「ネグレクトされた子はどうなるか」 - 2010.05.18 Tue
現在、FC2ブログに問い合わせの上対応中です。
せっかく読んでいただいた上に、コメントまで下さっているのに、ご迷惑おかけして大変申し訳ありません。
前回ネグレクトが急増していると述べました。
もちろん、その程度も様々ですがこれをするとやはりこどもに様々な問題がでてきます。
ネグレクトというのは「意識的な放任」のことです、よく「育児放棄」とか「育児の怠業」といわれます。
平たく言ってしまえば、「意図的な無視」です。
暴力的・精神的な「虐待」のように直接の行為がないので、しているほうからすると罪悪感が伴わないことが多いのも特徴です。
ですから、虐待という意識なく起こりやすいのですが、度を越せばやはり虐待の一つとなります。
また、ネグレクトからはじまって暴力的な虐待へと発展するケースもあります。
ネグレクトされている子は、保育園での様子を見ていれば明らかにわかります。
わりと、多くの保護者の人が虐待やネグレクト、叩いてしつけていることなど、保育園側にはわからないと思っているのですが、何百人何千人というこどもを見ているプロですから、家庭でどういう関わりをしているか、いい関わりも悪い関わりもすぐわかります。
まず、そういう子は人と関わることがうまくありません。
これはこどもに対しても大人にたいしてもです。
大人にたいしては、甘え方というものを知らないので、こまらせること・ネガティブな行動をとることで関わろうとします。
ネグレクトの程度に比例して、様々なネガティブ行動は増加していきます。
親そして保育士でも、受容できない性格の人、経験の浅い人はこういう行動に対して、注意・叱責という対応をしてしまうので、こどもは簡単につぶされてしまいます。
こういう場合こどもが何歳であっても、甘え方と大人には甘えていいということを教えてあげなければなりません。
そしてまた、親に放置されていることが多いと、遊びや生活面で遅れがでます。
食事が座ってできなかったり、昼寝に入眠できなかったり、排泄の自立も遅れます。
遊びも良い遊びはできず荒れた遊びになります。
これらは、そういった習慣がない、経験がないということ以前に、安心感をもって過ごしてこれなかったということが大きな原因です。
見守られながら安心して過ごせる、ということが低年齢の時期にはもっとも大切なことの一つです。これが欠落しているために、様々なことが身につかなくなってしまっています。
だから、いっくら「食事は座ってしなさい」と「しつけ」をしたところで改善しないのです。
ネグレクト気味でいながらそういった「しつけ」には熱心な人がいますしかし、うまくいかずこどもはますますねじまがってしまいます。
このことは逆に「しつけ」に熱心なあまりこどもが思い通りにならなくなり、あきらめてネグレクトになってしまうということなのかもしれません。
「うちの子は言うことを聞かない」「男の子だから手がかかる」ということは、そうしてしまうプロセスが親のほうにあったのかもしれません。
また大人に対してもそうですし、こどもに対しても攻撃的になります。
ひっかき、かみつき、けんかなどのトラブルが多くなります。
することも多いし、されることも多いです。
ふつうは遊具の取り合いなど原因がありますが、程度のひどい子はなんの理由もなくひっかいたり噛み付いたりするくらい、攻撃的になっていたりします。
0、1、2歳ですでにこういうことが起こります。
こういうときの対応は難しいです。
普通の人は、噛み付いたりしたことを叱ります。
「お友達噛んだらだめでしょ!」「メッ」とか。
(「噛み付く子には親がその子に噛み付いて、痛みを知らせるとなくなる」なんて書いてある育児書もあります。しかしそれは人間への関わりではありません、まるで動物のしつけですね。ひどい話です。)
しかしそうすれば、抑圧ポイントが「チャリーン」とたまります。
こどもによっては強く叱られたことでしなくなる子もいますが、ネグレクトなどが背景にあってしている場合は、「臭いものにフタをして」別の大きな問題に育て上げただけのことがおおいです。
こういう問題を改善しようとするならば、噛み付きをとめるのも「ダメ」ではなく「どうしたの」で止め、「~~したかったんだね」と受け止めててあげることからしなければ、改善されません。
また、噛み付く子を周囲の子から引き離すと余計疎外感が大きくなり、その子はねじれてしまうので、噛み付かれ易い子のほうを引き離すことも必要です。
ネグレクトをしている親にはその子のいいところを教えてあげたり、褒めてあげたりして、家庭で少しでも良いかかわりをしてもらえるように、サポートしていきますが、現実にはネグレクトが全くなくなるか、というと必ずしもそうではありません。
