排泄の自立に際しての関わり Vol.1 - 2013.06.21 Fri
僕はこの「排泄の自立」のカテゴリの記事においても、直接的に「おむつを取る方法」みたいなものを書いているわけではありません。
ほとんどの内容が、排泄を自立させるときに、多くの人が知らないままはまってしまう落とし穴についての注意点を書いているといった具合でしょうか。
また、こういった排泄へのアプローチというものも、子供によりその大人により、差はさまざまです。
なので、具体的に書いたとしても、人それぞれでそのとおりにうまくいくというものでもありません。
それと「こうすれば取れるのだ」と勘違いされてしまうことで、より気にかけて欲しいところの先の注意点の方がおろそかになってしまうことも心配です。
基本的には誰しもがいずれは取れるものなのです。
なので、気をつけなければならない点にだけは知っておいてもらいたいと考えています。
ですが、具体的なアプローチにおいても注意するところというのはあるので、その点について今回書き加えようかと思います。
ただし、これは「こうすればとれる」というものでも、「具体的なトイレットトレーニングの仕方」というものでもありませんので、そこはご理解の上読んでください。
排泄の自立への過程で、しばしばこじらせてしまう原因の大きなものは「プレッシャー」です。
「おしっこが溜められる」というたったひとつの能力だけで、排泄が確立するわけではありません。
それを知覚する感覚だとか、人に伝えるためのコミュニケーションの力、言葉を選び、声にだして伝える力。
大人から見れば、「もうこの子はおしっこを教えることができるようになったわ」という認識も、実は夢中で遊んでいたら気づかない程度の発達具合ということもあります。
排泄が自立できるためには、様々な力・能力が伸びていなければなりません。
それもそこそこ高度なレベルまでの発達がいるものです。
それらの総合的な結果として、自立があるのですから、子供にとって簡単にうまくいかないことだって当然あります。
できるようになったと見えて、実はその時がたまたまだったのかもしれないし、できていたことができなくなることだって小さい子にはよくあることです。
そういうところに、許容範囲以上にプレッシャーをかけてしまうのはあまりいい結果をうみません。
過去記事にあるように、性格形成に響いたりすることもありますし、排泄の経験そのものが「嫌なもの」と感じるようになって、ずっとあとまで無関心や消極的になったりすることもあります。
ですので、親の「あせり」「プレッシャー」は排泄の自立において、あまりいいものではありません。
『子育ての時間制限』の過去記事にあるように、どうしても外さなければならない理由があるのでなければ、余裕を持ってできるだけプレッシャーにならない形で排泄の自立に向けていって欲しいと思います。
ちょうど前の記事において、1、2歳時期の子育てのふたつの大事なことについて書きました。
このふたつは子供の成長の基礎になるものですので、排泄にも無関係ではありません。
これらが足りていない子に、いくらトイレの仕方だけ仕込んだところで、なかなかプラスにはなりません。排泄を身につけさせようとするよりも、まずはそういった心の部分を作っていくことが大事でしょう。
排泄の自立がうまくいかない事の背景には、子供自身のことよりも、親のあり方が影響していることも多いです。
例えば、おむつを早く取らなければと考えている人は、早いうちからいわゆるトイレットトレーニングを子供にしようとします。
このとき、子供の身体的・精神的な成長が一定のところまで進んでいればいいですが、そうでない場合は、失敗をする期間というのが当然ながら長く続くことになります。
この間、排泄に直接関わる時だけでなく、遊んでいるときや、外出する時なども、なんだかんだと排泄に対してのプレッシャーをかけられることとなります。
また、失敗する期間が長ければ、大人の方も余裕が失われてくることもあります。
失敗されてイライラしてしまうこともでてくるでしょうし、言葉や顔に出さなくとも子供は、親の残念そうな様子、大変そうなイヤイヤそうな様子も感じます。
そういうものは出来るだけ少ないほうがいいと思うのです。
ですので、この移行期の失敗してもいい期間というのは、親がというか、その人が失敗されても余裕をもって対応できる時間内であるのが望ましいのです。
あせっておむつを外そうとする人ほど、あせっているので余裕がないにも関わらず、早めにそれを始めてしまうので、この期間が長いことになってしまっています。
力を十分貯めてから移行に臨むのがよいでしょう。
