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2023-06

リンク 『朝夕は保育士1人でもOKに…?保育業界のニュースに7割が反対!』 - 2015.08.23 Sun

 このところ執筆にかかりきりで僕もしらなかったのですが、保育園をめぐってこんな動きが出てきていました。

朝夕は保育士1人でもOKに…?保育業界のニュースに7割が反対!(保育のお仕事)







これの動機である、
「保育士が不足していて配置が困難だから制度を緩和してしまおう」
って、そもそもそこからしておかしいですよね。

まずは、不足しているならば増やす努力をするべきでしょう。

これで、しわ寄せがいくのは子供にです。


「とにかく人件費を切り下げたい」と考えている施設はこれにとびつくことでしょう。

行政の方も、単に配置の規制をゆるめただけではおわらず、もしかすると「基準を緩和して非正規でもOKにしたんだから、人件費の補助金も切り下げていいよね」とどこか別の時にこれにからめて盛り込んでくるかもしれません。


数字の上だけでみるとわかりにくいかもしれませんが、具体的にはどんなことがおきるでしょうか?

各園の事情はさまざまですから、あくまで一例ですが。

例えば、それまで乳児、幼児別々に遅番早番をしていたものが、合同になって非常に過密した状況でその時間の保育をおくらねばならなくなってしまうかもしれません。


この遅番早番の時間は、保育士が子供を見てさえいればいいわけではありません。
お迎えにきたおうちの方に、その日の子供の様子を伝えたり、保育上のことでなにか大切な話をしなければならないといった対応もあります。家庭と保育園の間に信頼関係を築くために、このお迎えにきた人にちょっとした雑談程度のことでもすることはとても大事なことです。

また、電話での対応もあります。
その内容がちょっとしたことならば、パートさんでも済むかもしれませんが、伝達トラブルを防ぐために、電話は必ず正規職員がとると決めている園も多くあることでしょう。
それが、保護者からの保育内容に関わる相談であったり、なんらかの真剣な対応を望まれていることであれば、当然ながら保育士が聞かねばなりません。ときに、それは長びくことになる場合もあります。
また、お迎えにくる保護者が対応の難しい人である場合もあります。そんな場合、子供を見ながら片手間に相手をするといったことはできません。

こういった家庭との対応も保育の上では重要なことです。
それができなくなることは、保育の質が下がることにつながります。


さらには安全、治安上の問題もあります。
保育園は女性や子供しかいないだろうと、変な人に目をつけられることがあります。そういった時間、なまじ大人が少ないことがわかってしまうと、余計にターゲットにされてしまいかねません。

こんなことはあってほしいことではありませんが、なかには迎えに来た保護者が人がいない保育室のなかでいたずらをしていったり、職員の私物や他児のロッカーをあさっていくような盗癖のある人がいるなんてこともあります。施設にもよるでしょうけれども、残念なことにこういうことは決してないわけではありません。
職員が少なく目が行き届かないと、そういうことは未然に防げない、予防できなくなってしまいます。


さらに、保育の面ではとくに遅番の時間は子どもが不安定になったり、興奮したり、疲れて荒れてしまったりすることがあり、保育はとても難しいです。
トラブルやケガも多くなり易いです。
子供の人数が過密になる、もしくは、子供を見る職員の目が減るということは、それらの問題が出やすくなります。
僕も実際、過密な状況では、「なにごともなくこのまま無事に遅番おわってくれー」と祈るような気持ちで保育していたことだって何度となくあります。
子供をきちんとみれる職員が減ると言うことは、それがさらに加速するということです。

どれだけ努力して子供を保育しても、連日ケガやトラブルがあり、毎日子供を病院に連れて行き、保護者には平身低頭して謝らなければならない、そんな状況になってしまえば、自信をなくしてそれこそ保育士は辞めていってしまいます。
仮定の話ではなくて、すでに現実にこういうことは起こっています。この制度により、保育状況が過密化すればさらにそれは顕著になってしまいかねないでしょう。

「保育士が足りないから」と付け焼き刃ではじめた制度が、余計に保育士を減らしては元も子もありません。



もし、そんな職員が少ない時間帯に、火災や地震などの災害が起こった場合、不審者が入り込んだ場合、酒を飲んで迎えに来た保護者が子どもに暴力を振るい始めたとしたら・・・・・・。
子どもの安全を守るためにも、ある程度の人手の確保というのはとても大切です。
現状ですらそれは十分とは言えないのに、さらに切り下げてしまっては、なにかあったときのことがはなはだ懸念されます。


結局この施策も、子供のことや保育の内容のことを考えてではなく、背景に”お金”のことがあってのものです。
いま、残念なことに、保育の質が国によって切り下げられているのがありありと目に見えるようになってきています。
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● COMMENT ●

私もびっくりしました

こんにちは
私も記事を読み、びっくりしていたところです。こういう案を出している国のトップの方々は全くもって子供の事、保育士の事、保育のあり方、全てにおいてまともに考えていないんだなぁ、、と痛感しました。
私は保育園に通わせる親としてこんな制度はできて欲しくありません。どうしたらこんな案が思い浮かぶのか不思議ですらあります。

