プラユキ師とのコラボ講演会を終えて - 2017.01.16 Mon
13時から17時と長丁場の講演会でしたが、ご参加くださったみなさまお疲れ様でした。
「受容」がテーマの講演会ではありましたが、単に話の内容が「受容について」であっただけでなく、会場の空気自体が「受容的」であるという希有な講演会であったと感じました。
これにはプラユキ師のお人柄によるところが大きかったことでしょう。
プラユキ師に直接お話を聴いてもらった方はおわかりになると思いますが、「この人は私がなにを話してもただただ受け止めてくれるのだな」というのを言葉だけでなく、身体でまとっている雰囲気で感じられたことと思います。
内容としては、僕はいつも子育てを具体論にして伝えることを講演では中心にしておりますが、今回はそれをする人の心、つまり親の気持ちのあり方に注目してお話ししました。
いかがでしたでしょうか。
話の感じ方は人それぞれなので、わかりやすかったという方もいれば、わかりにくかったという方もいらっしゃるかもしれません。
ちょっとだけ振り返ってみましょう。
子育てで大人が子供に「あるべき姿」「正しい姿」「できる姿」を望んで関わることは、100点を目指して子育てするようなものになってしまいます。しかし、子供は大人が望むものをいきなり100点になっている子はおらず、100点を望む人の目には子供はつねに「マイナス」「できない」存在として映ってしまうことに。
それは、どれだけ親心や誠意や善意から望んだとしても、子供がもらうメッセージとしては「ああ、僕はダメなんだな」「いまのままでは認めてもらえないんだな」という「否定」のニュアンスになってしまう。
僕からの提案として、そこで一拍だけでいいので「ああ、そうなんだ」を挟んで見て下さいというものでした。
「ああ、そうなんだな。この子の姿はいまこういうところにいるんだな」
と見てあげることで、「否定」のメッセージを「肯定」のメッセージに変えられる。
「ああ、そうなんだ」と一拍ありのままを受け止めることができれば、そこからちょっとしか進歩していなくとも大人はそのちょっとの進歩をプラスであるという気持ちになれます。
しかし、依然として100点を目指したまま子育てをしていたら、ちょっとの進歩をしたところで「ああ、まだこんなに足りないわ」とマイナスのニュアンスで感じてしまいます。
そこに子供は敏感に「否定」のニュアンスを感じることがあり、そのことが子供の成長の意欲をしぼませてしまう場合があります。
実は人がもっとも伸びるのは、「長所を褒めてもらったとき」以上に「短所であっても受け入れてもらったとき」なのです。
それにより、ものごとに取り組もうとする意欲、成長のモチベーションを子供は培うことができます。
これは大人だって同様です。
ほんの一部の抜粋ですが、そんなことをお伝えしました。
さて、この話がプラユキ師の瞑想のワークショップと通奏低音で共通していることに気がついた方もいらっしゃるかもしれません。
手動瞑想で手を動かす度に「いまここ」と確かめる。
過去の嫌なことや、将来の心配が心に浮かんできてしまったときも、「いまここ」と気持ちを「いま」に戻してみる。
「いまここ」「いまここ」と。
僕が伝えていることも、子供の姿を見たときに「将来なるべき姿」などではなく、「ああ、そうなんだ」と「いま」に意識をもってくることで、「ありのままを受け止められる」心を大人の方が準備できるわけですね。
別の話のはずなのにまったく同じと言ってもいい構造を持っている。なんとも不思議ですね。
プラユキ師のお話や、瞑想の方法についてご興味ある方は『苦しまなくて、いいんだよ』をお読みになってみて下さい。わかりやすく書かれております。
今回の講演では僕の方もたくさんのメッセージを直接・間接にいただきました。
講演が始まる前から泣かされたのは今回が初めてです。(笑)
あらためて、参加された方、ご協力下さった方には「ありがとう」とお伝えしたいと思います。
今回、アンケートなどを用意しておりませんでしたので、参加された方もそうでない方も、ご意見ご感想などありましたらどうぞこの記事のコメント欄にお寄せになって下さい。
また、再度このような企画があったら参加したいかどうかなども書いて下されば、僕から主催者の方にお伝えします。
どうぞよろしくお願いします。
new:主催者の方からのイベントレポートがこくちーずにUP(←クリックでリンク先)されました。
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● COMMENT ●
サイコーでした!
良かったです。
いつもブログや本を読ませて頂いている身としては、おとーちゃんさんにお会いできただけで嬉しかったです。家庭で安心して過ごせない子がいるという話では、自分がそうだったなぁと少し辛い気持ちに…。親になっても、一生子どもでもあるのだなと思いました。上手く言えませんが。
プラユキ氏のお話は私には少し難しかったですが(子どものお世話しながら聞いていたので特に)優しさを身にまとった素敵な方だなと思いました。
お二人の話を聞き、自分の子育てに対する考え方が間違っていなそうと再確認できた気がします。また、職場での後輩指導にも活かせそうな気がします。
こういう講演会、またあればもちろん参加したいです。
お箸の持ち方
こちらのブログ&本には大変お世話になっています。
今4歳の娘への箸の持ち方で悩んでいます。
可能であればいつかお箸の持ち方への教え方について書いて頂けないでしょうか。
今年4歳の娘は幼稚園デビューします。年中からです。
その幼稚園から給食はお箸で食べるので使えるようにして来てください。と言われました。
私としては小学生になってから覚えればいいかな〜と思っていたのでこれまで全く教えていませんでした。
とりあえずお箸で食べさせてみたのですが教え方が難しい。
今は食事に使うのはやめて遊びの中で教えてます。が、上手く握れず嫌がります。この位の年齢なら握り箸等、上手く持てなくてもそこまで厳正しく直させなくて良いのでしょうか?