つまり、自立への移行は子供の発達の様子だけでなく「これだけしっかり育ってきた、今からなら排泄が自立するまで、余裕を持って自分が臨めるだろう」という、親自身の気持ちの見極めも大事かなと思います。
そう言う意味では、もし「自分はすぐイライラしてしまう」というタイプの人だったら、できそうでもすぐおむつをはずさず、もう少し余裕を見てからでもいいかもしれませんね。
大人も排泄の移行にあたってストレスが少なければ、子供もそれだけプレッシャーなどのマイナス面が少ないということですから。
子供の発達がゆっくりだったりして、結果的に時間がかかってしまったりすることはしょうがないことです。
それはいいのですが、せめて大人のあせりで無理な時点から始めて子供に負担を強いる期間を長くしてしまうのは、言ってみれば「避けられるリスク」です。こういうところも排泄の自立にまつわる難しい問題かなと思います。
「早くにトイレットトレーニングをすれば早くにおむつがはずれる」というものでは必ずしもないわけです。
場合によっては、むしろ長引かせてしまう場合ということすらあります。
「長引く」にもいろいろあります。
全体的に排泄の自立が遅れるというものもあれば、日中の意識的な時間はクリアできるけど、夜尿が続くという風になることもあるでしょう。
幼稚園に通わせるなどで、とにかく日中はおむつがはずれないと困るというようなこともあるでしょうから、必要に応じて排泄の自立を促すということはあるかもしれませんが、できるならばすんなりと自立できてしまう方がいいのは多くの人の望むところでしょう。
そのためにもやはりあせりは禁物と思います。
考えてみれば当然のことなのだけど、みなさん忘れてしまうことがあるので書いておきます。
それは、
・排泄の自立の仕方はみんな違う
・マニュアル通りにはいかない
ということです。
おしっこから自立する子もいれば、大便のほうが先にわかってトイレでできるようになる子もいます。
自立の年齢だってみんなちがうし、昼間はわかるようになったのが早かったけど、睡眠中はなかなかおむつが取れない子というのだってあります。
「おしっこができてから、うんちができて、それからおねしょがなおる」そんな風に漠然と考えていて、それと違うからといって慌てたり、焦ったりする必要もありません。
そういうものなのです。
長くなってしまったので、また次回に続きます。
ほとんどの内容が、排泄を自立させるときに、多くの人が知らないままはまってしまう落とし穴についての注意点を書いているといった具合でしょうか。
また、こういった排泄へのアプローチというものも、子供によりその大人により、差はさまざまです。
なので、具体的に書いたとしても、人それぞれでそのとおりにうまくいくというものでもありません。
それと「こうすれば取れるのだ」と勘違いされてしまうことで、より気にかけて欲しいところの先の注意点の方がおろそかになってしまうことも心配です。
基本的には誰しもがいずれは取れるものなのです。
なので、気をつけなければならない点にだけは知っておいてもらいたいと考えています。
ですが、具体的なアプローチにおいても注意するところというのはあるので、その点について今回書き加えようかと思います。
ただし、これは「こうすればとれる」というものでも、「具体的なトイレットトレーニングの仕方」というものでもありませんので、そこはご理解の上読んでください。
排泄の自立への過程で、しばしばこじらせてしまう原因の大きなものは「プレッシャー」です。
「おしっこが溜められる」というたったひとつの能力だけで、排泄が確立するわけではありません。
それを知覚する感覚だとか、人に伝えるためのコミュニケーションの力、言葉を選び、声にだして伝える力。
大人から見れば、「もうこの子はおしっこを教えることができるようになったわ」という認識も、実は夢中で遊んでいたら気づかない程度の発達具合ということもあります。
排泄が自立できるためには、様々な力・能力が伸びていなければなりません。
それもそこそこ高度なレベルまでの発達がいるものです。
それらの総合的な結果として、自立があるのですから、子供にとって簡単にうまくいかないことだって当然あります。
できるようになったと見えて、実はその時がたまたまだったのかもしれないし、できていたことができなくなることだって小さい子にはよくあることです。
そういうところに、許容範囲以上にプレッシャーをかけてしまうのはあまりいい結果をうみません。
過去記事にあるように、性格形成に響いたりすることもありますし、排泄の経験そのものが「嫌なもの」と感じるようになって、ずっとあとまで無関心や消極的になったりすることもあります。