たいていは、親のほうはすでに出来上がってしまった人間ですから、変るのは難しく、こどものほうが親のやり方に順応していきます。
順応といっても良いほうにではなく、悪いほうにです。
その子が利発な賢い子だと、親の歓心をかおうと作り笑いをする子になったり、顔色をうかがう子になったり。
(その子が普通に育っていたら、ものすごく伸びただろうに・・・)
大人に期待するのをやめた無気力な子になったり、満たされない思いを意地悪をして解消する子になったり。
すごい子になると、こどもの意地悪と高をくくれるようなレベルではなくなります。
大人も傷つくようなこともいうようになります。
実習に来た学生に意地悪をして泣かせてしまうような子すらいます。
そういう子は当然、親に意地悪されているのですよね。
しつけの名の下にびっくりするような意地悪をしている親もいます。
まるで意地悪の英才教育です。
そして、そういうことを勝ち誇ったように保育士に伝えてくる親もいます。
冗談抜きで、鬱になります。
小児肥満の原因の一つにネグレクトがあるという研究結果もでています。
親に関わってもらえない欲求不満の代償行為として、食欲で満たそうとすることが原因になるそうです。
こういったケースはネグレクトが改善されるというより、手がかからなくなる時期まで、問題を周囲に噴出しつつ行ってしまい、うやむやになることが多いようです。
それでもこどもは育っていきますがひねた性格になったり、まっとうにいってればこれくらいは伸びただろうという所よりもはるかに萎縮して育ちます。
ネグレクトする人はこどもに関わることがわずらわしくて、そうするのだと思いますが、しかしネグレクトはたいていの場合、余計手のかかる子になってしまいます。
はっきりいって返って損です。
こどもを見ないことでできる「楽」よりもはるかに「手のかかること」が多くなります。
そして、こどもの本当の「可愛さ」を知らずにずっと育てていかなくてはならなくなります。
このことも大きな「損」です。
以前にも紹介したマザーテレサの言葉。
「愛の反対は憎しみではない、無関心である」
ネグレクトというのはまさにこれにあたると思います。
最近では多くの人が、実になんの気なしにあっけらかんとネグレクトをして平気でいますが、実はこどもの成長にとって不可欠なものを奪っていると言えると思います。
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● COMMENT ●
こんばんは~
No title
子供に無関心な親っていますよね~。
子供に対して無視・無関心は、絶対にダメなんですよね。
特に、母親は。
もっと産んだ責任を感じてほしいものです。
母親は、産む・産まないの決断ができる唯一の人。
産んだ以上は、母親に絶対的な責任があると、私は思っています。
私の近くに、両親二人とも、夜勤勤務をやっている人がいて、二人が同時に夜勤という日があるといいます。
それから、子供に「お母さん、携帯ばっかりやんないでよ」と言われているのも、見かけます。
人それぞれ、価値観は違いますが、「なんで、産んだのかなぁ」と疑問に思う母親と出会う度に、ガッカリです。
まぁ、とにもかくにも、自分はしっかり子供と向き合っていればいいのですが。
私の場合、世話を焼きすぎないように、気をつけなくてはいけないんですけどね。
ちっぴ~さん
> そしてネグレクトされてしまっている
> 子供たちが かわいそう過ぎます・・・(;_;)
>
> 大人でもそういう事されれば かなり傷つきますもの・・・
>
> どうして そのようになっていってしまうのか・・
> 悲しいものですね。
本当に悲しいですね。
意地悪になっちゃう子も生まれながらに意地悪だったわけじゃないのだけど、そうされてしまったのですよね;;
みんしゃみーさん
公園なんかにいても、こどもはちっとも見ないのに、携帯から目を離さないでいる親をしばしばみかけます。
小さいときから可愛がって育てていたら、視界にいれたくないような子にならないのにな~っていつも残念に思います。
はじめまして。
5歳になる息子の保育園での態度、まさに、blogで書いてある通りなんです…
いたずらっこで、先生に怒られてばかり、手がかかる…
寂しい思いをしてるのかな?知らないうちに、ネグレクトだった?
まだ遅くないかな?変われますか?
夏さんはじめまして
>
> 5歳になる息子の保育園での態度、まさに、blogで書いてある通りなんです…
> いたずらっこで、先生に怒られてばかり、手がかかる…
>
> 寂しい思いをしてるのかな?知らないうちに、ネグレクトだった?
なるほど、ここで書いてある行動と同じようなことが保育園でもでているわけですね。
具体的にはちょっとわからないけどネガティブ行動のことかな?
