日本の子育て文化 おもちゃ選び編 - 2009.10.18 Sun
これらは、ほんの些細なことからけっこう深刻なものまで広範囲に渡って多々あるので一口にこうといいきれません。うまくまとめられたら一冊の本が書けるんじゃないかと思ってます。
例えば、最近ようやく見直されるようになってきた「抱き癖」なんてのもそのひとつです。かつて日本の子育てでは「抱き癖がつくから、赤ちゃんがぐずったからといってすぐに抱っこしてはいけない」などと当たり前に言われてきました。安心感を求めてそれを要求する赤ちゃんの意志を無視して放置するわけですから、これは決していいことではありません。昔であれば、家族や周囲の人の関わりも多くそれでも補いがついていたのですね。しかし現代でこれをすると・・・ 核家族化や地域づきあいのない家庭の孤立化から、赤ちゃんや乳児が普段から関わる人間関係は、ほぼ母親だけといった状況が多くなっています。そんななかで唯一の対象である母親が「抱き癖」がつくからと受け止めてあげなかったら、こどもはほんとの安心感や大人に対する信頼感というものを知らずに育っていってしまいます。
近頃ではようやくこういうことが一般にも認知されてきましたね。ときどき、おばあちゃんなどまだ言う人はいますが(笑)。
たくさんある先入観のなかで「抱き癖」は改善にむかっているまだいいほうの例です。多くはいまだに当たり前に受け入れられて、さらには悪いほうへいっていることもあります。日本の子育て文化のわるい面です。当たり前のこと、つまり文化として我々が首までどっぷり漬かっているのでなかなかこれを改善するのは大変です。
そこで今日の本題。おもちゃ選びについてです。ほんとに日本のこどもに与えるおもちゃ、かなりまずいです。なぜなら、こどもが遊べなくなるようなものがたくさんあるからです。
「遊びがこどもを育てる」ということは最近では広く知られるようになっています。しかし、最近のこどもはどんどん遊べなくなってきています。原因のひとつは与えられるおもちゃにあります。
「おもちゃとはお醤油!」僕の作った名言です(笑)。つまり~よくお母さんにいわれましたよね「あんまりお醤油かけすぎると味の薄いもの食べられなくなっちゃうでしょ!」と。濃い味になれるとどんどん味の好みが濃くなっていってしまいますよね。そして薄い味ではなかなか満足できなくなってしまいます。遊びもそれと同じで「刺激」の強いおもちゃを小さいうちから与えると、「刺激」の少ないものでは楽しめなくなってしまいます。「刺激」が少ないおもちゃって=つまんないもの、なんじゃないの?という人もいるかと思いますが、必ずしもそんなことは無いのです。刺激の少ないものはその分、想像力を伸ばしたりしてより遊びはおもしろくなるのです。「刺激」はむしろ遊びの邪魔になってしまうこともあります。
そもそもおもちゃの「刺激」ってなに? 簡単に言うと「音と光」です。(音はおもに電気的なもの)
最近は赤ちゃん向けのおもちゃにも、どっかを押すとピカピカ光って大きな電子音が流れたりするもの普通に見かけますね。なんか豪華で立派そうだからそっちをあえて買っちゃったりするんですよね。
でも~~さっきのお醤油理論にあてはめると・・・赤ちゃんにいきなりソースカツ丼食べさせるようなものですから・・・・そういったものにばかり慣れて育ってしまうと、ほんとにこどもを伸ばしてくれる遊具では遊べなくなったり、想像力や集中力が育たなくなったりしてしまいます。
大きな刺激に慣れてしまうと、刺激の無い状態が落ち着かなくなったりしてしまうこともあります。特になにも原因になるようなことがないのに奇声を上げて走り回るこどもっていますが、これはあえて奇声をあげることで刺激をつくりだしている状態だったりします。こういうこどもに育ててしまうと、学校にいくようになっても勉強したりするの苦痛でしかないでしょうね。
でも近頃こういう必要以上に刺激要素をいれたおもちゃ多いんですよね。なにも知らなければ買ってしまうのも無理ないとおもいます。このまえ本屋さんで絵本を選ぼうとおもって書棚を見ていたら、絵本コーナーの3つの書棚のうち1つは、ボタン押すとしゃべったり、音楽が流れる類の本ばかりでした。
おもちゃ会社や出版社からすると、そういう機械仕掛けのもののほうが豪華だし単価も上げられるのでより利益につながるのかな?