ですので、親の「あせり」「プレッシャー」は排泄の自立において、あまりいいものではありません。
『子育ての時間制限』の過去記事にあるように、どうしても外さなければならない理由があるのでなければ、余裕を持ってできるだけプレッシャーにならない形で排泄の自立に向けていって欲しいと思います。
ちょうど前の記事において、1、2歳時期の子育てのふたつの大事なことについて書きました。
このふたつは子供の成長の基礎になるものですので、排泄にも無関係ではありません。
これらが足りていない子に、いくらトイレの仕方だけ仕込んだところで、なかなかプラスにはなりません。排泄を身につけさせようとするよりも、まずはそういった心の部分を作っていくことが大事でしょう。
排泄の自立がうまくいかない事の背景には、子供自身のことよりも、親のあり方が影響していることも多いです。
例えば、おむつを早く取らなければと考えている人は、早いうちからいわゆるトイレットトレーニングを子供にしようとします。
このとき、子供の身体的・精神的な成長が一定のところまで進んでいればいいですが、そうでない場合は、失敗をする期間というのが当然ながら長く続くことになります。
この間、排泄に直接関わる時だけでなく、遊んでいるときや、外出する時なども、なんだかんだと排泄に対してのプレッシャーをかけられることとなります。
また、失敗する期間が長ければ、大人の方も余裕が失われてくることもあります。
失敗されてイライラしてしまうこともでてくるでしょうし、言葉や顔に出さなくとも子供は、親の残念そうな様子、大変そうなイヤイヤそうな様子も感じます。
そういうものは出来るだけ少ないほうがいいと思うのです。
ですので、この移行期の失敗してもいい期間というのは、親がというか、その人が失敗されても余裕をもって対応できる時間内であるのが望ましいのです。
あせっておむつを外そうとする人ほど、あせっているので余裕がないにも関わらず、早めにそれを始めてしまうので、この期間が長いことになってしまっています。
力を十分貯めてから移行に臨むのがよいでしょう。
つまり、自立への移行は子供の発達の様子だけでなく「これだけしっかり育ってきた、今からなら排泄が自立するまで、余裕を持って自分が臨めるだろう」という、親自身の気持ちの見極めも大事かなと思います。
そう言う意味では、もし「自分はすぐイライラしてしまう」というタイプの人だったら、できそうでもすぐおむつをはずさず、もう少し余裕を見てからでもいいかもしれませんね。
大人も排泄の移行にあたってストレスが少なければ、子供もそれだけプレッシャーなどのマイナス面が少ないということですから。
子供の発達がゆっくりだったりして、結果的に時間がかかってしまったりすることはしょうがないことです。
それはいいのですが、せめて大人のあせりで無理な時点から始めて子供に負担を強いる期間を長くしてしまうのは、言ってみれば「避けられるリスク」です。こういうところも排泄の自立にまつわる難しい問題かなと思います。
「早くにトイレットトレーニングをすれば早くにおむつがはずれる」というものでは必ずしもないわけです。
場合によっては、むしろ長引かせてしまう場合ということすらあります。
「長引く」にもいろいろあります。
全体的に排泄の自立が遅れるというものもあれば、日中の意識的な時間はクリアできるけど、夜尿が続くという風になることもあるでしょう。
幼稚園に通わせるなどで、とにかく日中はおむつがはずれないと困るというようなこともあるでしょうから、必要に応じて排泄の自立を促すということはあるかもしれませんが、できるならばすんなりと自立できてしまう方がいいのは多くの人の望むところでしょう。
そのためにもやはりあせりは禁物と思います。
考えてみれば当然のことなのだけど、みなさん忘れてしまうことがあるので書いておきます。
それは、
・排泄の自立の仕方はみんな違う
・マニュアル通りにはいかない
ということです。
おしっこから自立する子もいれば、大便のほうが先にわかってトイレでできるようになる子もいます。
自立の年齢だってみんなちがうし、昼間はわかるようになったのが早かったけど、睡眠中はなかなかおむつが取れない子というのだってあります。
「おしっこができてから、うんちができて、それからおねしょがなおる」そんな風に漠然と考えていて、それと違うからといって慌てたり、焦ったりする必要もありません。
そういうものなのです。
長くなってしまったので、また次回に続きます。
| 2013-06-21 | 排泄の自立 | Comment : 13 | トラックバック : 0 |
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