ネグレクトでこういうことが起こると書きましたが、こういった行動を引き起こすのは必ずしもネグレクトだけではないんです。
例えば、過保護、過干渉、厳しすぎる関わり、普段から多くの刺激にさらしているなどなどたくさんの原因が考えられます。またそういったものが複数の要因としてこどもの姿に表れてくることも多いです。
もし、夏さん自身振り返ってみてネグレクト気味だったというのでなければ、ほかに原因があるのかもしれませんよ。
> まだ遅くないかな?変われますか?
そしてもちろん、遅くなんかありません。
身近な大人の対応が変ることで、こどもは必ず変ります。
保育園でそういう行動がでているとしたら、家での様子とかはどうなのかな?
家ではまったくないのに、保育園ででているとしたら、家で大きな抑圧やがまんをしていて、それを出しているのかもしれません。
どう対応したらいいのか保育園の先生に聞いてみるといいかもしれません。
それなりの経験と知識のある保育士なら、普段からこどもの様子をみているのでなんらかの対応方法を教えてくれるかもしれません。
もしよければ、僕にわかる範囲でなんらかのアドバイスができるかもしれません。
その際は「管理者のみに閲覧を許可」にチェックをいれたコメントにメールアドレスを載せていただければ、返信いたしますよ。
お子さんの普段の様子や、具体的にどういう行動をしているのか、大人の関わり方や対応、もしあれば兄弟関係
の様子など詳しく書いていただけると、より適切な対応方法が言えると思います。
夏さん
僕なりに考え付いた範囲で書いていきますね。
でも、実際にお子さんやお母さんの関わりをみての上ではないので、もしかすると全然見当違いのことを言ってしまうかもしれません。
ですので、読んでみて状況に合いそうだというものだけ取り入れてみて、これは変かなと思うようなことはスルーしてくださいね。
ネガティブ行動が多い子は、たいてい「満たされていない」というものがあって出ることが多いです。
「満たされていない」とは、十分に甘えていないことや、肯定的な関わりをもらってない(否定、ダメだし、怒られることが多い、暴力を受けるなど)、また放任されることや普段から刺激の強いおもちゃなどでしか遊んでいないと、遊びがうまく続かなくなって落ち着かなくなり結果的に大人からみると叱ることの多い子になってしまうということなどからくることもあります。
実際のお子さんの様子を見ていないので、どのあたりから来るのかはなんともいえませんが、コメントを拝見した限りでは下に妹さんがいることからも、甘え不足というかむしろ「ポジティブな」関わり不足なのかなと感じました。
「ポジティブな関わり」というのは・・・
夏さん自身過保護で過干渉の方とのことですが、おそらくいろいろとお兄ちゃんに手をかけてあげているのだと思います。
でも、お兄ちゃんのほうからすると、その関わりに満足いってないのかもしれません。
例えば、「靴はかせて~~」といわれて、文句を言いながら渋々はかせるのと、「ハイ、いいよ~」とニコニコはかせるのとどちらが満足できるかと言えば、笑いながらのほうですよね。
5歳だから自分で靴がはけないわけはないし、着替えができないわけはないんです。でも、「やって」といってくるのはお母さんに「いい関わり」をもらいたいという心の現われなんですね。
だから、お子さんが2人いると大変だと思うけれども、もし可能ならば出来る時だけでも(他に手が離せないにもかかわらず無理にすることはないですよ、それこそ過保護になってしまいますからね)、進んでニコニコと手伝ってあげるといいかもしれませんよ。
どうせやるんだったらそのときは「手伝ったら癖になるかも!甘やかし?」なんて思わないでやってあげればいいんですよ。そういう風に思いながらやってることでも、こどもは敏感に察して満足度さがっちゃうからね。
それから、おすすめなのは「くすぐる」ことです。
ちょっとの時間で出来るから、遊びにしちゃって毎日くすぐっちゃいましょう。
たったこれだけのことでこどもの満足度はぐっとあがります。
結果的にネガティブ行動は減りますよ。
それから、こういうときも↓
>普段の様子ですが、何かの行動に移るとき『着替え』『片付け』『お風呂』など、一、ニ度の声かけではうごきません。
私は少し様子見でほっといてみますが、まるで動かず。『~して~しようよ~』の声かけにも動かないので、ついには怒りの感情で声をかける時もしばしば…
怒る前に、「お風呂はいらない子はくすぐっちゃうぞ~~!」と楽しくくすぐちゃいましょう。
それで気分転換できてすんなり来やすくなると思う。
必ずうまくいくとは限らないかもだけど、それだけで怒ることも減るし、だんだんとこどもがポジティブになっていくから、「言うことを聞かない」と思うこと自体がへっていくと思いますよ。
こどもって親から見ると、「困らせる、手のかかる」っていう風に感じることも多いけれども、そういうのって多くの場合関わって欲しいからなんだよね。