上の男の子が生まれたあとよく遊具をプレゼントされましたが、半分くらいはそういったものでした。自分では与えたくないけれど、せっかくこどもにくれたものをつき返すわけにもいかないので、電池を抜いて使ってました(笑)。ただの車や電車でいいのに、押すと効果音がでるボタンとかついているんですよね。そんなものなくても、楽しく電車に乗った経験があって想像力のあるこどもならちゃんと頭の中には電車の音ながれてるんですよ。
そういえばトイざらす行ったら、1~2歳向けの車のおもちゃがそんなのばかりでした。知らなきゃ買っちゃうよな~ そういうのしか!置いてないんだもの(笑)。

↑最初に買ってあげたのがこれ。東武鉄道博物館で買ったブリキ製の「けごん」
地味~~もう走ってない電車だし(笑) でもよく遊んでくれました。
(特別すごいものじゃないです。いいものをお探しのかたは「木のおもちゃ」などで検索してもっといいものがたくさん見つかると思います。)
小さい子用の車・電車だと、後ろへ引っ張ると走るブルバップ式のもの多いですが。あまりよくないです。1~2歳児では使いこなせませんから。まずは手でもって動かせるものが最適です。
遊具の適正年齢は、なんとなくでもそのおもちゃのしくみがその子に理解できるもの だそうです。
良いおもちゃの紹介はまた改めて~。
ほんと与えていく遊具しだいで、たんに遊べないこどもというだけでなくて、[育てにくいこども]になってしまうこともあるのでほんと大事です。逆に良く遊べる子はほんとに伸びます。
実は刺激にはもう一種類あります。でも長くなってしまったのでまた次回~~おやすみなさい~。
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● COMMENT ●
こんにちはっ
はじめまして!

確かに今のおもちゃってすごいですよね。音と光で子供も喜ぶはずです。
私はできるだけわんぱくでもいいから外で元気に遊べる子になって欲しいと思っています。テレビゲームで遊ぶばっかの子にはなって欲しくないんです(>_<)
幸い実家も農家で昔ながらの家なのでこれからいっぱい自然や伝統に触れ合わせたいと思っています。
実家の父は木のおもちゃをを買ってくれますが木でできたおもちゃって安心だしあたたかみもありますよね。
「おもちゃとはお醤油!」この言葉を意識しておもちゃを与えていきたいなって思いました。
またいろいろな情報を楽しみにしています♪
Re: はじめまして!
