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2023-06

日本の子育て文化 おもちゃ選び編 その2 - 2009.10.23 Fri

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↑なんでしょう? そう、餃子大喜びで包んでます(笑)
実は前日が餃子で、ネタがあまってしまったので冷凍してとっておこうと、皮を追加で買ってきて包むつもりではじめました。前の日は、「餃子つくるけどいっしょにやる?」って声をかけたんだけど、まさか2日目もやるなんて思わないから、僕が一人で黙々と包み始めていたら・・・
「わ~~餃子だ~~~手あらってくる~」と見つけるとすぐに、はりきって手伝ってくれました。
もちろん、「ただ冷凍するだけ!」なんて、納得するはずも無いので2日つづけて夕食が餃子になってしまったとさ。(笑) ちなみに、お皿にあるのは餃子でつくった「おとーちゃんの顔」らしい・・・



え~と、ちょっと日にちがあいてしまったけど前回の続き「もうひとつの刺激」について。ちょっと「おもちゃ選び」という題名とずれるけど成り行き上「その2」としました。

「もうひとつの刺激」とはずばり「暴力」です。






え~可愛いこどもに暴力なんてさせてないよ~。とおっしゃるかもしれませんが、日本はほんとに暴力に寛容な文化であるといえます。もう、他の先進国ではありえないほどこどもに対して暴力の洗礼が・・・
けっこう有名な話ですが、アメリカに住んでいた日本人家族が父と子がプロレスごっこをしている写真を現像にだしたところ、お巡りさんがきて逮捕されてしまいました。「これは遊びでやっているのでけっして虐待しているのではないです」と必死に弁解するも、「なぜ暴力があそびになるんだ暴力をあそびにすることも虐待のひとつである」と許してもらえなかった話。
もうひとつ、僕の身近なところから聞いた話。日本の小学校5年生の男の子がオーストラリアに単身でファームステイにいきました。そこそこの期間なので、現地の小学校にも編入。現地の子にからかわれたことがきっかけで、その日本人の子は相手の子を殴ってしまいました。これが日本であれば学校の先生が叱って、せいぜい親に報告するくらい。悪くても親が学校に呼び出されて気をつけるよう注意されるくらいだと思いますが、外国ではそうはいきません。それを見た学校側が呼んだのは、まず警察そしてホストファミリーが呼ばれて大きな問題となってしまいました。外国ではこどもがしたことでも暴力は簡単に許されないことのようです。
日本では駅にいくと近頃よく見かけるのが、「痴漢は犯罪!」と「暴力は犯罪です」のポスター。こういうことをわざわざ書くってことは、痴漢や暴力が悪いことではないと認識しているひとが多数いるということですよね。
われわれはこういう状況にどっぷり浸かってるので、あまり疑問に思わない(つまり文化として浸透してしまっている)のですが、影響は無視できないほどあります。


文化として浸透しているものを否定しているので、賛同できない方、すんなり納得できない方がいるのは重々承知しています。それでも現代でその影響が無視できないものになっている、また現状を否定
する人がほとんどいないのであえて書きます。
こういう批判があるかもしれません、「昔はチャンバラごっこや戦いごっこをして友達との関わりを覚えてきたんだそれも否定するのか?」と それはしません。僕もこどものときはよく戦争ごっことかしました。たのしかったですね~。でも、問題は年齢です。いまは1~2歳、もしかすると0歳の子にけっこう直接的な暴力表現を与えてしまっています。

具体的にどんな「暴力」の影響しているものがあるか見るまえに、なぜ暴力をこどもに伝えると困るのか説明したいと思います。小さな子に「暴力」を遊びにさせてしまうと、それだけで完結してしまうのです。もうほかにはなにもいらない。ずっ~~~~とそれだけ。だから、落ち着いたり、集中したり、話を聞いたり、聞いて実行することが難しい子になってしまう可能性がぐんと上がります。その結果、育てにくい子になったり、ひいては親から見捨てられる子(この場合はもちろんそれだけが原因ということはありませんが)になりかねない。オーバーなようですが親から見捨てられる子、最近少なくありません。そういう子も本人は悪くないんですよ、原因はかならず親の側にあります。親がこどもを育てにくくしているのです。少しでもそうならないように、今回の「日本の子育て文化 おもちゃ選び編」を書きました。
「暴力」をもっとも学習するのは「視覚」からです。見て覚えます、だからテレビとかの影響は大きいですね。暴力は人類の根源的なところに位置しているようです。暴力は人類の存在に必要不可欠なものでした、それゆえ暴力を発揮することはとても楽しいのですね。どうも人間はそういうふうにできているみたいです。人類学のなかでは、われわれクロマニヨン人はネアンデルタール人を戦い滅ぼしていまの発展を遂げたとのことです。国連の調べたところ第二次世界大戦が終わってから50年間の間で公式に戦争・紛争が無かったのは、たったの12日間だけだったそうです。

