「かわいい子に育てる」 vol.4 - 2014.12.04 Thu
今回からは、「かわいい子にする」ということを実践するための具体的な関わり方やその際の大人の姿勢についてみていきたいと思います。
<かわいい子に育てる 実践編>
〇子供の支配・管理を目指さない
まずはこのことを大人の姿勢として持っておくことが大切かなと、僕は強く感じています。
それはどういうことかと言うと。
例えば、飲食店で子供がはしゃいでいたときに、怖い顔をして「うるさい!」と怒鳴りつけて、子供を静かにさせることはできます。
これは「支配」としての関わり方です。
一方で、子供を怖がらせて支配してしまう代わりに、ゲーム機やスマホで動画を見せたりして、大人が望むことである「静かにさせる」という目的を達成してしまうことはできます。
これは子供の姿をコントロールして、望む状態にしていることであって、「管理」としての関わり方だと言えます。
これらは一例にすぎませんが、こういった関わり方が「悪い」と言いたいのではありません。
ときにはそのようにしてでも、子供の姿を正さなければならないという場面は子育ての中ではでてくることでしょう。
なので、これらもときに必要な関わりであるというのは、間違ってはいないのです。
「どちらもよくないのね」と短絡的に理解して、子供を放置・放任するようになってはさらに困ったことになりかねません。
しかし、こういった支配や管理としての関わり方が子育てのすべてになってしまっては、本当の意味では子供の「育ち」にはつながっていかないのです。
それはどうしてでしょう?
大人の力や怖さで子供を思い通りにしたり、「ダメ」や「あぶない」といった規制の言葉であらかじめ子供の行動を制限したり、コントロール(管理)したりして、大人の目から見える「子供の正しい姿」というものをいくら作り出したところで、子供自身の力として「育ち」が獲得されているとは言えないからです。
こんな親子がいました。
〇4歳と2歳の男の子の兄弟の事例
主に母親が養育。
母親は「強い大人タイプ」の人で、子供の行動を終始、威圧的に規制する。
乱暴な言葉で言うことを聞かせたり、あぶなっかしいことをしそうであるというだけで予防的に怒声を発して子供の行動に干渉するといったことなど、日常の中で多用している。
また、子供が望ましくない行動をとったときの、注意・叱責も多い。
この母親は子供が嫌いなわけでも、邪険にしているわけでもない。
むしろ、その人なりに一生懸命に子育てをしているのである。
基礎的なところで、子供を大切に思う気持ちや暖かい気持ちで接することはできるので、決定的な受容不足で他児を攻撃したりするような姿が子供にでているわけではない。
しかし、乱暴な行動や、大人がして欲しくないと感じるようなことをしてしまったり、その場面でふさわしくないような行動をとることが、兄弟ともにとてもたくさんある。
この事例が何を意味しているのでしょうか?
それは、親が「あるべき子供の姿」を子供にもたらせようと、たくさんの支配や管理をしたとしても、それが必ずしもそのまま子供の力にはならないということです。
「子供の力」というのは「育ち」と言い換えてもいいでしょう。
子供の「育ち」を達成させるには、大人が支配や管理の結果「あるべき姿」を作り出しても、それがそのまま身につくわけではないのです。
じゃあ、どうすればいいのか?
それには、「子供そのものを伸ばす」ということが必要なのです。
僕はこれからの時代の子育ては、ぜひともここに着目してほしいと思うのです。
つづく。
次回は「子供そのものを伸ばす」のさらに具体的な関わり方について。
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三歳ともうすぐ一歳の育児に毎日奮闘しております。
最近また育児がよく回っていなくて、何かが違うのに、はっきりしなくて、悶々とする日々を送っていました。
そしてこの記事を読み、まさにこれだった!と気が付きました。
以前、弱い大人と強い大人という記事がありましたが、そこでは、強い大人の対応にはあまり触れていませんでしたが、私はまさに強い大人です。一人目の育児の時はまだ気持ちにゆとりがあり、コントロールできたのですが、二人目が産まれてからだんだんとコントロールがきかなくなることが増えてきてしまいました。
そんな矢先に今回の記事を見て、やっぱり私は子どもを管理してたなと気付かされました。
もともと適当に出来ない性格もあり、大したことではないのですが、ご飯粒が落ちてたり、物がなくなったり、、毎日毎日だとかなりストレスになります。気にしないで過ごせたらどんなにかいいのですがね。なかなかおおらかに、気にしないではいられない自分に凹む毎日です。
子どもがいるのだから気持ちを変えなければいけないのですがね。なかなか性格もあり、すぐに切り替えられなくて、、。でも、まだ気がついているだけいいのでしょうかね。おとーちゃんのアドバイスをきちんと心に入れて、とにかく自分の枠にはめようとしないで、子どものありのままを受け止めて過ごしていきたいと思います。
三歳の子はまだ、寂しくなっちゃたよ、抱っこして、と素直に甘えたりしてきます。怒りすぎるとお母さん今のは怒りすぎちゃったよ子どもが気付かせてくれます。素直な甘えはしっかり受け止めて、自分が言い過ぎたときはごめんねときちんと誤っています。今が踏ん張りどきですよね。頑張ります。