いやほんといまはそういうの当たり前にあるから、避けられないんですよね。
この刺激ってやつは小さいうちほど気をつけないと、戻せないんですよ~。
おじいちゃんのバス大事にしてくれるといいですね。こどもが良く遊べるためにはイメージ、想像力がもっとも大事です。包装紙などの大きな紙にマジックで、自分のうちとかおじいちゃんのうち、良く行く公園やお店などいっしょに書いてあげると、市販の自動車MAPみたいなものよりずっとよくイメージを膨らませながらあそんでくれるようになりますよ。
まっきいさんいらっしゃい~
そうですよね~、自然とかあればたいしておもちゃなんかいらないしそういう環境いいですね。
刺激の強いおもちゃばっかり与えているとおっしゃる通りテレビゲームに行き着くしかなくなっちゃうんですよね。
「お醤油理論」ははずかしいのであんまり流行らせないでくださいね~あっ、だれもはやらせないか(笑)
No title
私の周りでもまだ実家で抱き癖が付いて帰ってきて大変なのってよく聞きます。
なんか、ちょっと寂しい気持ちになります。
娘がもっと小さいころ、ちょっと泣いただけですぐに抱っこしてたら「そんなことしてたから口の筋肉が鍛えられてなくて言葉も出そうでなかなか出ないんじゃない?」と実母から言われたり・・・(って娘まだ1歳半でしたが(^^;;)
結局1歳8ヶ月の今他の子よりよくしゃべてるので関係なかったなと思うのですが。
おもちゃも最近、シュタイナー教育に関する本を読んで自然素材でできた想像性のふくらむおもちゃを・・・と書かれていたものの、それがなぜなのかというところがかかれていなかったのですが、そのわけがはっきりしてすっきりしました。
「おもちゃとはお醤油」!!名言です(*゜▽゜ノノ゛☆パチパチ
大丈夫かな
みっきぃさん
全然大丈夫ですよ。
たしかに子育てに自信を持つのって大変だよね。
でも、初めての子育てで自信いっぱいの人なんていないし、それはみんな同じだよ。
また、子どもってなにか育て方がひとつ上手くいかなかったからといって、それですぐ道を踏み外してしまうと言うものでもないです。
子育てって長い時間かけてやっていくことだから、どっかで失敗したとしてもどっかで修正がきくもんだし子供は立派に育つよ。
ひとつ言えるのは子育てが下手な人でも、その子が「可愛い」「大切だ」と思えているならばこどもはそれなりにきちんと育ってくれますよ。
No title
私は、息子が1歳過ぎてから、おもちゃについて調べるうちにおとーちゃんのブログに出会いました。
このタイミングで出会ってよかった・・欲を言えば0歳時代に出会いたかったです。
0歳時代、私は出産祝いでもらった、ピカピカ光って、音の鳴るおもちゃばかりを息子に与えていました。よりカラフルなもの、より刺激的なものがいいと本気で思っていたのです。
私も、そのおもちゃを与えておけば、息子が釘付けになっているのをいい事に、相手になって遊ぶ事は少なかったように思います。
そして、息子が1歳を過ぎ、歩きだすと感じたのです。「ああ、この子は遊べない子になりつつある・・」
ひとつのおもちゃで集中して遊ばない、興味の対象が目まぐるしく変わる、おもちゃを投げる、他の子のおもちゃをとりにいく、おもちゃを何個も抱え込む、奇声、エトセトラ・・・。
まさしく、「遊べない子」であるだけでなく、「育てにくい子」にしてしまったのかもしれません。
その事実に気づいたとき、私は息子との関わり方を変える努力をしてきました。まず、刺激的なおもちゃは撤去し、木のおもちゃや手作りのおもちゃで息子と積極的に関わるようにしました。
今、1歳5か月の息子は以前よりもだいぶ集中して遊べるようになったと感じています(まだ同月齢の子と比べると落ち着きがないかもしれませんが・・・)。以前よりもネガティブな行動も減りました。
その点では本当によかったなぁ、と感じております。
おとーちゃん、考えるきっかけを与えてくれて、ありがとうございました!
こうたママさん
でも、1歳で気づけたことはよかったね。ほとんどの人はそれに気づくことなくより刺激の強いもので気を引くというようになってしまうのに、たいしたもんだよ。
いま1歳5ヶ月ならどうとでもなる時期だよ。これからよい関わりをしていってあげればいいじゃない。
これからも子育て楽しんでいってくださいね。
ありがとうございます(≧∪≦)
口下手なんですが、またよろしくお願いします。
可愛がられて育ったこどもがたくさん増えますように…
自分を責める毎日です
奇声をあげたり、
おもちゃも一人で遊ぶことはできません
後追いが激しく、
私もイライラしてしまい、
なぜ一人で遊べないの?
と思いつめることも多くなってきました
ですが、ブログよみ、
それが私に原因あったのだとわかりました。
音や光のおもちゃを与えてしまっていました。
言葉はよくしゃべり、歌も歌いますが、
奇声をよく発したり、
一人遊びがまったくできません。
それでもこれから一人遊びができるようになるのでしょうか?
