~、ほんのちょっとしたことなんですけどね、それだけで変わるのも子育ての面白さですね。
みずきママさん
> ○○していいよーは パパにも使ってみようかな
ありがとうございます。
もしかしてこどもみたいに単純なパパだったら効果あるかもしれませんね~(笑)。
効果あったら教えてください~。
ナラモンさん
> まずはコメントありがとうございました!
どういたしまして~。こちらこそ訪問とコメントまでありがとうございます。
> 保育のプロのかたのブログ。すごく参考になります!
> まだ、2ヶ月なので遊ぶといっても一方通行ではありますが、笑ってくれると幸せな気持ちになります。
> 言葉ひとつひとつ子供も大人と同じように感じ取るんですね。
> 「~していいよ」って「だめ」って言われる何倍も気持ちいいです。
> また勉強させてください!
2ヶ月ってまだほんとに小さくって可愛いですよね。
でも、まだ授乳の頻度も高いし大変でしょうね~。
無理しないで子育てたのしんでね。
赤ちゃんは可愛がってさえいればまちがいないからね。
あぁ・・・
いつもありがとうございます。
「出来なかったら手伝うからね」これはよく言ってます。
出来ることは自発的にやって欲しいので・・・。
子どもの「自分で出来る力」を信じたいですね♪
上の子はもう9歳なので、だいぶ色んなことが出来るようになり、嬉しい限りです(以前ご相談しました通り、片付けはビミョーなのですが

今日も私が体調崩して寝ていたら、自分からご飯を炊いてくれました♪
「家に着いたら手を洗っていいよ」っていう促し方は「目からウロコ」でした!早速今度使ってみます~。
いつも「おうちに着いたら、まず何をするんだっけ?」と聞くようにしてます。
すると「手洗って、うがいするんだもんね?」って素直に応えます。
上の子が「手洗い歌」を教えてあげたので、歌いながら丁寧に洗います♪
長くなってゴメンナサイ。
「否定」より「肯定」の言葉掛け、これからも意識していきたいです!
今日もありがとうございましたm(__)m
*HOUKISOU*さん
> 上の子はもう9歳なので、だいぶ色んなことが出来るようになり、嬉しい限りです(以前ご相談しました通り、片付けはビミョーなのですが

> 今日も私が体調崩して寝ていたら、自分からご飯を炊いてくれました♪
そうですよね、やっぱし信じてあげることが一番だとおもいます。
それにしてもご飯たいてくれるなんてすごいですね。
優しい子だね~。
> 「家に着いたら手を洗っていいよ」っていう促し方は「目からウロコ」でした!早速今度使ってみます~。
> いつも「おうちに着いたら、まず何をするんだっけ?」と聞くようにしてます。
> すると「手洗って、うがいするんだもんね?」って素直に応えます。
> 上の子が「手洗い歌」を教えてあげたので、歌いながら丁寧に洗います♪
聞くようにして出来ているなら、それはそのままでもいいと思いますよ。
次のステップは聞かなくてもできるようになればいいのだからね。
> 長くなってゴメンナサイ。
こちらこそいつも長い文章読んでくれてありがとう。
No title
ついつい言ってしまいそうな命令口調。「~していいよ」と今日から実践してみようと思います。
ありがとうに・・ぽちっ
ぴよままさん
> ついつい言ってしまいそうな命令口調。「~していいよ」と今日から実践してみようと思います。
>
> ありがとうに・・ぽちっ
そうそう、「~~していいよ」はすぐに使えるので便利です(笑)。
こちらこそありがとう。
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「○○しなさい」って言っても、子どもって「やらされてる感」をたっぷり感じ取るので、逆に動かなくなります。(経験上)特に長男は「あまのじゃく君」だったので尚更でした。なので「○○したくなったら、してね」とか、あえて「無理に○○しなくていいよ」とか言うと、すんなり自発的に動いてくれました。あと、小さい頃から、何をするにも小さいことでも「選択」させてました。それは、まだ分からないだろうけど、自分で決める事で責任感もでるし、本人の意思を尊重してあげれるし、自分の意見を言える子どもになってほしかったからです。
話がそれましてスミマセン!今でも「もし、自分でやってみて出来なかったら、ママか(園なら先生)にお願いしてね」と口癖にしてます。