だからほんとは「お母さんを困らせよう」と思ってしているんではなくて、「お母さんが大好き!」ってことなんだよね。
もしぜんぜん変らなかったり、またなんかあったらいつでもお気軽にコメントしてください。
初めまして。
私は学習教室のスタッフ、そして児童館の臨時指導員として働いているものです。
今年度児童館、学習教室に入会してきた小1の女の子(同一人物)の問題行動に困り果て、
解決方法を検索していた所、こちらのブログにたどり着きました。
プロの方のお話が聞ければ・・と思い、今回コメントさせていただきました。
とても元気で活発な子なんですが、お友達の気を引く為に意地悪をしてみたり、
先生に対しても普通に話しかけても、「だから何?」「で?」「お前、バカか?」の繰り返しで、
会話が成り立ちません。
教室での学習中も、気を引きたいが為に教室中を引っかき回します。
そんな風に意地悪や迷惑をかけたいだけかける反面、甘えられる時には抱っこをせがみ、
私共もその子に付きっ切りにはなれないので、離そうとしても離れなくなります。
何となく親の愛情不足でただ気を引きたいだけの様に見えます。
家族関係など私もあまり詳しくないのですが、お母さんも特異な感じですし、
褒める事をしないお母さんです。
例えば、学習教室に入会する時にテストをするんですが、
その時「うちのバカがどれくらい出来ないか?を見るんですね。」とか、
児童館で一輪車に乗れる様になった事を報告したところ、
「一輪車に乗れたからって何ですか?得にも何にもならない。」と、
お子さんを目の前にして平気で言う方です。
構って欲しいから問題行動を起こす・・・
その心理は分かってはいるんですが、何せ大勢の子どもがいる中、
その子だけに構っている時間がないというのも本音です。
児童館では指導員の先生方が厳しく躾けをされるので、臨時の私が
口を出す事は滅多にありませんが、学習教室ではそうはいきません。
「教室では静かに。」「人の迷惑になる事はしないよ。」などと諭すのですが、
前述したとおり「だから何?」「で?」ばかりで話になりません。
この様な場合、ついカッとして厳しく言ってしまう時があり、その子は反抗して・・
と堂々巡りです。
真の愛情を与えられるのは母親だけ、そしてその子を変わらせてあげられるのも母親だけ。
それは重々承知ですが、その子に関わる周りの大人はどうやって接すれば良いのか?
お知恵を拝借できれば幸いです。
ゆうゆうさん
コメント拝見しました。対応にいろいろ苦慮されていることと思います。
参考になるかどうかわからないけど、とりあえず僕が思いついたことを書いておきます。
状況もいろいろあるだろうから、適切と思われるところだけ取捨選択してね。
それにしてもゆうゆうさん責任感あるね。
「大変な子」ってことで疎外して済ませてしまうこともできるのに、応援してるから無理しないで出来る範囲で対応頑張ってみてね。
このごろ多くなっている自己肯定感の低い親に育てられて、基本的信頼感が形成できていないタイプの子だね。
もちろん子供自身も自己肯定感がとても低いですよね。
さて、こういった子の対応はとても難しい。
根本的には親が対応を変えなければ、子供そのものを変えることはできないからです。
でも、とりあえず適切な対応を大人がとれば、ある状況内では(例えば学校とか、ゆうゆうさんのように学習教室内で)子供の行動を変えていくことは可能です。
ではどうしていけばいいか。
叱ったりすることで、その子が変わらないことはゆうゆうさんもお分かりかと思います。
なぜなら叱ったり、厳しくしたりされることを受け入れられるためには基本的信頼感がなければならないからです。
本来は親子間で幼少時に基本的信頼感が構築され、それが社会性を獲得するにつれて他者へと敷衍して、他者への信頼感となっていきます。
いまその子はどんな人にも信頼感を抱けない状況にあるわけです。
なので、部分的にでも他者が(ここではゆうゆうさんが)作っていかなければなりません。
で、どうしたらそれができるかということが問題になるわけですが、その子がまだ抱っこをせがむということが大きな救いです。
まだ「他者への信頼感を獲得したい」とその子は言えているからです。
これが自分から出せなくなると、対応はもう容易ではなくなります。
しかし、ただ単に抱っこしてあげるだけでは結局キリがないし、どんなに対応しても足りないでしょう。
なので、そこを突破口にして交換条件をだしていきます。
交換条件といっても、いきなり勉強させるとかじゃなくて簡単なこと一緒に楽しめるようなことからしていくといいでしょう。
たとえば、ジャンケンにかったら一回抱っこしてあげるよとか。
そこになにがあるかというと、楽しい「人との関わり」と、「相手が自分の要求に応えてくれる」、「自分の行為に対してよい報い」があるという経験を獲得することができます。