よろしくお願いします。
かなさんへ
おとーちゃんさんは今は忙しくなって相談を受け付けてないようですよ~。
子育て、すごく頑張ってされてるんですね。毎日お疲れさまです(^_^)
家事とかやることは多いのに後追い激しいとイライラするし、疲れちゃいますよね。
うちの子はまだ1歳2ヶ月なんですが、先輩ママさんに偉そうなことを言ってお気に障ったらごめんなさい。
でも、おとーちゃんさんの今までの相談や回答を見てると、全然大丈夫だと思います!(*^_^*)
似たような相談も過去にあると思いますので、検索すると見つかるかもしれません。
おとーちゃんさんは、子どもは柔軟だから多少のことでは失敗なんてなくて取り返せるし、1、2歳ならまだいくらでも変わっていく時期だとおっしゃっていたと思います。
もっとずっと長く、良かれと思って刺激の強いおもちゃばかり与えてる人も多いと思いますし、むしろ今気付いて良かった!すごい!ラッキー!だと思います。ご自分を責めないでください(>_<)
お子さんの機嫌がいい時に、おとーちゃんさんがよく勧められてるくすぐり遊びや、一緒に絵本読んだり、といった関わりを普段から増やしていけば、きっと少しずつ落ち着いて遊べるようになってくるんではないでしょうか。
あとは、1人で遊んでる時も見守っててあげて、目が合ったらにっこりするのを繰り返すと、安心して遊べるようになってくるそうです。まぁ、1人で遊んでたのに喜んでママのところに来ちゃう事もありますが(^_^;)
とは言っても私も時間がなくて、最近はゆっくり関われない日が多くなっていて反省なのですが(>_<)
でも、本当に子どもって1人で遊んでても、たまーに振り返ってママを見ますよね。そういう時はにっこり頷くようにしていますが、最近はラッキーとばかりに家事をして見てないことも多くなってしまっていました…(^_^;)
おとーちゃんさんへ
いつもブログ更新ありがとうございます☆
上記内容に、おとーちゃんさんの考えと違う部分があったら申し訳ありません。
4月から子どもが行き始めた保育園は、新設園ながらも保育理念が良くて決めたところです。上から叱らない、子どもの行動の理由を考える、まさに自己肯定感を育む子育て、ということでした。新設で初めての保育士さんが多いでしょうし、全てが理念の理想通りにはいかないとは思いますが、この記事で改めて今の保育園の良いところがわかりました。電子音や光るおもちゃは一切置いてなさそうなんです。
2歳児のところには木のキッチンセットみたいなのがありましたし、多分ミッキィ社の電車セットや、ブロックがあったりして、おもちゃも考えられていそうです。これからどんな保育園生活になっていくのか楽しみになってきました。
おとーちゃんさん、子育ての理論的な記事も楽しみですし、むーちゃんやわたくんの日常や、もっと小さかった頃のお話も読みたいです!他の方も言ってましたが、おとーちゃんさんでもこんなところで困ったり苦労したよ、でもこうしてたよ、という話も聞いてみたいです~(*^_^*)
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私は母ちゃん初心者なので、祖母や母には、母ちゃんの先輩として、いろいろ教えてもらってはいますが、やはり昔と今では違うことってあるよなぁ~って思うこともしばしば(笑)
おもちゃも出産祝いでいただいたおもちゃは、音や光のオンパレードですっ!
そんなおもちゃを見て、私の父は、「これで充分だよ」って言いながら、バスのおもちゃをくれました。まさしく、手で動かすおもちゃです。
私からみたら物足りないような感じがしましたが、息子は「ブゥ~ン」って言いながら楽しそうに遊んでます。
「じいちゃんにもらった♪」と、自慢げにさっき見せてきたし。
息子が大きくなるにつれて、こういう派手に音がでたり光ったりするおもちゃのほうがいいのかと思っていましたが、そうではないんですねぇ~っ。
おもちゃとはお醤油!!納得ですつ!!
これからのおもちゃ選びへの考え方がかわりました♪