叩いて育てること vol.2 「叩くこと」を招きやすい子育ての構造 - 2015.01.27 Tue
その「しつけ」と、前回からテーマにしている「叩くこと」というのは、実に親和性が高いのです。
「しつけ」という子育てのメソッドは、その行き着くところが「子供を大人の思い通りにする」ということです。
このことは、「子育てを子供を支配すること」にしてしまう危うさがあります。
そして、少なからず「子供を効率的に支配すること」を子育てそのものにしてしまっている人がいます。
そのある人は子供をモノで釣り、またある人は子供を脅すことで言うことを聞かせようとし、またある人は子供のご機嫌を取るようになり、そしてある人は子供を叩くことで大人の意に沿うように動かそうとします。
このような子育てのメソッドは、「いま目の前の子供」にしか効果を及ぼさないことがほとんどです。
僕が「子供そのものを伸ばす」という語でお伝えしているような、長期的な子供の成長にはなかなかつながりません。
「子供を大人の思い通りに動かすこと」で、つまりさまざまな方法はあれ「支配」することで育てられてきた子供は、「自発性」「主体性」「考える力」そういったものを置き去りにしていき易いです。
また、「子供らしさ」や「モチベーション」「創造性」といったことを、それこそおろし金でおろしていくように、すり減らしていきかねません。
大人の中には、子供の「子供らしさ」を手放させることを、「子供の成長」と捉える人がいます。
僕はこのことを、子育てのリスクを上げることだと感じています。
「想像力」や「創造力」「共感性」といったものは、「子供らしさ」のなかにふんだんに含まれており、それらがあるからこそ「優しさ」や「思いやり」といった心の成長も培いやすいのです。
「叩くこと」で子供を育てることは、「子育てを子供を支配すること、思い通りにすること」というメソッドの中にどっぷりつかっている人の主観からすれば、それは実にうまい方法のように感じられるかもしれません。
たくさんの子供、たくさんの子育てを見てきた僕のような人間からすると、それは大変もったいないことをしているような気がしてしかたがないのです。
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叩くことの正当化
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叩くこと・脅すこと・物で釣ること
大人の勝手な交換条件
(○をしたら△してあげる的な)
それが普通で、それで問題なかった。
「お前は甘やかし過ぎ」
「なめられている」
と何度も言われ…
それがダメだと言うなら
根拠を納得いくように説明してみろと。
何度となく説得を試みたものの…
「育児初心者に何がわかる!」
「こっちは○人それで育てたんだ」と
旦那や家族と言い負かされてきました。
今回の記事を読んだだけで
そうなのよ。それが言いたかったの。
と、自分の気持ちがスッキリしました。
それだけで救われました。
おとーちゃん、ありがとう
♪───O(≧∇≦)O────♪
そして、取り寄せ出来ませんと言われてしまった おとーちゃんの本。
どうしても?なんとかなりませんか?の粘りに「ダメ元で・ゴリ押しで、取り寄せしてみますか?」と店員さんの配慮で
取り寄せしてくれました。
この本で、
ふる〜い・かた〜い頭の育児に
言い負かされない知識と実践!!!
頑張りたいと思います( ´ ▽ ` )ノ