こういったことの積み重ねで相手に対する信頼感を作っていけます。
これがなければその子には勉強をさせるというアプローチもそもそもできないでしょう。
こういう経験をちょっとずつでも積んでいくと、今度はちょっとだけ勉強もしていこうかなという気持ちになるかもしれません。そこでもさっきと同じような、その子の行為に対して報いがあるという(つまり人は自分の行動に対して応えてくれるという経験=信頼)行為を踏襲していきます。
いろんなやり方があると思うけどたとえば、一ページ勉強したらそこにシールを貼ってあげるとかね。
別に女の子が喜ぶようなもので釣るという意味ではないんですよ。
自分の行動に対して人は応えてくれているという目に見える形としての意味があるわけです。
これがひとつのモチベーション作りの対応の参考例です。
↑は子供がまあ前向きになっているときの対応なのだけど
一方で悪態をついたり、人の話を聞こうとしなかったりネガティブになっていることもあるわけですね。
↓はそういう時の対応です。
>「だから何?」「で?」「お前、バカか?」
なぜこういったことを人にいうか? それはその子自身が、実際似たようなことを家庭で言われているからです。
その子自身そういったことを言われていて気持ちいいわけはないのです。
ですが人は自分がされたことを人にするものなので、相手が喜んでいないとわかっていてもしてしまいます。
また、自分がそうされることでたまっている多大なストレスを他者を攻撃することで解消しようとしてしまいます。
では、どう対応していけばいいでしょうか。
まあ、やってみたかもしれないけど、叱ったり怒ったる諭しても相手は喜ぶだけなんだよね。
もうその子くらいになると怒られることでも、だれかが自分に関心を向けてくれること自体快感なんだね。
また相手の感情を揺さぶっているという優越感に浸れるしね。
なのでそういう対応をしてもちっとも子供は変われないので、根本のところに対応をしていきます。
それは最初にその子がそういった対応を親にされているということへの共感です。
例えば >「お前、バカか?」 こういったことを言ってきたら、「そういう風に誰かにいわれたことがあるの?それは嫌だったろうね~」と相手の気持ちを汲むような対応をしてみます。
すぐ改善するとも思えないし、それでもさらに反発してくることも考えられるけど基本的にはこのように、本質的なその子の一次経験にたいする共感をしていくことで、ネガティブ行動へ駆り立てる部分を和らげていくことでしか、その子の前向きな姿というのは引き出せないのではないかと思います。
このような対応と先の信頼感を形成するための対応を両輪として、向き合っていくことで多少なりともその子の良い姿を引き出せていけるでしょうか。
もし、ちょっとでも良い姿があったら、誇張してでもそこを認め・肯定・褒めていくことでさらに前向きな姿へのモチベーションを持たせていくことができるでしょう。
それがうまくいって、さらに進んでいったら簡単な(その子でも余裕でできるような)お手伝い・仕事でもさせてそれに対して感謝を伝えたり褒めたりということもしていけます。
またその子が受け入れられるなら、着ている服でもなんでも褒めたりして、関心をもたれているんだという気持ちを持たせてあげることもいいかもしれません。
最初はそういったことを言われて、一見反発するかもしれないけれど、ほんとはそれでも続けていくといいよ。
まあこういう対応って、やるほうのモチベーションとものすごいストレス耐性がいるから、ゆうゆうさんの出来る範囲で無理なくね。
無理してやっても続かなければ意味はないから、細々とでも続けられる方が効果があるよ。
親子間で基本的信頼感を持てていない子が、もし外部に一人でも信頼感を持てる相手が小さいうちにできればその子の人生は良い方に変われるからね。
でもほんと無理はしないでね。ゆうゆうさんがこれからも子供相手の仕事をしていこうと思っている人だとすると、無理して今後もがんばっていってしまうと燃え尽きてしまうことがあるからね。
また、あなたがやるだけやってそれでも見た目はうまくいかなかったとしても、そうやって応えてあげたことって無駄にはならないから。応援してるからがんばれ~。
ありがとうございます。
まさに保育師おとーちゃんさんが言われる通りの状況で、目から鱗なお話が聞けて、
これから先、自信を持って一貫した対応で、彼女と接する事が出来そうな気がします。
今までは試行錯誤して対応していて、精神的に近づけたかな?と思っても、
次に会った時にはまた遠くに離れて行ってしまってる状況で、どうにもこうにも
困り果てていました。
ちょっとずつでもお互いの信頼関係を築いていける様に、頑張り過ぎないように(笑)、
頑張りたいと思います。
また、迷った時には相談させてくださいね。
本当にありがとうございました。
ネグレクト?と感じる友人ママさんが身近にいて母子で裏目に裏目に出てしまっているのでどうにかならないものかと調べていてここに辿り着きました。