保護者からすればこんな制度ができたら保育園に預けて働くという選択にますますハードルが上がるだけだと思うのですが、、、

セミナーについて

1歳7ヶ月になる男の子のママです。
いつも楽しく読んでいます。
おとーちゃんさんのブログを参考に、なるべく共感や愛情を伝えるよう心がけ、とても可愛く育っています。ただ、自己主張も強くなり、気に入らないと激しくぐずることも出てきました…
これからもおとーちゃんさんのブログを参考に来たるイヤイヤ期を乗り越えたいと思っています(>_<)

おとーちゃんが反対されていた準保育士制度といい、待機児童解消は大事であるとはいえ、国は保育の質のことももっと真剣に考えてほしいですね。

以下は記事の内容と関係なくて申し訳ないのですが、秋にもセミナー開催されるのか、質問させてください。
以前の記事で、今年の春と秋に開催を考えていると書かれていたので、秋にも予定されているのかな〜と気になっています。
執筆も佳境で大変お忙しいとは思いますが、余裕がある時にでもアップして頂けると嬉しいです⭐️

また、児童相談所や児童養護施設、里親制度についてもし何かご意見などがあったら記事にしていただきたいです。
最近よくニュースなどで聞くので興味を持ったのですが、分野違いでしたら気にしないでください!自分で勉強しろという感じですね(^_^;)

保育園の意味

今年の3月まで10年間、保育園にお世話になっていたWMです。

10年間お世話になり、どんどん「保育の雑化」が進んでいる気がします。

保育園は「日中の保育に欠ける事由」のある子どもがお世話になる場なのは確かですが、同時に子どもには生活の場であり、育ちの場である視点が欠如してる印象を受けます。

保育の政策に関心のあるお母さん方は毎年、「うちの子でギリギリ(セーフ)だった」と言いながら卒園しています。

一方で保育園も目先の展開時間興味はないのころは少なくはないし、多くの保護者は「保育園に子育てを任せて、子どもをほったらかしにしてる」と言われるのを恐れて質には口閉ざしてる印象をうけます。難しいですね。

不測の事態に備えて2人体制を!

以前、大阪の国立大学付属の小学校に男が乱入して、小学生に危害を加えた事件がありましたね。
災害や人災などの不測の事態に備えて、保育士の複数体制を取れた方がいいと思います。

我が子が通う保育園は、いつも夕方、20代の男性(保育士ではなさそう)か40代の男性事務員さんがいます。
「暗い時間帯に、保育園を女子供だけにしないための安全対策かなぁ」と感じていました。朝に預ける時間帯には、どちらの男性職員も見かけないこともあるので。

保育士一人だけというのは、保育士による子供への性的イタズラや虐待を防ぐためにも、必要と思います。(真面目に奉職している保育士さんには失礼な話ですけど)

国には、子供の安全への経費を惜しまないで欲しいです。
おとーちゃん、考えさせられる話題をありがとうございます。

いつも更新を楽しみにしています。
相談は受け付けていないとの事でしたが、本当に困っていることがあります。

年長の娘が、急に泣き出すことが多々ありまして、その理由が飼っていた犬の事を思い出して泣いているみたいなんです。
去年、愛犬が亡くなりました。本当に急な事で、娘も愛犬の命が消える瞬間を見届けました。
それから、眠る前や朝などに思い出しては泣いていて、その度に慰めていたのですが、幼稚園でも泣いたりしているみたいです。

慰め続けるのにも限界があるというか、もう何と声をかけてあげればいいのか分かりません。

今日もお出かけの車の中で泣いて、周りから心配されていました。
本人はその時に理由は言いません。後で私が聞くと思い出して泣いたと答えます。
ふとした時に思い出して会いたくなると。
みんなで遊んでいても、急に泣いたりすると他の子達も何でかなぁ?と思うでしょうし、来年小学生になるのに、このままでいいのかと考えてしまいます。
どう接していけばいいのか、この悩みを誰にも相談できずに困っています。

にゃらりさん

これは個別性のとても強いもので、僕がどのように言ったとしても適切な答えになるかどうかわかりません。

一応過去にこのような記事を書いています。

「子供と死の問題 Vol.1 幼児期のトラウマ化」 
http://hoikushipapa.blog112.fc2.com/blog-entry-173.html
コメント欄にも関連するお話しが寄せられています。


もし、この記事にあるような僕と同じようなケースであれば、「安心させてあげること」かなと感じます。
僕の場合は、お子さんのように泣いたりすることで外に”出す”ことができませんでした。
でも、お子さんの場合はそのようにわだかまりを出せていますので、むしろ乗り越えていけやすいかもしれません。
あまりに泣くので心配になってしまうかもしれませんが、感情は溜め込むよりも泣いたりして出せる方が健全なのです。

ただ程度にもよりますので、一概にはいえないところです。
あまりに深刻ということであれば、心療内科や小児精神科など専門機関で相談することもできます。

おとーちゃんさん、ありがとうございます。やはり立ち会わせたのが良くなかったですね。仕方ない状況だったんですけど、私もずっと気になっていました。
皆様のコメントも大変参考になりました。その都度向き合って話を聞いて、自分なりに乗り越えてほしいです。
今回は本当にありがとうございました。

No title

こんにちは!

