「しつけ」にまつわる本紹介 - 2016.07.13 Wed
『かわいい子には旅をさせよ』 vol.1
この↑記事タイトルが変わってしまいましたが、内容的には
『現代版 子育ての必須知識 vol.1』
こちらに続いているものと考えてください。
このことには、背景に「子供のちからを信じる」という、「子供の尊重」の概念が隠れています。
「信じて待つ」で検索しても関連の記事がでてくるでしょう。
さて、ここ一ヶ月以上、「しつけ」にまつわる話をしてきました。
保育についてもあれば、家庭の子育てについての記事も、ほとんどが「しつけの考え方」に関わる記事だったと思います。
「しつけ」はすごく難しいテーマです。
誤解や批判もあろうことはわかっています。特に感情的なそれも少なくないでしょう。
その理由のひとつは、実は大人も「しつけ」の規範のなかで生きているからです。
外国人向けの観光ガイドブックに、日本の電車に乗る時の注意点としてこんなことが書かれているものがあるのだそうです。
「日本では、車内で会話している人はいない、静かに乗車することを心がけなければならない」
まあ、会話している人がいないというのは言い過ぎだとは思いますが、そう言われると確かに静かにするといった規範を無意識に持っているようではありますね。
そんなところに端的に現れているのですが、実は大人も「しつけ」で生きているのですね。
だから子育てだけの問題ではない部分があります。
「しつけの規範」を自分自身の中でも重視している人も少なくないわけです。
(「しつけの問題点」などと言っているから、僕のことをアナーキストか何かのように感じる方もいるかもしれませんが、僕自身もその「しつけの規範を」大変強く持っています。ただ問題点を知っているので、客観視できるよう務めているだけです)
そのため人によっては、「しつけ」の問題点をあげると、まるで「自分自身が責められている」ようにとってしまう人がいるわけです。
感情的になって、書いていないことまで誤読する人もいます。
だから、世の子育て関連の人は「しつけ」の構造的な問題点などに気がついている人がいても、それに触れないほうが無難なのでしょうね。
「しつけには大きな問題点がある」というよりも、「こんなうまいしつけの方法がありますよ」って言ったほうが、本だって10倍売れるでしょうしね。
でも、僕は馬鹿正直で器用には生きられないので、子育てのために本当に必要だと思うことを述べるまでです。
最近の記事だけ読んだ人はいざしらず、このブログももう7年書いてきて、以前から読んでいる方には僕が他者をおとしめめたり、けなすために書いているのではないことはお分かりになることと思います。
僕は現実に、「厳しいしつけ」や「行き過ぎたしつけ」によって、その人格を良くない方に捻じ曲げられてしまった子や、萎縮した性格に育ってしまったり、自己肯定感を持てないで育っていく子などを見てきました。
親が「よかれ」と思ってすることによって、意地悪になってしまったり、人を信頼できなくなったりする子がいるということです。
子育ての相談を受ける中で、親自身がその生育歴から大人になった現在でも苦しんでいる人、自身の子育てに直面したことで苦しみが再開した人などが大勢いることも感じています。
そんなこんなで思うのは、「支配で人は育たない」ということです。
「支配」を強化して育てると、「支配すること」を好む人格や、「支配されること」を好む人格が出来上がりやすいです。また他者の感情に鈍感な性質を持たせることもあります。
そういった人格を獲得させられると、その人が”幸福感”を得ることはとても難しくなってしまいます。
子育て関連の人で、あまり「しつけ」を問題視する人は多くありません。
そのいい部分しか描いていないからね。
しかし、心理学者や心理カウンセラー、心にまつわる医師は、かなり以前からこのあたりのことに真剣に取り組んできていました。
僕自身で、そのことをお伝えするのは限界があるので、読み易めの二冊の本を挙げておきます。
興味のある方は手にとって見てください。
どちらとも大変お勧めできる本です。(↓アドブロックなどの設定をしていると見えないかもしれません)
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● COMMENT ●
「支配」は人を育てない。
そして「優しさ」は子どもの健全な成長や発達に欠くべからざる栄養素であることが、医学で分かってきたそうです。
優しく世話をされると、オキシトシンというホルモンが分泌され、人への思いやりやフレンドリーな接触を増やすそうです。人は幸福に感じるだけでなく、優しくなれる。相手の非さえも受け入れ、許すことが出来るそうです。