今小学一年生の娘さんなんですが、幼稚園時代から自分の思う通りに行かなかったり、気持ちのままにお友達に当たってしまっていました。その為先生にも度々叱られますが、よくなる気配は感じられませんでした。
現実逃避なのでしょうか?自分の世界に入ってしまう癖もあります。お母さんも自分の世界に入ってしまうと着いていけないと言っています。空想する事が好きだから想像力があるとは思うのですが、ちょっと違う様な気もしてます。
お母さんはうちの子は出来が悪いから12月生まれだからとか、注意しても直らないなど育児には常に悩んでいる様でした。私から見ると過干渉過保護?かなと感じますし、かと言って駄目だと言うわりにどうしたいのかが解らないのでいつも不思議に思います。
そして久しぶりに会って最近小学校での話を聞いたら、
学校から出される宿題のプリントが4月の分から少しづつ溜まっているけど、もう面倒だしいいかな?と悪びれる感じもなく笑って話しているのに、ただただ驚いてしまいました。
いくら小学生になったとは言えまだまだお母さんのサポートは必要ではないのか?と…。
子供にはなんの罪も無いと思うのですが、どういった言葉を掛けてあげたらいいのか…所詮他人の事と言えばそれでまでですが、何かきっかけとなる様な事ってあるのでしょうか?
チョコラテさん
一年生ということはちょうどうちの息子と同じ年なのですが、そのままいくとあとあと大いに困ることになるであろうことははっきりしていますよね。
また、学校ははっきりいいますから、そのような状態だとそのうち呼び出されて改善するように言われたりすると思います。
もし、それでも親が一念発起して改善しようとしなかったり、学校はそこまで対応しないという方針だったりすれば、どんどん子供は落ちこぼれていってしまいます。
自分でやりたいことを見つけられたり、自己肯定感が高い子であれば、それでも自分の道を見つけていくことはできるかもしれませんが、そうでないならば、本当に子供も親もあとでとても大きな問題や後悔・困難にあう可能性は高いでしょう。
そういうことになってしまえば、いま子供に向き合わないでできる楽よりも、はるかに大きなつけをあとで払うことになってしまいます。
とりあえずは「宿題とかいまのうちにきちんとやる習慣付けてあげないと、あとあと不登校とかになっちゃうよ」とか教えてあげるといいかもしれませんね。
ありがとうございます!
そうなんです…やはりそうですよね。保育士おとーちゃん様の仰る通り、未来予想が少なからず見えてしまうので他人事ながら心配になってしまうんです。
他所様のお子様ながらフォローしてあげないと何だかとてもその子が気の毒に思う事が多々あったりと、本当は余計なお世話なんでしょうけど、定期的に顔を会わすとは思うので今言える事は頑張って話してみようと思います。
お母さんの意識が変わるだけでもきっと違うと思って…
保育士おとーちゃん様の育児の姿勢にとても共感する所が沢山、頑張って来て良かったな☆と思えました(*^^*)、(我が娘も一年生です♪)
また心の肥やしを補充するべくBlog、楽しみにしています。
新米保育士です。
はじめまして!
とても為になることばかりで、色々実践させて頂き、息子(一歳9カ月)も口癖は「イヤ」だけど、話せばわかる男になってきました!(成長期はこれからでしょうけど・・・)
ネグレクトされた子がどうなるか、大人になってどうか、はとても考えさせられるものがあります。
私の父がそうなので、私たち子供に対するものは普通の父親ではなかったですね。ま、想い出がいっぱい、というか。
基本は無気力型なんですが、突然意味もなく口をふさがれたりとか、怒ったら壁にナイフ突き刺すとか。
祖母は自分のことにしか興味のない人で、
強烈なエピソードの一つに、父と弟が祖母の目の前だか後ろだかで喧嘩してたらしいんですけど、先日の法事でそのことを親戚がいうと、
「うちの子は喧嘩なんかしたことないわよ~二人ともいい子だったから」と・・・。
とにかく彼女は人に?興味がなかったようで、この記事の例とは違うかもしれませんけど、
息子であった父はどういう思いをしていたのだろう・・・と子育てをするようになってから更に思うようになりました。
また、こどもって何歳になっても母親を求めてるものなんだな、とも思いました。今でも妻より母親が大事!な感じですからね。
教育は一歩間違えれば本当に怖いと思います。
特に母親である女性は時として感情に先走る傾向があるので尚更です。
キーパーソンである私達はそのことを常に肝に銘じていなければ、と思います。
なぜか初投稿にして自分語りみたいになってしまいすみません~
要するにただただ「可愛いね」ってヨシヨシしたらいいだけな気がするのに、それが出来ない人がいるのが・・・。
まあ・・・人には向き不向きがあるってことなんでしょうか。
それならそれで対処してくれ!って思いますけどね。
!
