条件付きの肯定はいらない vol.2 - 2015.03.20 Fri
なぜ出来ないのかというと、親やその大人が自身の成育歴の中で「無条件の肯定」の経験が少なく、「条件付きの肯定」の関わりを多くされてきているケースが少なくないからです。
いまよりは緩やかかもしれませんが、いまの親世代が子供時代をおくった頃はすでに、子供の頃からたくさんのことを要求される時代になっていました。
親から笑顔を向けてもらった経験が少ない人は、自分に子供が出来て、いざ親として関わるようになったときに、知らず知らず笑顔を向けることができなくなってしまいます。
普段から、ただ受け止めてもらったことが少なく、なにか親の機嫌を取ったときにだけ受け止めてもらえる。親が普段は不機嫌な態度を取っており、親のめがねにかなう行動をしたときだけ、普通の雰囲気になって接してくれる。
そういった状況の下で育ってきた人が、今度は自分の子供に親として関わるようになったとき、それをそのまま繰り返してしまいかねません。
しかも、そういう状況を自分では自覚していないこともしばしばです。
もちろん、なかにはそれを自覚して乗り越えていこうとする人もいるでしょうし、その人の持ち前の個性で自然とそうならない人もたくさんいます。
ですが、幼少期の自分がされた経験は理屈でどうこうできるものでもありません。
いつのまにかそういう関わり方をしてしまうし、関わり方そのものではなく、そもそも感情のわき出し方自体がそれにとらわれてしまっています。
例えば、父や母、またはその両方がとても厳しく、小さいときから「よい子」であることを頑張ってきた人が、子供の親になり子育てをするようになったとき、その子供の個性が奔放で「よい子」でいてくれない子だったとしたら・・・。
その人は、その子の姿を見て「あるべき(と自分が思っている)姿からかけ離れた子」ととらえてしまいます。
するとその姿に対して、「どうしたらいいかわからない」という「困惑」を感じたり、「この子はどうしてこうなのか・・・」と「落胆」したり、なぜ「あるべき正しい姿をしないのか」という「怒り」などの感情を覚えてしまいます。
また、子供の姿が適応的でないことを「自分が悪いからだ」と「自己否定」に向かってしまう人もいます。
これらのことは、子供に対してとる実際の関わりの前の段階にあることです。
まずネガティブな感情があるので、理屈ではなく、その感情から行動が規定されてしまいます。怒ったり、イライラしたり、嫌気がさしたり・・・。
つまり、こういったケースは
「子供に対してこういう関わりをしてみるといいですよ」
といった、具体的な関わり方を伝えられてそれをやってみるだけで、子育てが安定していけるわけではないのです。
問題は、子供への関わり方の前にある、大人自身の感情のわき上がり方から始まっているからです。
子育てに対してこのポジションにいる人は、なかなか子供を無条件に肯定していくことができません。
端的に言ってしまえば、親の意思に応えることを頑張ってきた人は、我が子にも自分の意思に応えることを無意識のうちに要求してしまうのです。
つづく
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● COMMENT ●
No title
初めまして。
ネントレをしてあげないと可哀想だと言われたり
するとなおさら寝付きが悪くなると言われたり
どうすればいいか分かりません。
保育士おとーちゃんさんのお子さんが
乳児期の時はどのように寝かしつけしていましたか?
今5ヶ月の息子が居ますが、
抱っこや添い乳で寝かしつけすると
夜中に何度も起きてしまいます。
寝る前は何時間も抱っこして子守唄を歌って
家中をあるいて大変です。
一人で眠れる習慣をつけてあげた方がいいのでしょうか。
自分で検索したりネントレの本を読んだり
してるんですがなかなか答えが見つかりません。
お時間があるとき、いつでもいいので
お返事頂けたら嬉しいです。
相談への回答は休止中のようですよ
おとーちゃんは、ただ今、相談を受け付けていません。
以下の理由のためで、書籍の執筆やワークショップなど多々の仕事の上に、日々の子育てもあり、お忙しい様子です。
ご配慮くださいますようお願いします。
2014.12.12より、
『このところ余裕がなくなってしまい、更新と相談への返信が思うようにできなくなってしまいました。
これまでは、できるだけ二週間くらいでの返信を目処にしていたのですが、最近では一ヶ月以上あいてしまい、それも縮まりそうにありません。
さすがに今後も同じように対応していくのは難しそうですので、誠に申し訳ないのですがコメント欄での子育て相談につきましては、一旦休止とさせていただこうと思います。
今日までに寄せられた相談コメントについては、ゆっくりになってしまいますが、コメント欄もしくは記事として返信をしていこうと考えております。
コメント欄は維持していきます。
しかしながら大変心苦しくはありますが、今後は子育て相談を寄せられても回答を差し上げることができません。