いま日本でとても小さい子に与えるキャラクターとして有名な「あ○ぱんマン」、だれもが知っていると思いますが、よ~く考えてください。1~2歳児も見るのにどーしてあんなに暴力で話を解決するのでしょうか?もともと、原作者が描いていたころはああいう勧善懲悪な話ではありませんでした。原作者が言うには、「戦争中とても飢餓に苦しんだ。あのときあんぱんがあったらどんなにか幸せになれたろう。自分を犠牲にしてでも少しでも苦しんでいる人に、その幸せをわけてあげたい。それがあのキャラクターなんですよ。」という趣旨のことを語っておりました。だから、心の温かくなるような内容だったのですが、日本の商業主義にのってしまってこどもを強烈にひきつける暴力、利益を増大させるキャラクターの無制限な増加によって元の内容とはかけ離れてしまいました。非常に残念です。
暴力は見て覚えてしまうので、このアニメはこどもに見せませんでした。でも、保育園で絵やキャラクター品を見たり、友達が話しているのを聞いて存在は知っていたみたいです。2歳になったくらいのときテレビをつけたらたまたま、そのアニメがやっていました。こどもも最初はキャラクターの面白さで見ていたのですが、主人公が「パーンチ!」とかしだすと・・・「なんでどいてって言わないの?ぶったらだめじゃないか。もうやだ、見ない」と目に涙をためながら言うのです。別にそう誘導したわけでもなければ、普段から「ぶつのはだめ」とこんこんと説教しているわけではないんですよ。でも、彼は自分の感性でそう感じたみたいです。わが子ながらこいつすごいな~僕より上だ!と感じた日でした。

日本では「○○マン」や「××ライダー」といったヒーロー物も市民権を得ていて、2歳くらいから頻繁に見せている家庭がおおいです。あれらも、日本以外では国や州によっては暴力的な面(時には性的な描写も指摘され)からR指定がついて、幼児には見せられないところも多いものです。
僕もこどものときには楽しくみていましたが、その頃1~2歳で見せていたものではなかったと思います。ある程度物事が判断できるすくなくとも5~6歳でないと、暴力のもつ強烈な刺激に支配されてしまい易いのではないでしょうか。
世間ではよく「男の子だと手がかかるから、女の子でよかったわね~」なんて言葉を耳にしますが、当たり前のように大人が与えてしまっているこういったことが、落ち着きのなさや手がかかるという状況を作ってしまっているのではないかと強く感じます。
長いこと保育士していますが、男の子だからといって育てにくいってことは必ずしもないですよ。結局は関わり方です。むしろほんとに大変な女の子は、大変な男の子のかるく上をいくように感じます。

長々、書いてしまいましたがうまく伝えられなかったり、誤解をうみそうなところも多々あります。不快に感じてしまった方がいらっしゃったらご容赦ください。また、みなさんの意見やご批判などありましたらコメント下さい、僕もそうしていただけると勉強になります。

なんか、現状にたいする不満みたいなネガティブなことばっかり書いてるように見えるので、次回は「育てやすい子」にするにはどうすればいいか、ずばり「叱らなくていい子育て」について書きますね~。なんか、よく下に勝手にでてくる広告みたいですが、こっちはタダでおしえちゃいます。(笑)

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● COMMENT ●

心がズキズキします…

このブログを読んで、うちの子供たちも見てるなぁ…と。
しかも、もうすぐ3歳になる長男が暴力を覚えてそれを遊びの中に取り入れてしまっていて、周りが大変な思いをしています。
見せてしまったのは私の責任です。でも、これからどう教えていけば良いのでしょうか。
わかるまで説明した方がよいのか、それとももうその物自体を見せないようにすれば良いのか…今は暴力を振るったら、一回一回説明しています。
どのようにするのが一番良いのかわかりません…何かアドバイスがありましたら、教えていただきたいです(・・;)

大和家さん

>周りが大変な思いをしています。

こういう状況になってしまっているのでしたら、いまからでも「うちでは見ない・見せない」でもいいのではないかと思います。

3歳前であるならばそれも比較的しやすいでしょう。
これが5~6歳ともなってしまうと相当難しくなるかと思いますが。



保育園でも似たような状況は山のようにあります。

そんなとき、僕は「否定もしないけど肯定もしない」ということをします。

相手のことは否定しないけど、自分がどう思っているかははっきりと伝えます。


「僕は叩いたりすることを遊びにすることは好きじゃない」きっぱりいいます。

信頼関係がきちんと構築されていれば、そのことはそれまで無自覚に行っていたそういった乱暴な行為や遊びを子供自身が考える機会になります。

否定しないのは家庭の人が見せているものを否定することで、子供を板挟みにしないためです。

親としての立場からだったら、それが好ましくないと考えるならきっぱりと否定することもありかとは思われます。

そして、もう一点は暴力でなくともきちんと遊びがあそび込める子・楽しめる子にしていくということがあります。


いくら叩いたりすることがよくないと思ったところで、それしか遊べないのであれば結局子供はそこへ来てしまいます。
良質な遊びを提供して、それが楽しめる子にしていくことも同時に子供たちにしていきます。

きちんとイメージを持って遊んだり、形をつくりあげることができれば、そちらのほうがずっと面白く遊べるものなのです。


もう一点、
満たされなさや、支配や抑圧にさらされている子は、そういった乱暴な行為にはまりやすいです。
そういった心のケアも必要がある子にはしていきます。
具体的には受容であり、認めることであり、見守ることをします。

そこから生まれる、安心感と信頼関係が遊びのできる子をつくります。


僕が保育の中でしているのは大まかに言うとそういったことです。
参考までに。


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Author:保育士おとーちゃん
当ブログはあくまで個人ブログであり、記事の内容および相談・コメントの返信等は効果を保障するものではありません。
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楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

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