今は子供も三歳になるので、一緒に料理したり公園に行ったりしますがお友達とはうまく遊べません。コメントを見ていて今からでも遅くないと書いてあるので今の時間たくさん子供に愛情をあげたいと思います。
なつさん
また、発達上の問題もあるということですから、なつさん自身のせいというわけではありません。
両方ともだれにでも起こりうることだし、またさけようのないことです。
こういう状況で多くの人が自分を責めてしまうのだけど、自分を責めることは何ひとつプラスになりません。
はっきり言えば、それがさらに問題を大きなものとしてしまいます。
ですから、自分を責めるのはやめてこれからできることに目を向ける方がいいですよ。
No title
ネグレクトということが、わかりました、、、
しかも、保育園での書類で、、、
最低な母親です。家庭の経済状況もあり、朝晩構わず働き確かにこどもの事かまえていませんでした、、、でも、私なりに必死にしてきたつもりです。
その書類をみたとき愕然としました、、、
最低な母親としての張り紙をつけて歩いてたんだと、、、
これがいままでわたしが、してきたいくじなんだなんなと、、、悲しくて、情けなくて、もうどうやって頑張ればいいかわかりません、、、
あーさん
そこで思考停止におちいってしまうことはなんのプラスにもなりません。
できることからでいいので、少しずつ前進してみることをおすすめします。
ただ、このコメントの内容からはなにをもってネグレクトだったというのかわかりません。
仕事などで忙しかったからといってそれは必ずしもネグレクトというわけではないですよ。
ネグレクトを日本語にしようと思えば、「意識的な育児の怠業・放任」ということになると思います。
この定義で考えるならば、そもそもそのつもりがなかったのならば、ネグレクトではありません。
保育園での書類というのもいまひとつよくわかりません。
お子さんの通っている保育園のなんらかの書類ということなのでしょうか?
であるならば、他者の目からそうみえただけということもあるのではないでしょうか。
勉強になりました。
自身が私のカウンセリングをしてくれている方によると
ネグレストにあったいたようです。
私の場合は自分攻撃型ですが。。。
自分が親に怒られすぎて、「死んでしまいたい」そう思うことが
多々ありました。
そのため、こどもにはゆるゆるな子育て。
自分がされていやだったことがしていません。
もちろん、親族には子育てについて非難轟々。
周りの印象は「のんびりした子育てしているお母さん」
そんな感じです。
子どもの駄々には苦労してます。。。。
私からすると、「どうしようもない事にこんだけ駄々をこねれて、若いってすごいな。エネルギーがあるな~」
そのように感じます。
きっと、かまってほしいのね。
そう思って対処してますが、疲れきっているときはかなりの忍耐です。。。
はじめまして( ̄ー ̄)
すみません( ̄ー ̄)
あおいさん
子育てにおいて言えば、子供が親に無理をさせられるのと同様、親が無理をさせられることもないわけです。
どちらかが無理をしていく関係だと、それはいずれどこかで破綻をきたすでしょう。
それでは大概どちらも幸せにはなれません。
だから子育てにおいても、そういうところを模索しつつバランスをとっていけるということが大事になってくるのだろうと思います。
くるみママさん
すぐに大人がうまくやろうと思ってできるというようにはいかないことのほうがおおいでしょう。
幼稚園で同じような子供の経験があったとしても、年齢の上がった子の対応の難しさはさらに倍加しています。
まずは、慣れが必要ですので、
>当面少し離れててとも、言われてます
ということならば、無理せずに見ることによって経験を積んでいくのがいいと思います。
その子に対する教員の対応、その時の態度、その子供の様子、周囲の子供の様子。
また普段からの子供の様子も見守っていくといいでしょう。
可能ならば温かい視線で見守ること。
人は見られているということを、意識せずとも感じ取ります。
「見守る」ことは微量とは言え、その子との信頼関係を作っていきます。
その上でさらに関わるならば、まずはいい部分・関わりやすい部分だけ関わればいいでしょう。
ですが、精神的な負担まで感じているのであれば無理をする必要はないと思います。
頑張って無理をして対応をしても、子供にも大人にもさしていいことはありません。
人には向き不向きがありますから、そこは学校の先生たちもお分かりのことと思います。
くるみままさん
この件に関しては基本的な責任というのは学校にあるわけですから、くるみままさんが気に病むこともありません。
学校側がさらに高度な対応というのをきちんと模索して、しかるべきスキルを高めるなり、しかるべき対応を習得している人を対応にあてなければならないことです。