周りの子は殆ど年少から通っててお箸にも慣れてます。その中にいきなり入り周りについて行けず自信を無くしたら可哀想だなと思うと心配になってしまいます。それにお箸は一度変なクセがついてしまうと直すのが難しいのでは?とも思いどうやって教えればいいのか悩んでいます。
お時間があるときお箸について書いて頂けないでしょうか?
宜しくお願い致します。
講演会の感想
参加して良かったと思いました。
お父ちゃんさんのお人柄が実際にお会いできて伝わってきて、それも嬉しかったですし、もちろん内容も充実していました。
お父ちゃんさんも書かれていますが、参加した側からしても会場全体が需要的な雰囲気に包まれていたと思います。
現地に到着するまでは、子供を連れての講演会って、どんか雰囲気なのか不安でした。普段の外出なら、途中で子供が活動を始めたら冷や汗を出しながら外へ連れ出し、何をしに出かけたか目的を忘れてしまうことも多いですが、さすが皆さん需要の考え方をご存知の方達なので、皆んな暖かく子供達を見守ってくれているように感じました。世の中全体がそうであればいいのに、と思いました。
あとは、主催者さんの会場選びが素晴らしかったと思います。同じフロアに遊び場があったり、一つ下の階に100円均一があったり。駅からも近くて便利でした。
講演内容で、個性の尊重って本当はマイナスの個性を受け入れることなんじゃないかと、おっしゃられていたのが印象に残っています。
あとは、子供を厳しい目でみたり、厳しく躾けるのは親自身が、そのまた親から叱られた時の怒りを思い出してぶつけてる、という話。確かイジメの話でおっしゃっていましたが、なるほどと思いました。
寛容さが無い親が厳しく育てた子達は、他の子のマイナス面も受け入れられないでイジメをして、大人になってからは子供に厳しく接する、そんな流れはあるのかもしれないですね。
私は現状、自分の子供がまっすぐに育ってはいないので毎日どうしても小言を言わざるを得ないんですが(他人に迷惑をかけることばかりしているので)、子供にとって家は安らげる場所にしてあげたいなと思いました。
右端の最前列で、息子2人と母と私で講演会に参加させていただきました。
本当に有意義な時間でした。秋田から遥々参加させていただけて本当に良かったです。
いつも講演会の情報を目にしては、『遠いなぁ…』『子供に負担かかるかなぁ…』など考えてしまって申し込みを躊躇していました。母の後押しもあって皆で参加できることができて良かったです。
主催者の方には、直前の申し込みにも関わらず快く対応していただき本当に感謝しています。
場所も駅にも近く、屋上にすてきな遊び場まであり、とても良かったです。
本やblogで受容の大切さは、理解していたつもりでしたがなかなか実践は難しくて……。
『あぁ、そんなんだね』っと言う肯定も知ってはいるのに難しくてなかなか実際にはできていませんでした。
でも、講演会を聞いて実際におとーちゃんさんからお話を聞いたら、何故かすんなり入ってきて… 帰りの新幹線の中でも、秋田に戻ってからも、『あぁ、そうなんだね~』がうまく使えて自分でも驚いています。
今までも子供たちのことは、可愛いかったですが講演会の後は、本当に可愛くて可愛くて。
難しい姿
子育て間違えてないよって言ってもらえた気がして。
とても励みになりました。
過保護・過干渉で育ってきた生育歴があって、自分も子供にそうしてしまってるんじゃないか?? 本当にこれで自分の子育てあってるんだろうかと時々不安になっていました。
子育てに正解はないし、子供たちの成長の結果は今でるわけじゃないので、余計にこれでいいのか?って不安になるのかもしれませんね…。
時々迷うこともあると思いますが、おとーちゃんさんのblogや本を読み返して、子供たちと一緒に成長していくつもりで、自分の考えに自信を持って育児していきたいなぁと思いました。
本当にありがとうございました。
講演会の感想
難しい姿…の後は以下です。
難しい姿が出ても『あぁそうなんだね』というのがうまく使えると、自分自身にも余裕ができてイライラせずに子供たちに接することができました。
プラユキ師の講演で印象に残っているのが、願い悲しみ&切なさ怒です。このサイクルを理解してることですべて解決してしまうんでは??っと思ったほどでした。
子育てだけにとどまらず、他者との関わり、家族、夫婦においても活用できるんだなぁと思いました。
子供が泣いてイライラしてしまうこともありましたが、『この子は、何に怒り泣いているのだろうか…?』『根本にある願いは何なのだろう…』と考える余裕すらうまれました。
講演会の感想
直接おとーちゃんに会えたら聞きたいと思っていたこともあったのに、いざお会いすることができたら緊張してしまいお話に行くことすらできませんでしたが(笑)、終わりがけにおとーちゃんさんの方からお声をかけていただいて本当に嬉しかったです。
私の勝手な解釈なのですが…、『穏やかなお子さんたちですね~』『保育園にいたらオアシスのような存在だ』と言っていただいて本当に嬉しくて…。
おとーちゃん、想像通りの優しさ溢れる方で
プラユキさんと同じようなオーラを出してました。
お話しもとても聞きやすくてためになりましたー!