幼い時によく抱っこされ、優しくいたわられて育った人はとうちゃんのいう「プレゼント」を与えられた子
反対に、「支配」されて育った子はどうなるのでしょうか。
大人はみな「支配」しているつもりはないのでしょう。
間違った「しつけ」をしているとも思ってない。
私はそこが厄介だと思いました。
そして、園という場所で働いているとやっぱりそうなってしまっている。
みんなと同じように正しくしなさい
出来ないとダメ
ちゃんと整列しなさい
先生が話をしている時はちゃんと聞く
子どもを「良い子」にしようとしてしまいます。
「良い子」とは大人の都合のよい子です。
出来ない子は「出来ない子」のレッテルがペったり貼られてしまう。
とうちゃんのいう「子どもの尊重」
子どもにはその子個々の意思があり、なんらかのことを強制する必要がない
画一的な教育に慣れ親しんできた日本では、みんなと同じようにちゃんとすることが当たり前と感じるのだそうです。(教育についての本より)
「しつけの概念」は子どもの成長にいったい何を与えてくれるのでしょうか。
6/26のとうちゃんのセミナーからずっと、子ども達を毎日笑顔いっぱいにしてあげることが私のミッションです。
トップページに最新記事がでてきません。
毎日チェックしているのですが、今日はトップページに最新記事が表示されていないようです。
お節介とは思いますが、おそらく先頭記事を2018年と大分先に設定しているためでないかと思います。
それでは、お忙しいと思いますが、くれぐれも無理されませんように。
さきほどの…
ページを更新したら見えました。サーバ側の問題だったのかもしれませんね。失礼しました。お忘れ下さい。
「おててピン」「あんよピン」で教える…?
7歳置き去り事件の発端「人や車に石を投げ」……「命に関わることは叩いてでも教える」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160715-00510423-shincho-life
この記事、FBで影響力のある人が絶賛していて、いいねと言ってる人も多かったのですが、おとーちゃんさんのブログを参考にしている私としては、とてももやもやしました。
もし機会があれば、取り上げていただけると嬉しいです。
支配という名のもとのしつけはNo
それも私だけに。夫が息子にした支配のうっぷんは夫には向かないのです。怖いから。
その当時は息子の対応に追われ夫の尻拭いをしているなんて思う暇もありませんでした。
甘えさせや信じることが希薄だった母子関係から信頼関係を築きなおすためには甘えさせることからはじまりました。
息子の要求に気持ちよく応じ徹することです。
そんなこと親にしてもらったことがなかった私にとって心が引き裂かれる思いもたくさんありました。なんでこんなことしなきゃいけないんだよって。でもやらなければ息子の心が死にそうだったので葛藤しながら要求に応え続けました。そんな息子も今は中2になりました。まだまだ信頼関係を築いている途中ですが前よりはいい関係が築けているかなと感じています。
息子も私も切に望んでいることは信じて待ってもらえること安心できる人、場所、ありのままの自分を受け入れてくれる人、なんだろうなぁと思っています。
最後に山崎雅保さんの「間違った子育ての常識で苦労していませんか?」「子どもってどこまで甘えさせればいいの?」という本があります。こちらの本もしつけだったり甘えさせだったりが分かりやすく書かれた本ではないかなぁと思い掲示しました。よろしかったら拝読を(^^)
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カレーに手を突っ込んで人参をほじくり出している(人参大好き)息子を見て、こりゃスプーンで食べたら手が汚れんよと言っても、そもそもきれいに食べようと思ってないなと思えきて、本人がきれいに食べたいと思った時に言ってやればいいのかなと思えてきました。
毎朝のお着替えも、早く着替えたら遊ぶ時間がいっぱいあるでと言っても、そもそも過去も未来もあいまいで今しかない息子に、車で遊ぶよりもお着替えを優先させる動機づけにはなってないなぁと思えてきました。
じゃあ、この子がきれいに食べたいと思う日は信じて待っていたら来るの?大人でも顔をそむけたくなるくらい汚い食べ方をする人がいるのにそんなふうになったりしない?
息子に時間の感覚が育ってくるまでの間、どうやって毎朝さっさと着替えさせる?
悩みは尽きません。過去記事に戻るか!?