くるみままさんにおいてお、きっとその経験も無駄にはならないでしょうから、それをこれからの幼稚園でのお仕事や、子育てに生かしていければいいと思います。
いまちょうど幼稚園についての記事を更新中ですが、いま学校ではそういう事態があるんだということを実際を知っている人間が幼稚園にいて、それが少しでもそこでの関わりにフィードバックされていくというのは大いに意味のあることに違いありません。
ありがとうございました
はじめまして
この子の言葉遅れが深刻で、知能テストWISCⅣを受けたところ、IQが73の知的境界域レベルでした。
周囲に身寄り無く、主人も仕事で殆ど不在、休みは一日中寝ているかテレビを観ているかで、独りで子育てしてきました。
ここまで言語確立出来なかったのは、意図的ではないにしろ、ネグレクトに当たるのではないかと調べ此処にたどり着きました。
確かに癇癪持ちで我が強く、やりにくい子だな、とは感じてました。
そこで言う事を聞かない時にパソコンを与えたら静かになったのです。
通算5年間位はパソコン生活でしたでしょうか。
何か一生懸命話そうとしているのですが、何を話しているのか分からないので聞いたフリをして流してきました。
悔いて、泣いて、詫び、子供が知的障がい呼ばわりされるのが可哀想で苦しく毎日泣いてばかりいます。
この3月迄は能面みたいな表情をしていたんですよ。
私、友達居ないんだー。って聞かされた時に愕然としました。
今まで私は何をしていたのか!
改心し、言葉をかけまくりスキンシップを取っています。
ゆっくりではありますが、劇的に言葉数も増えています。
この子は今後、周囲に追いついて行く事は可能なんでしょうか?
ベニオさん
>改心し、言葉をかけまくりスキンシップを取っています。
ゆっくりではありますが、劇的に言葉数も増えています。
というのであれば、そこには大きなポテンシャルがあるということですから、今後大きく成長していく余地があるということでしょう。
>この子は今後、周囲に追いついて行く事は可能なんでしょうか?
追いつくか追いつかないかということで考えたらそれは未知数です。
でも、僕は追いつくことを目標に関わっていかなくてもいいのではないかと思うのです。
確かに気持ちとしては「足りない部分を埋めよう」という気持ちになってしまうけれども、「足りない足りない」で子供を見ていたら、子供は大事なものをおいてきてしまいます。
いまを出発点として、そこに成長があればそれを喜び、認め、親子でともに成長を楽しんで行けばいいと思います。
結果として追いつく追いつかないということは出てくるでしょう。
もし、行った先でなにか足りないものがあったのなら、それはその時に悩めばいいことです。
いまから足りないものばかりを見ていかなくていいのではないでしょうか。
5年かけていまの状況が引き起こされているとしたら、それを戻していくのも5年かかるつもりで、焦らずじっくりと行くといいと思います。
成長というのはどんなときも、一段飛ばしというのはできません。
ゆっくりなようでも一歩一歩進むしかないのです。
それをご自身が受け入れられるかどうかというところが、
>この子は今後、周囲に追いついて行く事は可能なんでしょうか?
これの答えにつながるのではないかと思います。
子供の時の一年二年の成長の遅れなど、大人になってみたときさほどの違いなどないものです。
ヘレン・ケラーは三重苦の状態から、世界中を飛び回って多くの人に講演して回るまでになりました。
お子さんが変わらない理由などどこにもないのではないでしょうか。
戴いたアドバイスはメモし、毎日噛み締めながら真摯に受け止めています。
このアドバイスを励みに子供と共に成長して行こうと思っている所存です。
家族が明るい笑顔に包まれる事を願いながら気長にこの子の成長を待ちます。
フォローや挽回方法
二点お聞きしたいことがあります。
①ネグレクトからのフォロー方法は具体的にどうすればよいのですか?どうすればネグレクトの影響を緩和すればよいのですか?
②保育士から子供が何らかの虐待を受けている疑いを持った時は、親としてどう対応するのがよいのでしょうか?うちは待機児童多い激戦区で下手な対応が出来ないと思うけど、ものも言えない子供にそんな目に遭わせたく無いです。
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保育士さん達は家庭環境など子供たちの行動で分かってしまうんですね~。
私たちは公園などですごく意地悪な子供を見たら
この子の親は~っ!!って思う程度ですが
そしてネグレクトされてしまっている
子供たちが かわいそう過ぎます・・・(;_;)
大人でもそういう事されれば かなり傷つきますもの・・・
どうして そのようになっていってしまうのか・・
悲しいものですね。