過去記事や関連する記事下のコメント欄などを参考にしていただけると、大変ありがたいです。
もしお悩みのコメントがあった場合、関連記事やコメントに思い当たる方がいらっしゃったら、誘導してあげてくださると助かります。
誠に勝手ながらどうぞよろしくお願いします。』
ネントレについて
横レス、失礼します。
とても子育てに頑張ってる様子を、お察しします。
なかなか寝付きが良くなくて、大変ですよね。
上の子が、とても似ていて、共感しました。
ウチも、同じ時期に毎晩抱っこして、部屋の中を何時間も歩いたり、抱っこで寝た息子を抱いたまま私もソファーで寝たり(布団に下ろすと起きるため)、毎日寝不足でした。
授乳も約1時間掛かり、2時間寝たらすぐ息子で…。
(3時間まとめて寝た時は感動したほど)
もうすぐ3歳になりますが、今では一人で布団に寝転がり寝るほどになりました。
ネントレせずです。
とてもゆっくりな変化でしたが、少しずつまとめて寝る時間も増えたり、手を繋いで寝たり…今に至ります。
生後5ヶ月なんて、子宮にいた時間のほうが長いんですから、寝るのなんか下手で当たり前ぐらいな気持ちでいると良いですよ。
ご近所に子育て支援センターがあれば、そういうところで職員の人や他のママさんへご相談してみるのも良いと思います。
ネントレ
といいつつ名無しさんへ、なのですが…
ネントレについてどなたかが以前質問か相談をされており、お父ちゃんさんの返信があったかと思います。
該当記事探してみたのですが見つかりませんでした~…。どこだったかな…。
うちも、寝ない子であれこれ悩んだ時期もありました。
現在2才10ヵ月、昼寝もしっかり、夜もちょっと遅めの就寝時間になってしまっていますがよく眠ってくれてます。
名無しさんが、これか!としっくりくるような答えを見つけられますように。
ネントレについての過去コメント
こちらの記事のコメント欄に、ネントレについてのやりとりがあります。ご参考になさってください。
ちなみにうちは7~8ヶ月ごろにネントレやりました。おとーちゃんさんはあまりお勧めされてないようですが、パパの助けもほとんど得られず(隣で大泣きしてても起きない...って旦那さんけっこう多いみたい、不思議です)、復職を控えており、体力的にも精神的にもかなり限界だったので、試してみたところ、うちの子にはあっていたようです。長時間寝てくれることが多くなり寝かしつけも楽になり、息子に目立った問題行動なども見られなかったので、私自身安定することができました。ネントレの本には赤ちゃんの睡眠についても書いてあることが多く勉強になったので、私はやってよかった、知ってよかったと思ってます。
今は1歳10ヶ月、ネントレ(色んなネントレがあるようですが)の一人で寝かせるというのは、動き回るようになってからやってません。手を繋いで話しかけたりトントンしたりすると眠ります。安心感を与えると寝付きがよくなるというのは本当だなと思います。
まだ子供のペースに付き合えるなら付き合ってあげるのもよし、辛ければネントレなど色んな方法を試すのもよし。お母さんが限界なのに子供にとことん付き合わないと可哀想と言われて無理をするとか、逆にネントレしないと可哀想と子どもに合わないのに押し付けるとか、状況によって異なるので一概にネントレいいよ!とか悪いよ!とかは言えないのではないでしょうか。色んな情報があるとは思いますが、選ぶのはお母さんです。具体的な状況がわかってるのはお母さん本人だけですから外野の意見は参考程度にして、自分で選んだ方法を自信をもってやってみるのが一番だと思います。情報に溺れないようにしてくださいね。正しいものを選ぼうと調べまくってると、ワケわかんなくなることがありますから(^_^;)
長々と横レス失礼しました。
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悲しいかな、母親(現在63歳)は、全く、自覚は無いと思います。
愛情はあったと思いますが、とにかく言葉に出して認めてもらえるときは、何かを頑張った時だけ。
そんな母に育てられ、今、私には3歳3ヶ月の息子がおりますが、
2歳1ヶ月の時に行き詰まりました。それ以来、おとーちゃんの
ブログで、いろいろ助けてもらっていますが、なかなか無条件で愛してる、という事を表現する方法が分かりませんでした。
(態度や表情や言葉かけ、、)
Fも忘れずに言葉かけしていましたが、ついつい
期待してしまってFを強めに言ったりしていたので、
心が通じる言葉かけにはなっていなかったのでしょう、
次第にキーキーと奇声を上げるようになり、
困っていました。そして、この記事を読んで分かりました。
条件付肯定をしてしまっていた事に。。
反省し、なるべく、くつろいで、笑顔でゆったりと関わったところ、1日で奇声がおさまりました。
本当にタイムリーな記事をありがとうございます。
これからも、参考にさせてください。
おとーちゃんのファンより。。。