性教育と子育ての問題 vol.3 薄めた毒 - 2020.05.20 Wed
「お姉さん、どんなパンツはいているの?」
このセリフを成人男性に言わせたら、どストライクのセクシャルハラスメントになる。
それを子供のキャラクターに言わせることで、それを薄めジョークにしている。
これは本来はアウト。
薄めたところでセクハラはセクハラ。
ただ、ジェンダーギャップの大きい日本という社会の中ではこれがまかり通ってしまう。
『クレヨンしんちゃん』はもともと青年漫画雑誌である『アクション』に掲載されていたもの。
子供向け、ファミリー向けの作品に路線変更した時点でこうした点にも配慮できればよかったのだろうが、それができていない。
(コメントにもあったが、問題点を指摘すると「良い話もあるので見て」という弁護がしばしばなされる。
良い話があるかどうかは、ここで指摘することとはまったく別問題。良い話があったとしても、性的なリテラシーに反することが許容されるわけではない。
「良い作品が作れるのならば性的なリテラシーを理解した上で作ればよかったですね」と社会的に認知されることが必要だろう)
また、同作品のなかでは、父子で自身の股間を「ぞうさん」と言って露出するシーンも描かれる。
これもアウト。
・女性に対してのセクハラ表現 → 他者を性的に扱ってよい
・男性である自身の性的開示 → 自身を性的に扱ってよい
こうした理解を受け手は、すでに認識している、または自身の価値観としていくことになる。
子供向けの作品として、こうしたメッセージが含まれているのは、毒を薄めて飲まされ続けることになる。
それに慣れていけば、やがては自分がその毒を出す側になってしまう。
こうしたセクハラを薄める手法としては、女性キャラクターにセクハラ行為をさせること、言わせることもストレートなセクハラを回避し毒を薄める方法としてある。
深夜に放送される大人向けに作られているアニメには、これが多く用いられている。
薄めた毒を飲み続けていると、何が毒なのかがわからなくなってしまう問題がここにはある。
こうしたことが、一般的なコンテンツに無自覚に使われているのが日本の現状。
テレビ番組などで一般男性の入浴シーンに股間だけ隠す加工が入って放送されるのにも、問題が指摘できる。これは、男性は性的に軽く扱ってよいという社会認識につながる。
人が自身の性を大切にすること、プライバシーを主張することは生きていく上でとても大切なこと。
現代では、子供を性加害から守るためにも、こうした自身の性を大切にすることを幼児の内から伝えていくことが重視されている。
しかし、メディアやその背景にある社会認識のそれに反している現状が大きくたちはだかっている。
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でも、幼いうちの子どもたちもテレビの影響がかなり大きくすぐに真似したり、テレビで出てきた怪物を信じたりするほどなので、
性的な部分も知らないうちにインスパイアされているんだと知るコとができました。
今はYouTubeなどでも子どものものを選んで見てても気持ち悪い動画などが見てしまうこともありホントに色々気を付けたいなと感じています。