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2018-10

本当に「友達を作る」「他者と協調する」ためには - 2018.04.14 Sat

中学校の話からのからみで、このところずっと書いております。

人は注意や、指示や干渉で伝えたことで子供が成長するという「錯覚」を持っていますが、実のところこういった言葉は、補助的に効果を発することはあるにしても、実は子供の姿が形成されるにおいて、主ではありません。
では、子供が成長を獲得するときの基本的なことを振り返ってみましょう。




それは、「人は、自分がされたことを他者にする」

ということです。
つまりは、言葉(=伝えられた概念)よりも、そのときの経験が優先されるということです。
それはプラスのことにもマイナスのことにも共通します。

例えば、
他者から、たくさん優しく関わってもらった経験のある子は、他者に優しくすることを覚えます。

他者に叩かれたことのある子は、他者を叩くことを学習します。


「親に口答えするんじゃない!」と親に叩かれたことのある子は、なにか理由をつければ他者を叩いていいということを、このとき身につけます。
さらには、そのとき「親に口答えしてはならない」ことを学ぶわけではなく、厳密には「親に口答えととらえられる行動をすると親を怒らせる」ことと、「親が怒ると叩かれること」を経験的に学んでいるわけです。

そのように子供が学ぶのは意図された概念よりもそのとき行われた行動なのです。



それを踏まえると、本当の意味で他者と良好な交友関係を持つ(=友達を作る)、他者と協調するといったことを子供に身につけさせるために取るべき手段は明確です。

まず先に、個としての自己が尊重されることを経験する必要があります。
その結果、個である存在が、他者を尊重することができるようになり、そこから健全な交友関係や協調が生まれるのです。

それは当然ながら、「仲良くしなさい」という圧力を受けることではありません。
しかし、日本の子育て・教育の中では、無自覚にそれが行われます。
子供を均質化し、集団から逸脱しないことをもって「協調」とみなすのは、教育の理念の理解が非常に浅いと言わざるを得ません。


まあケガの功名のようなもので、理不尽な大人の関わりに連帯して耐えたことで、友達との関係が生まれるなんていうこともあるようですが、もちろん、それは教育の目指すところではありませんね。



もし、学校が本質的な成長として、子供の協調性を重視したいのであれば、個の尊重の概念から出発しなければなりません。

いきなり、「友達を作るのはよいこと、正しいこと」「協調するのはよいこと、正しいこと」という頭ごなしのアプローチをしても、それはうわべの「できた」を一時的に作るに過ぎません。

しかし、それを山ほどしてしまうことにより、子供たちは支配・管理されることの抑圧・ストレスを過剰に受け、集団生活におけるさまざまな行き違いを持たされることになってしまいます。


・大人(学校)が思い描くようなステレオタイプの他者との交流関係が苦手な子が追いやられてしまう孤立、いわゆる「ぼっち」状態。


・他者と交流関係を持つプレッシャーから、過剰に「頑張って」他者と関わる、「うわべの友達」。
この「うわべの友達」は、孤立を恐れるあまりの反動から生まれた「意に染まない他者との関係」である場合もあります。


これは集団によるいじめの遠因になっています。
自分自身が、他者から孤立してしまうのが怖いので、影響力の強いいじめ側の子に同調して、自身はいじめをする理由を持っていないにもかかわらず、いじめに加担するケースです。

これとても多いです。
これゆえに、あるときまさか想像もしていなかった「我が子がいじめの加害側のグループにいる」という事態に直面することもあります。このときの保護者の驚きは相当なものです。

たしかに、驚くのももっともなのです。
その人の子育てはなにも問題があったわけでもないし、その子もいじめをするような問題を抱えているわけではない。しかし、他者との関係性の機微によっていつのまにかいじめに加担しているわけですから。


大人が「友達を作ることの強要」「仲良しの強要」をすることなど意味がないのです。

その子が他者を信頼できるようになり、優しい関わりや、あたたかい関わりをそれなりに受けて、なおかつ自己表現を抑圧されることもなく、長所も短所もありのままに尊重されていれば、その子は必要な段階で必要なだけの交友関係をおのずと持つのです。
それを過干渉にならない程度で配慮し、あとは信じて待てることが、プロとして子供を導く人の役割です。

これができてはじめて、「私は子供の自主性・主体性を尊重しています」と言うことができます。

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● COMMENT ●

おとーちゃんの記事で、いつも励まされています。

またコメント失礼します。
おとーちゃんのブログで子育てを0からやり直し、早、4年が経ちます。いつも、分かりやすい、情報発信、ありがとうございます!

この度、新一年になり、
希望に胸膨らませ、ワクワクドキドキしながら、通い始めました。入学式の校長先生の、友達を多く作りましょうの言葉にショックを受け、(親が)
色々と心の整理をつけて、また前向きに、と考え始めた矢先、
一週間経った今、今度は息子が学校に行きたくないと言い出しました。
聞いてみると、
ガヤガヤしていた時に、担任の先生が、
今、うるさくしていた人、手を挙げなさい!との事。。。
それを聞いた時は、もう、違和感でしかなく、、、
大人に対してだったら、絶対、そんな言い方はしないだろうと思うので、子供を下に見ているというか、そんなモヤモヤが消えません。今は何をする時間ですか?や、今は先生のお話を聞く時間です、など、声かけはもっとあるはず、、、
実際、幼稚園では、このような声かけをしてもらっていましたし、幼稚園の子供たちも、
声を受けて、時間はかかるものの、自分たちで考えて行動に移せる時間がありました。
なので、ひとつ学年が上がったのに、
逆行して、子どもの力を信じてもらえない状況で、とても残念な思いをしています。
35人を一斉に見ないといけないので、
事情は分かりますが、、、
愚痴っぽくなってすみません。
小学校へ上がっても、悩みは尽きませんが、
おとーちゃんに教えてもらった、
ゆったりとした心と笑顔で、
受容しながら、共感しながら、笑いながら、
日々過ごして行きたいと思います。
ブログ、楽しみにしています!!


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