主催者の方もおっしゃられていましたが
会場自体が優しくて受容的な雰囲気で、
さらに優しいお二人が講師で、いやされる空間となっていました。
最後に質問を受け付けてくださっていたので、
長男に療育を受けさせるか悩んでいる事をお話しさせてもらいました。
なんとなーく、グレーな雰囲気の息子。
でも、私たち夫婦にとってみては
個性的でかわいいと思える、「個性の範疇」ですが、
保育園での助言、そして発達相談の結果、
まぁ受けて悪い事はないから…と、療育を受ける流れになっています。
今回の本文にも書かれていますが
『「いまのままでは認めてもらえないんだな」
という「否定」のニュアンスになってしまう』
↑というような事になってしまうのかな?と迷いを感じていました。
気軽に、やってみたらいいよ!
いやだったら止めたらいい。
個性を潰すような、そういう事はされないと思うよ!
と、言って頂けて、単純ですが、あ、そうか。とホッとしました。
親の意識として「今がダメだからなおさなければ!」
という思いの元に療育を受けさせる訳ではないのだから、
否定にはならないのだと気づきました。
なんだか、とても当たり前な事なのに、気づけない。
ブログや本を拝見し、自分なりに受容を分かった気になっているけど
全然 心から分かってないんですね…。
おとーちゃん、どうもありがとうございました。
息子が変わりました
ブログはずっと読んでいましたが、直接お話を聞くとすっと心に落ちてくるものがありました。
私は長男がマイペースすぎることを気にしていましたが、それが長男からみると自分を否定されているように感じていたのだと気づきました。
長男がマイペースでも、まずは「あ~そうなんだ」と今の状態を受け止める、ということを実践しよう!と思ったら、実践する間もなく長男が激変しました。
全体的にワンランクアップしたかんじです。
講演会の2日後の月曜日の朝。
いつもなら何度も声をかけてやっと歯磨きをする、おもちゃを片付けて保育園に行く支度をする、という感じなのに、この日は何も言われないのにすぐ歯磨きをし、一度声をかけたらサッとおもちゃを片付け、玄関に行って身支度。
いつもは15分ぐらいかかることを、5分もせずに終わらせました。
帰宅後もこんな感じですぐにやるべき事を終わらせてくれて、何が起こったのかと、本当にびっくりしました。
弟にもいつもより優しいし、お手伝いもしてくれるし、元気で楽しそう。
数日で元に戻るかな?と思っていたのですが、1週間経つ今も、講演会直後ほどではありませんが、何をするにしてもサッとやってくれています。
眠かったり疲れていたりでぐずぐずする時も、以前は私がイライラしてしまっていたのですが、「今日は甘えん坊の日なのね」と受け止めてみるとすごくうれしそうな顔をしてくれます。
その後、甘えを無理のない程度に受け止めてあげると、自分から立ち直って気持ちを切り替えてくれ、ぐずぐずを引きずらなくなりました。
「受け止める」というだけで、こんなに変わるものなのかとびっくりしました。
ぐずぐずしている時にそれを受け止めると際限なく甘えてきそうが気がして、以前は受け止め切れていなかったのですが、「受け止める=好きなだけ甘えさせる」ではないのですよね。
心は全部受け止める、でも、こちらが負担になるような要求は断る。
このあたりのさじ加減が、なんとなくわかったような気がします。
今、「息子がワンランクアップ → たくさん誉める、ありがとうを言う → モチベーションアップ」のプラスの循環の中にいます。
このプラスの循環を壊さず、モチベーションの高い状態を維持していきたいです。
ありがとうございました!
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子供が時でもない時に「お母さん嫌い」って言ってくるんですけど、なんて質問もあって「あ、これおとーちゃんのブログで、安心して嫌いって言えるくらいに関係がいいということだから気にすんな」的に解説していたなあと思っていたら回答者はまさかのプラユキさんだったり、その回答もまた「ショックな事を言われた時」全般に応用できる根本的な内容だったり、「じゃあどんなお母さんだったら好きなの?」という問いかけもすっごいいいわぁと思いました。
オープンマインドなおふたりがお互いに添うように関わって、受容的な振る舞いのお手本みたい。
主催者さんは一般の方で、企画運営の経験が特にあるわけでもなく、ただほんとに「見たいけど誰もやってくれないから自分で」という純粋な思いから行動されたようですね。その勇気と行動力に感じ入ります。おかげで充実した時間を過ごせました。ありがとうと言いたいです。
また行きたいなー