これから、保育園か幼稚園にするかで迷っている、3歳児の母です。

一人体制とは、どれだけ、保育所さんと子どもに負担をかける事になるのでしょうか。

この記事を見て、以前、新設の認可保育園の場所を確認しに行った時にほんとうにびっくりしたことを思い出しました。

そこの園はまだ看板も出でいない状況でしたが、ビルというのかママンションの1階をリフォームしたところで、いちお園庭のようなものもありました。かなり狭かったですが。
そして驚いたのは、真横に高速道路が走っている事です。高い柵はありましたが。 住宅も密集している感じでした。
そういう、認可保育園があるのかと、びっくりしました。

4月から受け入れている保育園かと思いますが、毎月かなり空きがあります。埋まってしまっているのは0歳児くらいのようです。
他の保育園はどこも定員いっぱいで空きは3、4歳児くらいから一人あるかという、地域なのですが。

役所の方には認可保育園なので、今後移るのは難しいのでよく検討して申込するよう言われました。
見学しておいて良かったと思いました。

待機児童対策には何でもありなのかと残念な気持ちでした。

このままでは保育園は難しそうなので幼稚園になりそうですが、しっかり見学して選びたいと思います。

はじめまして
延長保育の子ども達の様子に悩みいろいろと探してるうちにここにたどり着きました
私の働いてる保育園では 残る子どもの数に対して延長時間の保育士の数が足りません
乳児 幼児のクラスにわかれて保育はしているものの 遅番職員2名 資格保有者2名 資格なしのパート 6名と 数だけ見たら多いのですが それ以上に残る子どもが多いのです
今日も遅番で 幼児担当(3 4 5才児)だったのですが 40名弱はいたと思います
それを1人で 電話対応 玄関のカギ対応(保護者にカードキーを渡していますが 持ってこずインターホン鳴らす人が多いです…) 各クラスで伝達事項があれば 保護者に話す 子ども達の対応と 目まぐるしいです
年長児の男の子達が落ち着きなく 狭い部屋を走る 椅子をひきづって遊ぶ ケンカする等
部屋は わちゃわちゃ状態です…
そんなNEWSが出てたのは知らなかったのですが きっと園長は 国が決めたことなら その方針に乗っかるタイプだと思うので ますます延長時間は過酷になりそうです
もっと現場の声を聞いてほしいです…

保育士の基準緩和

ワークショップに参加させていただいているいつきままです。

先週末、正式に?厚労省から保育士の基準緩和のニュースが出たみたいですね。
あちこちから怒りの声が上がっていますが、本当に不安ですし、なんだかすごく焦りと悲しさを覚えます。
そもそも保育士不足って、有資格者が少ないのではなくて、待遇が悪くて働き続けられないから不足しているのに、それを改善するのが難しいからって無資格者でも働けるようにするって方向性が間違ってますよね。
影響力のあるおとーちゃんさんからもぜひまた意見を発信してもらえると嬉しいです。

余談ですが、良いニュースは月曜に、悪いニュースは金曜に出す、という話を思い出しました…。週末だと企業にとって株価への影響が少ないから、ということでしたが、省庁でもそうなのかな…。

最近たいへんお忙しいようですが、お体どうぞご自愛ください。
2冊目の本も楽しみにしています!

一人体制の時間に、不審者に来られました

保育士です。
以前勤めていた園は小規模で、早番は私一人で園には他の職員が誰もいない状態でした。
職員は私一人に対して、子どもが4人登園していました。

突然知らない女性がやってきて、支離滅裂なことを言った後、「子どもを触らせてほしい」と言い、保育室に入ろうとしました。
なんとかなだめて、「上の者に確認するから待ってほしい」と言い、慌ててドアと鍵をかけて理事長に連絡しました。
園の敷地内に住んでいる理事長が飛んできて応対してくれて事なきを得ましたが、本当に怖かったです。
私が不審者に応対している間、子どもの対応をすることができず、また珍しさから玄関に集まってしまい、不審者に触られそうになっていました。

また、この日はたまたま理事長が在宅だからよかったものの、普段は家にいません。
つまり、助けを呼ぶことの出来ない状態です。

今回は危険物を持っていたり、ガラスを割って浸入されたりはしなかったからよかったものの、そういう危険なことをする不審者だったらどうなっていたことか、と背筋が凍る思いでした。

もう一人職員がいれば、一人が子どもを安全な場所に集めて、もう一人が不審者の応対をできたはずです。

「早番遅番の保育士の人数が少なくてもO.K.」というニュースを聞いたとき、このような事態になったらどうするのか、誰が子どもを安全な守れるのか、と不安を覚えました。どうにかしてほしいものですね。


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楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

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