子育てをシンプルに vol.3 - 2017.02.04 Sat
締め切りのある原稿の仕事もけっこうプレッシャーですが、数字を扱うのが苦手な僕にとってこれはとてもしんどい作業です。それでもいまは会計ソフトがあるのでなんとかなっていますが、これのない時代だったらとてもじゃないけどお手上げです・・・・・・。
さて、vol.2からの続きです。
前回は「かわいがること」で形成される「他者への信頼感」をお話ししました。
「かわいがること」には他にも生み出すものがあります。
●成長への意欲、ものごとへ取り組むモチベーション、自信
子供からすると「かわいがられること」はそのまま「肯定」になっています。
普段から日常的に「かわいがられること」によって、肯定がたくさん積み重ねられることになります。
この状態にある子供はとても意欲的です。
僕が繰り返しお伝えしている「受容」にあたる行為ですね。
意欲的であるのは、遊びや生活面だけに留まりません。
成長そのものにも意欲的になるのです。
ちょっと逆の場合を考えてみましょう。
「受容」は子供のもつ本来的な欲求と言えます。
それがもらえない状態の子は、なんとかしてそれをもらわなければという焦燥に駆られます。
すると、そこで大人を困らせたり、大人からすると注意しなければならない姿が増えてきます。
子供の行動のベクトルがそちらに向いてしまって、前向きな成長に回す余裕がどんどん失われてしまいます。
「かわいがること」=「受容」=「肯定」によって、子供は無理なく成長の課題に自分から取り組み前進していくことができます。
その子は、そこに自分でも達成感を感じることができ、さらに普段からかわいがらってくれる人たちもその成長に気づき認めてもらえるので、好循環となっていきます。
大人が子供に「~~できるようにしなければ」「○○の能力を持たせなければ」、「~~の決まりを守れる子にしなければ」などのことは、そこを大人が過干渉をして子供に刷り込むような必要もなく「かわいがること」を基礎として身につけていくメカニズムを持っているのです。
●自己肯定感→生きる力
「かわいがられること」は短期的に見れば上のように、遊びや生活、そして成長への意欲と言うことができますが、人生という長いスパンでみたときそれは「自己肯定感」になっていきます。
屈託なく、自分に自信を持って生きられる下地が、幼少期の「かわいがられること」に端を発していると考えていいと思います。
「かわいがる」というありきたりにも見えるこのことは、その子が大人になった後も「生きる力」としてその人のあり方に反映していくわけです。
これらゆえに、子育てのたったひとつの大切なことは「かわいがること」であると言えるわけです。
こちらの子育て座談会はまだ若干名の空きがあるそうです。
子育てで心配していることや悩んでいることを僕に聞いてくれてもいいですし、一緒に子育てしている人と話してみるのもいいものです。また、他の人がどんなことで心配しているとか、「その年齢にはそんな悩みも出てくるのね」と言ったことを実体験として耳にするのもプラスになることだと思います。
よろしければ一緒にランチをいただきながらざっくばらんなところでいろいろお話してみましょう。
こういう場だとみなさん緊張してしまわれるのだけど、どうぞ気楽な気持ちでいらしてください。
全然構えなくて大丈夫だと思います。
2月11日(祝)保育士おとーちゃんと紡ぐ Café
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● COMMENT ●
かわいくない
今、保育士の資格を取ろうと勉強中なのですが、参考書以外にも色々と本を読んでいて、現在はアリス・ミラーの「魂の殺人」という本を読んでいるのですが、保育士おとーちゃんはこの本をご存じでしょうか?
冒頭の「いわゆる闇教育」という項目を読んでいたら、昔はこんなことがまかり通っていたのかと暗い気持ちになりました。もしかしたら、今の保育、教育現場でも、まだこの考え方が残っていたらと思うと、子どもに対して受容的であろうとする保護者には辛いものがあるなあと思った次第です。
ななしさん
> 可愛がる気持ちがわきません。診療内科で治療でしょうか
「子供をかわいいと思えない」「かわいがる気持ちがわかない」「かがいがるということがわからない」といったことは実は珍しいことではありません。
それが必ずしも悪いことではないし、その問題を解決もしくはフォロー・軽減していくことも可能です。
心療内科が効果的かどうかはわかりませんが、ある種のカウンセリングでラクになる場合もあります。
クロワッサンさん
これは連鎖するからです。
保育・教育現場以前に家庭において連鎖していますので、必然的にそういった場にも持ち込まれています。
科学や技術は進歩しても、人間の心のメカニズムは変化しないものなのかもしれません。
育児の悩みにしても、保育・教育現場の問題にしても結局のところ背景にこの問題に行き当たります。
僕はそこに「怒り」というキーワードを見いだします。
なんとかそれを少しでも軽減していける方法をいまも模索しています。
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可愛がる気持ちがわきません。診療内科で治療でしょうか