Commons.jp - 2015.09.22 Tue
書きたいことはたくさんあるのですが、文章をまとめるのはこれが意外に骨の折れる仕事でして、思うようにいかないのがもどかしいところです。
いま思うと我がことながら、記事を書きながらコメントでの相談を受けていたのが、よくできていたなとあらためて感じます。
同じことをいまからやろうと思っても無理かもしれない(笑)
さて、今日は”Commons.jp”というウェブマガジンを紹介したいと思います。
この”Comons.jp”は、こちらの本↓がきっかけとなって、「子育てしやすい世のなかを、みんなで真剣に考える」というコンセプトで、さまざまな人から子育てに関する知見をつのっているサイトです。
僕も、この「社会全体で子育てを考える」というのは、これからの子育てそして社会のあり方として必須のものであると考えます。
専業主婦が一般化した時代からこのかた、日本では「子育て」や「子供」が個人の責任にされすぎてしまいました。
もっと言えば、「子育て」や「子供」が「母親の責任」にされてしまったのです。
ですから、母親は子育てにおいてさまざまなプレッシャーを受け続けています。
それはもはや「強迫観念的」とまで言えるほどで、我が子を他者からみて”正しい”ものとしなければなりません。
なので、その関わりはどうしても過保護・過干渉にならざるをえません。
(場合によっては、虐待やネグレクトへと母親を追い詰める一因ともなっています)
もし、子供がケガをすれば責められるのは母親です。
なので、「ケガをさせてはならない」とばかりに、目を見張って子供をみていなければならなかったり、ケガしないようにと先回りして過剰な安全確保などをしなければならなくなっています。
我が子が他の子のモノを取ったりすると、それも母親の責任です。なので、「そうさせまい」と母親は過干渉になったり、必要以上に口うるさく言ったり、叱ったりをしなければならないです。
本当はね。
小さな子供が、興味を惹かれて他児の使っているモノを取ったりするのは、誰しもがする”当たり前”のことなのですね。
そこで、取ったり取られたり、取ったときに相手の子に抵抗されたり反撃されたりといった経験もしながら、人との関わりを学んでいくわけなのですが、
人々の考え方が、「各家庭の子育ては各家庭だけの責任」という立場をとっているので、それを互いにさせ合うことができなくなっています。
それは、子供にナマの経験をさせないことになっています。仕方がないので、その分を”しつけ”といった理屈で埋めたり、過保護・過干渉の回数を重ねることで教え込まなければならない状況を生んでいます。
そのように、子供が言うことを聞かなければ「しつけがなっていない」と責められるのも母親です。
それらは結果的に、子供の経験を奪ったり、過保護・過干渉の悪影響を子育てのなかに大きく持ち込むことになります。
もともと核家族以前の時代は、子育ての責任はゆるやかに家族全員でになっているものでした。
さらには、地域や社会の人々も、みながその子の子育てになんらかの責任を負っていると考えていました。(一例をあげると、子供の前では信号無視をしないといったこともそのひとつです)
いまでは、健康から成長・発達、学力から進路、将来のことまでが母親の責任のようになってしまっている現実があります。
子育ては、同時に社会の問題でもあります。
以前あった「ベビーカー論争」などもそうですが、あれも最終的に母親を責める意見となっています。
これはまさに、子育てを社会から切り離して、各家庭内の問題ひいては母親の責任として押しつけているわけです。
しかし、こういった問題の多くが個人の努力でどうにかなるだけの問題ではありません。
「おたくの子育ては、あなたの問題。私の領分には踏み込んでこないで!」
といった、よくない形での個人主義にいまの日本はおちいりりつつあるようです。
この”Commons.jp”では、外国では現在どのように子育てを考えているかなど、さまざまな意見を紹介して、これからの子育てを考えていく上での大変示唆に富むものになっています。
『赤ちゃんにきびしい国で、赤ちゃんが増えるはずがない。』
も良書です。
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● COMMENT ●
個人的な意見です
えっ
本気でいってるのかな・・・・・・
はじめてコメントさせていただきます
ずっとブログを拝読させて頂いておりました。
こちらのブログからあまりにも多くのことを学ばせていただいて
感謝しても仕切れません。ありがとうございます。
おとーちゃんさんのブログに出会って
わたしの子育ては随分と楽になりました。
二人の息子と毎日笑顔で過ごせるのは
おとーちゃんさんのおかげです。
お体に気をつけて
ご活躍をお祈り申し上げます。
No title
ニュージー在住の方の記事読んだらほんとこれは行くべきなんじゃないかという気持ちになっております。。
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執筆がお忙しいようですが、もともとブログから人気が出たおとーちゃん、ブログが更新されなければ、読者はブログを見るのをやめてしまいます。
今の情報が溢れる社会では、次から次へといかにして個人の時間を獲得するかを考え尽くしたコンテンツが登場します。
おとーちゃんのブログを日々チェックしていた読者の皆さんも、しばらく更新がないことが続くと自然と離れていきます。そしておとーちゃんのブログを読むことに使っていた時間は何か別のことに使われます。そうすると、またおとーちゃんのブログに戻ってくる人は少ないと思います。習慣は変わってしまうからです。
執筆に熱心なのはわかりますが、本流のブログを疎かにすればどうなるか、軽く考えないほうがよいと思います。